320161202 シタ・聖鎖・メタトロン 遅すぎた最終通達
それからのシタは大変だった
【芭蕉扇】 いい?隊においては、 妾が最も偉い存在なの
…と、のたまう彼女に
【シタ】 いや、でも…
【芭蕉扇】 なぁに?
【シタ】 マ、マスターは斬ル姫にとって パートナーではありますが、 敬い尊ぶべき存在です!
【シタ】 それを斬ル姫であるあなたが 最も偉いなんて… け、契約違反です!
【芭蕉扇】 そ~お?
また、ある時は…
【シタ】 芭蕉扇さん!遅刻です! ちゃんと時間は伝えましたよ!
【芭蕉扇】 ごめ~ん、寝坊しちゃったぁ
食事時でも…
【芭蕉扇】 なにしてるの、後輩ちゃん? 妾が一番に食べるに 決まっているでしょ?
【シタ】 隊にそんなルールはありません! 契約違反です!
また、ある時は…
【シタ】 ふぅ~、 やっと落ち着いて お風呂に入れる…
【シタ】 きゃあっ!
【芭蕉扇】 あら、後輩ちゃん?
【シタ】 ば、芭蕉扇さん! 今は私の入浴時間ですよ!
【芭蕉扇】 いいじゃない、そんなの? なんなら一緒に入る?
【シタ】 や、やめて下さい!! も~う!!
みんなの心配通り、 案の定の水と油… 芭蕉扇に振り回されっ放しのシタ
【シタ】 うぅ…なんなの、あの人…
【シタ】 時間は守らない… 契約違反はする… なのに私に文句ばっかり言う…
【シタ】 うぅ~……もう~~~
【シタ】 私だって…! がんばってるのにぃぃぃ…!
【シタ】 本当なら、あの人が悪いんだ… 私は悪くないんだ…
【シタ】 そうだ…そうだよ、 私が悪いんじゃない、 あの人が悪いんだ…
【シタ】 そうだ、そうだよ… ふ…ふふ…
何やらブツブツ呟きながら、 怖い笑顔を浮かべている… 端から見れば危ない人だ
そこに…
「大変そうだね」
【シタ】 …あ!マ、マスター!
選択肢:
- 多少のことは大目に見てあげてね → select_label_01へ
- 彼女、ほんとは悪い子じゃないから → select_label_02へ
- 彼女、悪気はないから許してあげてね → select_label_03へ
…あ!マ、マスター!
select_label_01:
【シタ】 …マスター
select_label_02:
【シタ】 …そうですか
select_label_03:
【シタ】 …なるほど
select_label_end:
うつむくシタに 優しく微笑みかけるマスター
【シタ】 私は… 天使メタトロンを 内包してるんです…
【シタ】 契約違反者に厳しい目を 向けてしまうのはそのせい… 私だって本当は……
俯く彼女に、
悩まなくてもいいよ
厳しさとは… 「誇り」だと思うから
【シタ】 …!
そう告げ、立ち去るマスター
【シタ】 …厳しさとは… 「誇り」…
【シタ】 ……そっか
【シタ】 そうなんだ…
彼女に落ち着きと、 笑顔が少し戻った瞬間だった
あれから数日後
敵の討伐に出向くマスターの隊
【芭蕉扇】 はぁ~、それにしても遠いわね
【シタ】 ………また文句言ってる
【芭蕉扇】 ねぇ、マスター 足揉んで? 妾、疲れちゃった
【シタ】 !!
【シタ】 ちょっと芭蕉扇さん!
【芭蕉扇】 あら、どうしたの? 大きい声出して
【シタ】 言いましたよね!? マスターと斬ル姫は主従関係だと! なのに…!
【シタ】 何でも自分が「一番」だと 思ってるんですか!?
マスターの助言を受け、 少し落ち着きを見せていた シタだったが、
芭蕉扇の傲慢ぶりに、 とうとう激昂してしまった
【芭蕉扇】 …後輩ちゃん
と、その時…
【芭蕉扇】 !!
