340011204 アルテミス・獣刻・マスターテリオン 四法『悪性侵蝕』
あれから数日後の朝―
【アルテミス】 お…おはよぅ… ございますぅ……
集合時間に遅れることなく 現れたアルテミス
だが、その目は とても眠たそうで…
そのことをツッコむ マスターに対し彼女は…、
【アルテミス】 …いえ、寝てません…… 眠たそうに見えるかも知れませんが…
【アルテミス】 意識は覚醒していますぅ… なので…私は起きて… いま…すぅ…
「後半、寝てるじゃないか!」 マスターにツッコまれる彼女を見て、 笑う姫たち
【アルテミス】 み…みなさん! 笑ってないで、ちゃんと 朝の当番に移って下さい!
【アルテミス】 でないと…制裁を下しますよ!
アルテミスは以前と変わらず、 厳しかった
だが『朝が苦手』という 弱点を露呈したことで、
他の姫たちに『親しみ』の感情が 一気に湧いたのだった
その後、マスターと 朝の掃除当番をしながら、 語るアルテミス
【アルテミス】 マスターの言葉で… 目が覚めた思いです
「まだ眠たそうだけどね」 と、笑うマスター
【アルテミス】 …もう!
【アルテミス】 でも…秩序のため、 以前のように“強制”するだけ…は やめました
【アルテミス】 みんなの“自由”を認めることで… その自発性や個性を活かしたいと 思うようになったのです
【アルテミス】 その方が… 心が生き生きしますからね!
心の変化が、 また彼女に新たなスキルを 与えていた
【アルテミス】 新技、四法『悪性侵蝕』 これもまた… マスターに与えて頂いた力です
過去を思い返しながら、彼女が語る
【アルテミス】 ここは… トレイセーマにいた頃とは、 全く違う世界
【アルテミス】 斬ル姫は道具ではなく… “仲間”
【アルテミス】 そう強く思えるようになりました これも…マスターのおかげです
静かに、かしずくアルテミス
そんな彼女に、 マスターは感謝の想いを伝える
「こっちこそ…いつもみんなのことを そしてボクのことを気に掛けてくれて ありがとう」…と
そして、 彼女の頭を優しく撫でるのだった
【アルテミス】 い…いえ!
【アルテミス】 このアルテミス… これからもマスターに 忠義を尽くすことを誓います
頬を紅く染めながら宣言する彼女
すると…
「アルテミスだけズル~イ!」 いつも色恋に厳しい彼女に対し、 姫たちからブーイングの嵐が
【アルテミス】 そ、そんなつもりでは…!
必死に反論する彼女
【アルテミス】 もぅ…みなさん! 早く持ち場に戻って下さぁい!
その笑顔は隊に来たばかりの頃とは 比べ物にならないほど、 柔らかく、明るかった
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