320251213 神令エルキュール 殲滅す雷神の砕斧
【エルキュール】 足を引っ張って欲しくないんです
エルキュールの単独行動が 更に目立つようになった
猪突猛進の戦い方、斧を振り回し 誰も近づけない苛烈な戦闘は エルキュールの孤立を深めた
仲間からの治癒も受け付けず ただ独り、前線に立ち続ける彼女
【エルキュール】 自分に…嘘は…つけません
…明らかな消耗が見て取れた
【エルキュール】 私は世界にこの身を捧げました 休むことすら 私には立ち止まっていることと同じ
【エルキュール】 平和になった後、私がどうなるか なんて不安、そんな心配…
【エルキュール】 こんな感情が足かせになるなら 私は心だって壊してみせます
戦闘後間もないというのに エルキュールはマスターと隊の皆に 背を向けて進み出す
【エルキュール】 うぁっ…ッ!?
しかし、足がもつれ その場に倒れ込むエルキュール
瞼は重く お腹からは空腹の雷鳴が鳴り響く
【エルキュール】 …き、気のせいです。こんなもの
【エルキュール】 まだやれる…命がある限り 何度だって立ち上がる…!
選択肢:
- 座って一休みしないと… → select_label_01へ
- 怪我だらけじゃないか → select_label_02へ
- 死んじゃうよ → select_label_03へ
まだやれる…命がある限り 何度だって立ち上がる…!
select_label_01:
【エルキュール】 命がある限り 座ってなどいられません!
select_label_02:
【エルキュール】 致命傷でなければ 戦い続けられます…!
select_label_03:
【エルキュール】 世界を救うことが出来るなら 私の命なんて!
select_label_end:
空腹と疲労困憊なだけで大げさだが しかし、この状態が続くとさすがに 命の危険も考えられる
疲れによって両ひざもガクンガクン 眠気によってうつらうつらの彼女
マスターは言う 『自分を騙している』んじゃないかと
【エルキュール】 ………!?!?
エルキュールは目を見開く
彼女の身体は、心は… まず自身の平和を求めているのでは と話すマスター
【エルキュール】 …私など、どうでもいいんです ただ、私は、世界救済のゴールを…!
きっとゴールはひとつじゃない 平和な世界も、ひとつじゃない
長い期間走り抜くには ゴールに辿り着く前に 小さなゴールを抜けていく必要がある
世界全体の平和を叶えるためには 途中にある小さな世界の平和を 守っていく必要があるんじゃないかと
マスターはその場に腰を下ろし 立ち上がろうとするエルキュールを 制止しながら話す
【エルキュール】 小さな世界の平和…?
自分自身の世界の平和 仲間達との世界の平和 戦いの後の世界の平和
立ち止まって見える 世界の平和があるはず
そしてマスター自身も エルキュールの平和を まずは守りたいと告げる
【エルキュール】 私の、平和なんて…そんなの…
エルキュールの『信念』を守りたい 平和を希望する彼女の突き進む道を 守っていきたい
【エルキュール】 ………嘘じゃ、ありませんか…?
訝しげな視線を向ける彼女 マスターは 真っ直ぐ見つめ返し、答える
エルキュールの歩みを邪魔はしない 彼女と並んで走りながら 心休まるゴールを用意してみせると
【エルキュール】 …!!
【エルキュール】 突き進む私と 並走してくれると…?
エルキュールの『信念』と マスターのバイブスが共鳴し 感情が重なるのがわかる
それは彼女が新たなる力 『殲滅す雷神の砕斧』に 目覚めた瞬間でもあった
騙されたと思って 周りを見てみなよ、とマスター
【エルキュール】 え…?
エルキュールが見回すと そこは一面の花畑
彼女が守った、世界のひとつ
【エルキュール】 私が救った、平和のひとつ…
目を輝かせるエルキュール
【エルキュール】 あ………蝶々
その視界に入り込む 一匹の蝶々
【エルキュール】 …きれい
エルキュールが思わず指を差し出すと 蝶々は彼女の指先ではためき…
【エルキュール】 あ、あはは、わぁぁ…!
【エルキュール】 止まったあっ
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