310121213 アダマス・D. plug・アイム 魔眼『真摯なる焼尽』
あれから数日後――
マスターは珍しい光景を 目の当たりにしていた
今までは姫達と 距離のあったアダマス
だが……
【アダマス】 料理っていうのも、 ちゃんとやれば面白いわね
【アダマス】 強火、中火、弱火、とろ火、 火加減なら私に任せて
なんと彼女は自身の炎を使い、 姫達に料理を振る舞っていた
【アダマス】 あ、マスター
【アダマス】 なに? あんたも食べたいの? どうしようかしらね
アダマスは不敵に笑うが その表情には以前のような 苛烈さはない
食事の後――
マスターは、 彼女の話に耳を傾けていた
【アダマス】 驚いた?あたしの変化に
【アダマス】 実は先日、 こんなことがあってさ
【アダマス】 ひとりでいたところを、 敵の大群に襲われてしまったの
【アダマス】 あたしの炎で 燃やしてやろうと思ったけど…
【アダマス】 その数の前に、 窮地に追い込まれてしまって……
【アダマス】 そんな時、駆け付けてくれたのが… 姫達だった
【アダマス】 一瞬、意外だったけど……
【アダマス】 あぁ、そういうことかって すぐにわかったわ
【アダマス】 この前は、あたしがみんなを助けた だから、みんなもあたしを 助けてくれた
【アダマス】 今までは正直、仲間のことなんて 特になんとも思ってなかったけど…
【アダマス】 助けてもらったら… また、みんなを助けてあげたいと 思うようになった
【アダマス】 まんまとしてやられたって言うか…
【アダマス】 『絆』という名の、 マスターの火がみんなに燃え移って
【アダマス】 あたしの心にも、 飛び火したってことね
【アダマス】 今まで、こんな感覚はなかったわ
【アダマス】 なんていうか… とても熱いの、胸の奥が ふふ……
【アダマス】 この前は、 あんたがどこまでやれるのか
【アダマス】 この目で見させてもらうって 言ったけど…
【アダマス】 気が変わったわ
【アダマス】 これからは、 あんたがどこまでも行けるように…
【アダマス】 支えることにしたから
【アダマス】 あんたの身の丈を超えた願い… あたしも一緒に 叶えてやろうじゃないの
そう言って、 彼女は照れ臭そうに微笑んだ
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