330241211 蜻蛉切・聖鎖・インドラ 強者を目指して
何人もの姫が戦場を駆け抜ける
その中、 凛々しく名乗りを上げる 姫がいた
【蜻蛉切】 我が名は 蜻蛉切・聖鎖(ジェイル)・ インドラ!
【蜻蛉切】 酒と喧嘩が我が人生! 一度きりの人生、 全力で楽しまなきゃ損、ってね!
【蜻蛉切】 さあさあ!喧嘩の華、 ド派手に咲かせてみせるわよ!
鋼鉄の槍を、 まるで小枝を振り回すかの如く、 軽々と扱う蜻蛉切
【蜻蛉切】 はぁぁぁっ!!
一刀両断
豪快に、 次から次へと 敵を斬り伏せていく
【蜻蛉切】 はぁっ!
そして、仲間の姫に背後から 襲い掛かろうとしている敵を 倒す蜻蛉切
【蜻蛉切】 大丈夫?
助けられた姫は、 彼女に礼を言う
【蜻蛉切】 礼なんていらないさ 喧嘩はド派手にいかなきゃ!!
そんな彼女の活躍で、 マスターの隊は見事 勝利を収めるのだった
【蜻蛉切】 ふふっ、今日も いい喧嘩ができたわ! ありがとね、マスター!
その夜、 マスターの隊は、 勝利を祝い酒宴を催す
【蜻蛉切】 ふぅ、 やっぱり勝利の後に飲む酒は 格別ね
ほろ酔い加減の彼女の元に、 やってくるマスター
【蜻蛉切】 あら、殿じゃない どうしたの?
頬を赤く染め、 上機嫌の蜻蛉切
ありがとう、仲間を助けてくれて マスターは蜻蛉切に対し、 深く礼を述べる
【蜻蛉切】 いいって、そんなの
隊の姫たちも、 強く頼もしい蜻蛉切を 慕っている
【蜻蛉切】 …ふぅ
だが、酒に酔った蜻蛉切は言う
【蜻蛉切】 ぶっちゃけ仲間を助けようとか、 そんなんじゃないから
【蜻蛉切】 倒したい敵のそばに たまたま仲間がいた、 それだけこと
【蜻蛉切】 私は、ただ ド派手に行きたいだけ!
【蜻蛉切】 本当に強い 真の武士(もののふ)に なりたいの
【蜻蛉切】 負け戦を勝ち戦にしてこそ、 真の強さを手に入れられるでしょ
【蜻蛉切】 不利な状況ほど燃えるのよ! あっははは!
と笑いながら、 豪快に酒を飲む
【蜻蛉切】 さあ!今日は祝杯よ~!
そう言って、どんどん飲んでいく
その様子を見て、 だ、大丈夫…? と心配気味のマスター
【蜻蛉切】 はぁ?なに言ってんのよ~! ほら、殿も飲んで!グイッと!
若干、絡み酒になってくる彼女
【蜻蛉切】 あははは!どうしたの、殿? そんなにじっと見つめて
マスターは、以前から気になっていた
彼女は喧嘩と聞くと 自ら首を突っ込み、 騒ぎを大きく、派手にしてしまう
いつか痛い目に遭わないだろうか? 酔っ払っていく彼女を見て、 心配になったマスターは…
気を付けてね …と言ったのだが、 それがいけなかったようだ
【蜻蛉切】 ……は?
彼女が座った目で、 マスターを見据える
【蜻蛉切】 なによ、も~! うるさいわね~! 弱いくせに!
【蜻蛉切】 酒と喧嘩が我が人生! 私はいつでも強き者でありたいの! 弱い殿に、文句言われたくないわよ!
酔った勢いで、 ついマスターに暴言を 吐いてしまうのだった
そして 次の日の朝―
【蜻蛉切】 うぅぅぅぅぅ……
【蜻蛉切】 頭、痛い…
【蜻蛉切】 完全に二日酔いだ……
【蜻蛉切】 記憶も途切れ途切れだけど……
【蜻蛉切】 でも… 殿に絡んじゃったのは 覚えてる…
【蜻蛉切】 酒が回ってたとはいえ、 殿を傷つけちゃうなんてね… はぁ…やらかした~
彼女はズキズキする頭を押さえ、 マスターの元へと訪れる
そして…
【蜻蛉切】 昨日は 悪かったわね…
【蜻蛉切】 酔っ払って、 つい、ひどいことを……
大丈夫だよ、気にしないで と優しく返すマスター
【蜻蛉切】 うぅ…私、決めたわ
なにを? マスターが尋ねる
【蜻蛉切】 もう… 二度とお酒は飲まない!
宣言する彼女
――が、
本当かなぁ…と、 苦笑しながら彼女を見る マスターだった
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