3100924 バルムンク 天戒『艶美なる栄花』
数日後――
バルムンクは、 また草原で花を摘んでいた
【バルムンク】 あ、マスター
やってきたマスターに声を掛ける彼女
そして、あの日以来、 変化した己の胸の内を語るのだった
【バルムンク】 私ね… 今までは男であるマスターに 恐怖心を持ってたけど…
【バルムンク】 信頼の心を持てたことで、 ためらいも戸惑いもなくなった
【バルムンク】 戦闘で、より積極的に なれるようになった
【バルムンク】 それは… マスターを信頼するように なったから
【バルムンク】 そうしたら、 マスターからの信頼も 感じられるようになった
【バルムンク】 男性が私に向けるのは 欲でしかないと ずっと思ってたけど…
【バルムンク】 でも、このお互いに 向け合う感情・感覚こそが、 信頼を越えたもの…
【バルムンク】 “愛”なのだと知ったわ
【バルムンク】 そう思うと、 不思議と力が湧いてくる
【バルムンク】 その力で… あなたを助けたいの
その心の変化が、 彼女にまた新たな力を 与える
天戒『艶美なる栄花』に 目覚めた瞬間だった
【バルムンク】 でもね、不思議なの
【バルムンク】 “愛”という感情を知ったら、 また新たな感情が湧いてきたんだ
【バルムンク】 マスターの周りには姫という、 たくさんの美しい花が咲いている
【バルムンク】 嫉妬とか、マスターを 独占したいっていう… そんな感情も湧いてきた
【バルムンク】 でもね…
【バルムンク】 そんな感情も含めて… 今はこの花畑の中にいることが とても心地よくて楽しいの!
そう言って、 とびっきりの笑顔を見せる彼女
【バルムンク】 でも、いつか…
え?なに? と尋ねるマスターに
【バルムンク】 うふふ
【バルムンク】 私は姫よ? 美しい花にはトゲがあるもの あまり深入りしない方がいいわよ?
悪戯っぽく笑う彼女
でも、本心では…
【バルムンク】 いつか、あなたにとって… 特別な一輪になる
そう思っているのだった
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