310022214 レーヴァテイン・獣刻・バハムート 理砕『婚儀を祝いし巨竜』
その後もゆるやかに、 結婚式体験のイベントは進み…
たくさんの男女が 祝福を受ける様を、 二人は観客席から見ていた
【レーヴァテイン】 …ねえ、マスター ふと思ったんだけど、 言っていい?
【レーヴァテイン】 あなたって、正直… あんまり花婿らしくないよね
【レーヴァテイン】 ふふふ…だって、ほら あそこの花婿さんは、 いかにも頼り甲斐ありそうだし
【レーヴァテイン】 向こうの花婿さんは、 きちっとしてて 紳士みたいだなって思うけど…
【レーヴァテイン】 あなたはあんまり、 そういうタイプじゃないなって… ふふっ、ごめん…
からかうように笑う レーヴァテインに、 マスターは口をとがらせる
【レーヴァテイン】 あぁ、怒らないでよ… ごめんって、ちゃんと謝るから
【レーヴァテイン】 でもさ… あなたも今は立派な 隊のリーダーなわけだし…
【レーヴァテイン】 たまにはかっこいいところを 見せてみたらどう? なーんて…
いかにも面白がる口調で マスターをからかう レーヴァテイン
言われっぱなしの マスターだったが… 覚悟を決めて、彼女の両肩をつかむ
【レーヴァテイン】 へっ? な、なに? 伝えたい言葉がある…?
【レーヴァテイン】 っ!! ま…ま、ま、マスターっ!? いきなり何を…っ!
【レーヴァテイン】 ………え? さっきの花婿のセリフを 真似してみた…?
【レーヴァテイン】 …あぁ、そう…そういうこと… なんだ…もう…
ただの真似だったとわかり、 ほっと気持ちを落ち着ける レーヴァテインだったが…
【レーヴァテイン】 …今のでどうかな、って? そんなこと、 いちいち言わせないでよ…
一度照れて赤くなった顔は なかなか元に戻ってくれず…
顔を背けながら、 マスターとの会話を つづけるのだった
【レーヴァテイン】 …うん? マスター、向こうで みんなが呼んでる
指さした先には、 式場の貸し出しドレスを着た 斬ル姫たちがいた
レーヴァテインの姿に感化され、 彼女たちも花嫁体験を してみたいと考えたのだった
【レーヴァテイン】 あの子たちも、 花婿役はあなたがいいみたい
【レーヴァテイン】 姫たち全員の花婿役って、 なかなか大変そうね…
【レーヴァテイン】 まぁ、がんばって… あの子たちのことも、 ちゃんとエスコートしてあげてよ
レーヴァテインに背中を押され、 気合いを入れて 花婿役に臨むマスター
その後ろ姿を見ながら… レーヴァテインは先ほどの マスターのセリフを反芻する
【レーヴァテイン】 …ふふっ… 生涯あなたを愛することを 誓います、か…
心の中で、何度も繰り返し その言葉を思い返す
そのたびに、 レーヴァテインの胸の中で マスターへの想いが募り…
新たなスキル 理砕『婚儀を祝いし巨竜』となって 彼女の心を満たすのだった…
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