320011202 ミョルニル・獣刻・キマイラ 無邪気な破壊者
トレイセーマ時代、 協力し、共に戦ったこともある ミョルニルとゲイボルグ
ミョルニルは、 ゲイボルグに己の心のうちを 語っていた
【ミョルニル】 トレイセーマに行く前までは、 戦うのが楽しかったんだよね 勝てたら、単純に嬉しかったし
【ミョルニル】 でもね…
【ゲイボルグ】 …変わったのか?
【ミョルニル】 うん… トレイセーマに行ってからは、 戦うことが怖くなっちゃったんだ
【ゲイボルグ】 貴様は… トレイセーマにいた頃でも、 いつも明るく天真爛漫だった
【ゲイボルグ】 しかし現実は… そう見せかけていただけ だったんだな
【ミョルニル】 だって、トレイセーマでは すっごく怒られたから
【ゲイボルグ】 確かに…私達斬ル姫は、 戦果をあげても敬われはしない… 単なる兵器扱いだ
【ゲイボルグ】 ゆえに言動には厳しい規制が入り、 自由とは程遠い状態だった
【ミョルニル】 そんな所で毎日毎日、 「あれをしろ」「これはするな」 って指図されて、
【ミョルニル】 逆らったり、 役立たずだと思われたら…
【ミョルニル】 すぐに捨てられちゃうって、 ずっと怖かったんだ
【ゲイボルグ】 …………
【ミョルニル】 だから、トレイセーマから ここに移ってきて…
【ミョルニル】 今はのびのびやってるよ!
【ミョルニル】 だから…別に悩みなんて…
そう語る彼女に対し、
【ゲイボルグ】 トレイセーマでの経験からだろう… 貴様が今、最も恐れているのは…
【ゲイボルグ】 人から怒られること
【ミョルニル】 …!
【ゲイボルグ】 怒られるくらいなら… 見捨てられるくらいなら… 嫌われる方がマシだと
【ゲイボルグ】 だから無意識のうちに圧を出し、 口出しされないようにしている
【ゲイボルグ】 たとえ偽りでも… 自分の居場所を作るために
【ゲイボルグ】 違うか?
【ミョルニル】 …………
【ミョルニル】 それじゃダメ…?
【ゲイボルグ】 …なに?
【ミョルニル】 だって…怒られたくないよ! ミョルニルちゃん、 楽しい方がいいもん!
目に涙を浮かべ、 ゲイボルグを睨み付ける
【ゲイボルグ】 それでは…せっかく トレイセーマから解放された 甲斐がないというものだ
【ミョルニル】 どういうこと…?
【ゲイボルグ】 本当の意味で “恐怖”から解放されなければ…
【ゲイボルグ】 真の心の自由は手にできない
【ミョルニル】 !!
【ミョルニル】 真の…心の自由…?
【ミョルニル】 なにそれ? どうやったら 手に入れられるの?
【ゲイボルグ】 そこまでは私には分からない あとは、貴様が自分自身で 乗り越えるしかない
そう言い残し、彼女は去って行った
【ミョルニル】 そんな~! そこまで言うんなら、 教えてよ~!
【ミョルニル】 ミョルニルちゃん、 わかんないよ~!
【ミョルニル】 ゲイボルグの意地悪~~~~ッ!!
彼女の 苦しみに満ちた叫びが こだました
あれから、数日後─
戦闘の場にて─
【ゲイボルグ】 本当の意味で “恐怖”から解放されなければ…
【ゲイボルグ】 真の心の自由は手にできない
【ミョルニル】 …うぅ~
ゲイボルグの言葉に思い悩む彼女
【ミョルニル】 結局どうしたらいいか分かんないし… 教えてくれたって…
【ミョルニル】 あっ!!
考え事をしていた一瞬の隙を突かれ、 敵に背後を取られる
【ミョルニル】 し、しまっ…
それを救ったのは…
【ミョルニル】 …あっ!