【芭蕉扇】 敵よ!
【シタ】 !!
突如、敵が出現 マスターがピンチに晒される
【シタ】 マ、マスター!
【芭蕉扇】 ………
マスターを助けようと 誰より早く、「一番」に 飛び出したのは芭蕉扇だった
【シタ】 …! 芭蕉扇さん!
【芭蕉扇】 後輩ちゃん! マスターのこと、 頼んだわ!
【シタ】 は…はい!
マスターの守護をシタに任せ、 敵と戦う芭蕉扇
そんな中、芭蕉扇はシタに語る
【芭蕉扇】 妾たち斬ル姫の絶対的『契約』…
【シタ】 …え?
【芭蕉扇】 それはマスターを守り抜く事! その一点のみでしょ!?
【シタ】 !!
【芭蕉扇】 その一点を守るために、 あなたの「厳しさ」は あるんじゃないの!?
【シタ】 !!
【シタ】 私の…厳しさは……
厳しさとは… 「誇り」だと思うから
【シタ】 私の誇り!!
マスターの言葉を思い出し、 バイブスが共鳴するシタ
【シタ】 芭蕉扇さん!
【芭蕉扇】 …!
【シタ】 私も…戦います!
【シタ】 『契約』の名の元… 私の誇りをもってして、 マスターをお守りするために!!
【シタ】 新技! 『遅すぎた最終通達 -リヴェルアラート-』!!
【芭蕉扇】 !!
彼女の強力な技により、 敵は倒されたのだった
【芭蕉扇】 ふふ、やるじゃない 後輩ちゃん
【シタ】 は…はいっ!
【芭蕉扇】 さて、討伐完了 てことで帰還するわよ
【芭蕉扇】 妾の武器、持ちなさい
【シタ】 …え?
【シタ】 も~!また、そうやって…!
【芭蕉扇】 武器を預けるって事は… それだけあなたを 信頼してるからよ?
【シタ】 …!
【芭蕉扇】 ま、あなたは妾と違って 真面目そうだから 任せても大丈夫でしょ?
【シタ】 ば…芭蕉扇さん…
芭蕉扇の想いを 初めて知った瞬間だった
【芭蕉扇】 でも、ま、今日はいっか 戦闘で活躍したから、 武器持ちは免除してあげるわ、シタ
【シタ】 …!
【シタ】 …ちょ、ちょっと待って下さい
【シタ】 今…後輩ちゃんじゃなく、 初めて…… シタって呼んでくれました…?
【芭蕉扇】 あら?そうだったかしら?
とぼけてみせる芭蕉扇 だが本心は、
斬ル姫の絶対的“契約”である 『マスターを守る事』 それを遵守したシタを認めたのだ
その帰還中…
【シタ】 あ、ありがとうございます、 芭蕉扇さん
【シタ】 あなたがああ言ってくれたから、 隊のみなさんも私を認めてくれたって 言うか…
【シタ】 なんだか 打ち解けられたような 気がします
【シタ】 でも…
【シタ】 感謝はしてますが…
【シタ】 やっぱり契約違反はダメです!
【芭蕉扇】 え?
見ると、マスターと ちゃっかり腕を組んでる芭蕉扇
【シタ】 マスターにそのような行為は…!
【芭蕉扇】 あら、いいじゃない?
【シタ】 もう!わ、私だって…
【シタ】 マスターの「一番」に なりたいんですから!
芭蕉扇に負けじと マスターに腕を絡めるシタ
【芭蕉扇】 生意気よ、後輩ちゃん!
【シタ】 あっ!
マスターの腕を引き、 駆けていく芭蕉扇
【シタ】 …もう!
【シタ】 ふふ、本当に… ありがとうございます
芭蕉扇とマスターの背を見つめる シタの笑顔は、 とても穏やかで嬉しそうだった
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