310181213 でんぱ 祝音の虹雷
【でんぱ】 はぁ…はぁ…!
大群との戦闘に、 次第に不利になっていくでんぱ
【でんぱ】 ダ、ダメだ…
【でんぱ】 やっぱり… ワタシは不完全な存在…
【でんぱ】 歌も…戦闘も… 何もかも…不完全…
【でんぱ】 誰も… 笑顔になんか出来ない…
ガキィン!
【でんぱ】 うっ!
構えた剣を弾き飛ばされ、
【でんぱ】 あぁ…
絶望を胸に倒れる彼女
【でんぱ】 ごめんね、マスター… ワタシの力じゃ… 世界を平和にすることなんて…
心が折れそうになった、 その時…
【でんぱ】 …!
マスターが彼女に何かを手渡した
【でんぱ】 こ、これは…?
彼女の手に握らされたのは、 一本のマイクだった
【でんぱ】 な、なんで…
マスターは彼女に語り掛ける 悩んでたっていい、 楽しめてなくてもいい
心に棘が刺さっているのなら… その棘を歌にしてしまえばいい
それを出来るのが 歌ってもんなんでしょ?
【でんぱ】 !!
だから歌って、 素晴らしいんじゃないの?
歌を愛するきみなら… みんなを笑顔にできると思うよ マスターが微笑んだ
【でんぱ】 ………
マイクを握り締める彼女
【でんぱ】 …アンコール…アンコール…
そう自分に言い聞かせ、 立ち上がる
【でんぱ】 ありがとう、マスター
【でんぱ】 不完全だっていいんだね?
完全な人なんていない みんな不完全なんだよ そう言って頷くマスター
【でんぱ】 不完全だから心が弱くなる なにかに寄り添いたくなる、 心酔したくなる
【でんぱ】 だから…歌を聴きたくなる!
【でんぱ】 マスターの言う通り、 不完全なワタシをぶつけた歌で…
【でんぱ】 世界を笑顔にしてみせるよ!!
彼女の中で、何かが覚醒した!
【でんぱ】 はぁぁぁぁぁぁっ!!
その瞬間、 彼女の頭上に虹がかかり、 マイクは雷型の剣に変化!
そして、敵に向かって 力強く言い放つ!
【でんぱ】 あんたたちみたいな、 マナーの悪いファンは お断りだよ♪
【でんぱ】 くらえ!! 『祝音の虹雷』―――ッ!!
新たな力を得た彼女は、 とてつもない力で 敵を一掃するのだった
そして…
戦闘が終わった草原で、 彼女はマスターに胸の内を語っていた
【でんぱ】 マスター!!
【でんぱ】 大事なことに 気づかせてくれて、 ありがとう!
【でんぱ】 ワタシ、分かったよ! 歌を歌う理由!
【でんぱ】 ワタシって… 不完全だから歌い続けるんだね♪
【でんぱ】 “完全”になる日を夢見て!
【でんぱ】 だから、その日が来るまで、 ずっとワタシの歌を側で聴いててね
【でんぱ】 約束だよ、マスター!
【でんぱ】 それじゃあ、さっそく聴いてくれる? 気持ちを込めて歌います 大好きなマスターのために…
彼女の歌声は、 壁を一つ乗り越えた力強さに 満ち溢れていた
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