身を挺し、彼女を救ったのは ゲイボルグだった
【ゲイボルグ】 お、恐れるな… 誰かと共に戦うことを…! 人を信じることを…!
【ミョルニル】 !!
そこに駆けてくるマスター
選択肢:
- ゲイボルグ、だ、大丈夫!? → select_label_01へ
- ゲイボルグ、怪我は…!? → select_label_02へ
- 立てるか、ゲイボルグ!? → select_label_03へ
そこに駆けてくるマスター
select_label_01:
【ミョルニル】 ミョルニルちゃんのせいで…
select_label_02:
【ミョルニル】 ミョルニルちゃんを守ろうとして…
select_label_03:
【ミョルニル】 ミョルニルちゃんが悪いんだ…
select_label_end:
マスターに怒られることを、 恐れるミョルニル
だがマスターは…
ゲイボルグのことは僕に任せて! その代わり… ここはきみに任せてもいいかな?
【ミョルニル】 !!
【ミョルニル】 ミョルニルちゃんに… 任せてくれるの…?
【ミョルニル】 マスタに… 任された…
【ミョルニル】 今までは一人で戦ってたけど…
【ミョルニル】 戦う意味ってのが… 初めてわかった気がする!
【ゲイボルグ】 私は大丈夫…軽傷だ! ミョルニル…任せたぞ!!
【ミョルニル】 うん、わかった!! 絶対にゲイボルグちゃんも マスタも…
【ミョルニル】 守ってみせるから!!
【ミョルニル】 はぁぁぁぁーーーっ!!
マスターのバイブスと激しく共鳴する
【ミョルニル】 いっくよ~~~っ!! 新技『無邪気な破壊者 -クレイジーモンスター-』!!
大きくジャンプし、 尻尾と爪で敵を殲滅するミョルニル
それは彼女が新たなるスキルに 目覚めた瞬間でもあった
【ミョルニル】 やったよ、マスタ! ミョルニルちゃん、勝てたよ!!
そして戦いを終えた帰り道、 ミョルニルは ゲイボルグと語らっていた
【ミョルニル】 『“恐怖”から解放されなければ… 真の心の自由は手にできない』 …だったよね?
【ゲイボルグ】 見つけられたのか? 答えを
【ミョルニル】 ミョルニルちゃん、 今まではずっと自由に楽しんでた
【ミョルニル】 でも、いつの間にか 周りに威圧感を与えちゃってたんだね
【ミョルニル】 それは…トレイセーマにされた 恐ろしい体験を思い出すから… でも…
【ミョルニル】 自由になりたくて楽しくやっても、 周りに威圧を与えるんなら… トレイセーマの連中と同じだよね
【ミョルニル】 わかったんだ♪ “自由”って周りに迷惑を かけることじゃない!
【ミョルニル】 そして“楽しむ”ってのは…
【ミョルニル】 周りも同じ気持ちに させちゃうってこと! そうだよね!?
【ゲイボルグ】 貴様がそう導き出したのなら、 それが答えだ
【ミョルニル】 ありがとう、ゲイボルグちゃん
【ミョルニル】 もう…恐れない!
【ミョルニル】 キミみたいな信頼できる仲間と…
【ミョルニル】 わたしを信頼してくれる マスタがいるんだもん!
【ミョルニル】 今、初めて… 誰かのために戦いたいって 思ってる!
彼女は、未知なる喜びに 心がトキめいているようだった
そこに新たなる敵の大群が出現する
【ゲイボルグ】 …ちっ!またか…
【ミョルニル】 だいじょぶだよ! ミョルニルちゃんに任せといて! 今のわたしは…
【ミョルニル】 なにも怖くないから!!
【ミョルニル】 さあ行こっか、ヤギさん! どの敵からやっつける!?
心の自由を手にし、 戦う意味を見出した彼女の瞳は キラキラと輝いていた
Next: 320011203