310022200 シークレットリーエバーアフター(Secretly Ever After)(SEA編) 第2章 今宵、聖域にて貴方と 第2話 今宵、聖域にて貴方と-20
【シェキナー】 さて… 困りましたね
【ハイス】 ああ、お嬢さん どうじゃった…? 姉さんは…
【シェキナー】 ええ 貴方の言う通り、あの廃墟に 魂が囚われているようです
【ハイス】 やはり、そうじゃったか…
【シェキナー】 ハイスさんと仰いましたね もう少し、詳しいことを聞いても よろしいですか?
【ハイス】 構わんよ むしろ、聞いてもらいたいんじゃ
【ハイス】 もう…儂にはどうすればいいのか 分からんからのう…
【ハイス】 儂はハイス・クライノート 今は廃墟になっておる、あの屋敷で 生まれ育った
【ハイス】 父は宝石商を営んでおって リットゥとは よく遊んでもらっておったよ
【ハイス】 儂が寄宿学校に入ることになり、 リットゥが道中の警護に ついてくれた…
【ハイス】 じゃが、その隙を突いて 強盗団が家を襲ったんじゃ…
【ハイス】 リットゥも 急ぎ戻ってくれたそうじゃが… 皆、死んでしもうた
【ハイス】 強盗団は、その後、リットゥが 全て捕らえ、処罰されたと聞いておる
【ハイス】 儂は学校側の援助もあり、 どうにか一人で やってこれたのじゃが…
【ハイス】 あまりに辛い出来事でのう 葬儀以来、この町には 近づかないようにしておった
【ハイス】 ところが、娘がこの町の男と 結婚してのう
【ハイス】 数年前、娘夫婦に呼ばれて この町で暮らすようになった
【ハイス】 久し振りの故郷じゃ… 意を決して丘の上の廃墟に 行ってみたのじゃが…
【ハイス】 そこで…子どもの頃のままの 姉さんを見たんじゃ…
【ハイス】 儂も困惑したが、 姉さんがひどく怯えてのう… こんなジジイでは無理もないが…
【ハイス】 それっきり、廃墟に近づこうとすると 何故か先に進めんように なってしもうた
【シェキナー】 リットゥの力ですね 恐らく、フランの心に反応して 自動的にハイスさんを拒絶した
【ハイス】 それ以来、何とかならんものかと 思案しておったんじゃが… 先日、奇妙なことが起き始めてのう
【シェキナー】 何が起きたんですか?
【ハイス】 町の皆が、丘の上には 宝石商の屋敷があると 言い出したんじゃ
【ハイス】 儂は信じられんでのう…
【ハイス】 初めは廃墟に近いところに 住んどる者達だけじゃったが、 じきに広まって
【ハイス】 今では多くの者が、丘の上には 宝石商の…父の屋敷があると 言うんじゃ…訳が分からん
【ハイス】 お嬢さん あんた、何とかする方法を 知らんじゃろうか?
【ハイス】 儂は姉さんの魂を ちゃんと天に還してやりたい…
【シェキナー】 安心して下さい、ハイスさん
【シェキナー】 この一件、 私が解決してみせます!
【ハイス】 お、おうっ…
【シェキナー】 事情は概ね把握できました 次は…
【シェキナー】 そろそろ出てきなさい カドケウス、ケーリュケイオン 盗み聞きは規律違反ですよ
【カドケウス】 あれ~? ばれちゃったかー
【ケーリュケイオン】 うーん 見つかっちゃったね~
【シェキナー】 しらじらしいですよ、二人とも 貴方達が本気で気配を消していたら 私でも気づけたかどうか…
【シェキナー】 中途半端に隠れて 私に見つけさせたのでしょう? 悪巧みはいけません
【カドケウス】 悪巧みじゃないよ~ ちょっと気になってるだけ
【ケーリュケイオン】 シェキナーに迷惑はかけないから 心配しないで
【シェキナー】 貴方達は… まあ、いいでしょう せっかくなので手伝って下さい
【カドケウス】 シェキナーの頼みか~ 聞いてあげてもいいけどね~
【ケーリュケイオン】 タダでとはいかないよね~
【シェキナー】 分かっています この宝石でどうですか?
【カドケウス】 ええっ? シェキナーが宝石を差し出すなんて
【ケーリュケイオン】 しかも赤くて大きな宝石だよ 思い切ったね~
【カドケウス】 ふふ~ん これは、アレだね
【ケーリュケイオン】 うん 愛だね~
【シェキナー】 二人とも、邪推はなりません それで、手伝うのですか? 手伝わないのですか?
【ふたり】 もちろん、手伝いま~す♪
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