320031202 ラブリュス・聖鎖・カマエル 叛逆者への断頭台
数日後─
ラブリュスの隊は、 ケイオスリオン帝国に向け、 進軍していた
【ヴァナルガンド】
…………
そんな中、少し離れた場所から ラブリュスを監視するヴァナルガンド
【ラブリュス】
まぁた見てる…
あの人、わたしの
ファンなんじゃないの？
帝国の外れに位置する 遺跡が残る平野… 両軍はそこで激突した
【ラブリュス】
はぁ…はぁ…！
【ラブリュス】
教皇様に…
勝利を捧げる！！
必死に斧を振るラブリュス
【ラブリュス】
はぁ…はぁ…！
しかし歌を禁じられて以来、 彼女は本来の力を出せないでいる
【ラブリュス】
はぁ…はぁ…！
くっ…！
ケイオスリオン兵の攻撃を 斧で防ぐ彼女
しかし…
【ラブリュス】
きゃぁっ！
とうとう力尽き、 敵の攻撃に吹き飛ばされてしまった
【ラブリュス】
う…うぐ…
【ラブリュス】
…！
【ヴァナルガンド】
…………
倒れるラブリュスを ヴァナルガンドが見下ろす
【ラブリュス】
はぁ…はぁ…
【ヴァナルガンド】
…………
【ラブリュス】
ねぇ…
【ラブリュス】
今のわたし…
かわいい…？
【ヴァナルガンド】
…………
【ラブリュス】
なんてね…冗談だって
【ラブリュス】
そんな目で見ないでよ…
わたしはまだまだ…
できるんだから…！
体を起こすラブリュス
そんな彼女に、 ヴァナルガンドが近づく
【ヴァナルガンド】
…………
【ラブリュス】
なに…？弱いわたしは
もう、お役御免ってわけ？
粛正を覚悟するラブリュス
しかし…
【ラブリュス】
…え？
ヴァナルガンドは、 ラブリュスの傷を 治癒してくれたのであった
【ラブリュス】
な、なんで…？
【ヴァナルガンド】
質問するのはこちらです
【ヴァナルガンド】
あなたはなぜ…
かわいくありたいのですか？
【ラブリュス】
…！
【ヴァナルガンド】
なぜ歌うのですか？
【ラブリュス】
それは…
彼女の頭の中を、 過去の光景が駆け抜ける
『象徴』とされたキラーズの影響で、 誰からも認められたくて始めた歌
【ラブリュス】
きっかけは
ただ注目されたいっていう
軽い気持ちだったけど…
【ラブリュス】
でも…わたしの歌で、
人に元気をあげられた
【ラブリュス】
心を癒してあげることが出来た
【ラブリュス】
誰かに…“なにか”を
与えることが出来た！
【ラブリュス】
そう…
誰かに…“なにか”を…
【ヴァナルガンド】
それが
あなたの力の源なのですね
【ラブリュス】
そうだよ…
だからわたしは歌うの！
【ラブリュス】
この戦場のように…
過酷な状況にいる人達にだって
勇気をあげたいから！！
そう叫び、立ち上がる彼女
その力強い姿はまるで ステージでスポットライトを 浴びるかのように輝いている
【ラブリュス】
いっくよー！！
そう叫ぶと彼女は 巨大な斧を持ったまま 空に飛び上がり、
凄まじきパワーで 敵を殲滅するのだった
【ラブリュス】
できた！
わたしのニューシングル…
【ラブリュス】
じゃなくてスキル！
『叛逆者への断頭台
-ミュージックスタート-』！！
戦闘は終わり… そして…
【ラブリュス】
あの…
【ヴァナルガンド】
なんですか？
【ラブリュス】
ありがとう…
【ヴァナルガンド】
なにがです？
【ラブリュス】
ずっと監視されてて
正直ウザいなぁ～
なんて思ってたけど…
【ヴァナルガンド】
…………
【ラブリュス】
君がいてくれて良かったよ
【ラブリュス】
君の言葉があったから、
わたしは強くなれたんだもんね
【ヴァナルガンド】
別に…
私は思ったことを言っただけです
【ラブリュス】
厳しく接しながらも
相手の力を引き出す
君ってなんだか…
【ヴァナルガンド】
…？
【ラブリュス】
マネージャーみたいだね！
【ヴァナルガンド】
は？マネージャー？
【ラブリュス】
ふふ、なぁんてね♪
そう言って、 隊の真ん中に飛び出してゆく ラブリュス
【ラブリュス】
いっくよー、みんな！！
叫んだかと思うと、 みんなの前で歌を歌い始める
彼女の歌に耳を傾ける斬ル姫達 みな心に癒しをもらっているようだ
【ヴァナルガンド】
歌は国家によって
禁止されましたが、
でも…
【ヴァナルガンド】
彼女の歌が、
隊のみんなを勇気づけているのも
また事実
【ヴァナルガンド】
まぁ、祝勝歌ということで…
今日だけは大目に見ましょう
【ラブリュス】
じゃあアンコールに応えて、
もう１曲歌います♪
キラキラと楽しそうに歌う ラブリュスの笑顔は、 やはりとても“かわいかった”
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