320251211 神令エルキュール 捨て身の覚悟
出る杭が打たれない結果だろうか
【エルキュール】 世界を救うんですよね 立ち止まっている暇がありますか
振り向きもせず 先を進む斬ル姫、エルキュール
彼女が隊に来てからというもの ろくに睡眠も許されず 行軍を強いられているマスター一行
【エルキュール】 強いているわけではありません 私を止めないで、と言っているのです
誰の制止もきかず グイグイと先へ進んでいく彼女
放っておくわけにもいかず マスター達はついていくしかない
【エルキュール】 あの蝶々を見てください
【エルキュール】 飛び続けるためには 羽ばたき続けなくてはならないんです
【エルキュール】 つまり 世界を救うためには 進み続けなければならないんです
例えが雑だが そんな反論もしていられない
辺りを見回せば 見るからに疲弊している、 他の斬ル姫達
マスターはエルキュールを 少し強引に引き留めようと 彼女の肩に手を伸ばす
【エルキュール】 …!? 止めないでください!!!
雷鳴のような叫び 彼女が反射的に振り下ろした大斧は 轟音と共に大地に抉り込まれる
腰が抜けてしまうマスター
【エルキュール】 私は屈しませんよ たとえバイブスが共鳴しても
マスターの足元に突き刺さった斧を 軽々引き抜くエルキュール
【エルキュール】 あなたとバイブスが共鳴したのは 私の信念への想いが 足りなかったせいです
【エルキュール】 私の世界救済に対する覚悟が 甘かったからです
【エルキュール】 私はただ突き進むだけ
エルキュールは腰に手を置き マスターを見下ろす
【エルキュール】 たとえ命果てようと この信念を貫きます
キッと凛々しく踵を返し 更に先を急ごうとするエルキュール
その時 雷鳴のような轟音と共に エルキュールのおなかが鳴る
【エルキュール】 …っ
一行の視線が 彼女のへそに集まる
【エルキュール】 …
エルキュールは サッと素早く自らのへそを隠し…
【エルキュール】 私は屈しませんよ…
【エルキュール】 …たとえ命果てようと!!!
彼女の身体は空腹に屈した
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