3401921 フェイルノート 気づかない輝き
マスターの隊に新しい姫が入った
彼女の名はフェイルノート
その態度は尊大
初めてマスターと出会った時も…
【フェイルノート】 お前様か?私を呼んだのは…
【フェイルノート】 ふぅん…灯火(ともしび)程度では あるけれど、たしかに 輝きを持つようね
【フェイルノート】 私はかつて『魔を統べた王』 決してお前と同列ではないわ
【フェイルノート】 認められたいのなら、見せてみなさい お前様の輝きを
かなりの上から目線だった
それは、少し時間が経過した 今でも変わってはおらず…
【フェイルノート】 あら?その程度で、 私の主を名乗ろうなんて 片腹痛いわね
【フェイルノート】 輝きなき、くすんだ者に 仕える気は無いわ
【フェイルノート】 お前様の輝き… もっと私に見せてみなさい
そんな調子なものだから、 もちろん他の姫は面白くない
【フェイルノート】 なぁに?私は 本物の“輝き”しか認めない ただ、それだけよ
彼女と隊の姫との溝は、 次第に深くなっていった
そんな、ある日…
【フェイルノート】 バーベキュー?
マスター発案で、フェイルノートの 歓迎会と称したバーベキュー大会が 開かれることになった
フェイルノートのため… というのは少し引っ掛かるが、
みんなでバーベキューは楽しそう! と、盛り上がる姫たち
しかし、 当のフェイルノートだけは そうではなく…
【フェイルノート】 以前の環境に比べると、 ここは……ぬるい
【フェイルノート】 くすんだ者たち… “弱者”が群れて馴れ合っている ようにさえ見えるわ
…と、口にこそ出さないが、 冷めた目でマスターや姫たちを 見下していた
そんな中、買い出しのため、 街に出掛けるマスターの隊
大勢いるので荷物も多く、 てんやわんやの姫たち でも、それもまた楽しい
【フェイルノート】 ……ふん
だがフェイルノートだけは、 相変わらず冷めた目だ
そして、バーベキュー場に到着 早速、作ろう!と言った矢先、 問題が発生した
【フェイルノート】 忘れ物…?
荷物が多かった事もあり、 肉当番の姫たちが肉をいくつか 買い忘れてしまったのだ
【フェイルノート】 ……愚かな
これじゃ肉足りなくない…? と、さっきまでの盛り上がりから 一変、微妙な空気になる隊の姫たち
そんな中、マスターは フェイルノートに尋ねた こんな時、君ならどうする?
【フェイルノート】 過ちを犯した者たちに 食べさせる必要はないわ
【フェイルノート】 今ある肉を、他の姫たちで 分ければいいだけのこと
その答えに対し、マスターは言う わかった!じゃあ、僕と君で 新しい食材を調達しに行こう!
【フェイルノート】 はぁっ!?なんでそうなるのよ!!
他の姫たちには、 バーベキューの準備してて! と言い、
フェイルノートを連れ、 出掛けるマスター
【フェイルノート】 なんで、私が 失敗した者の尻ぬぐいなんか…!
【フェイルノート】 ちょっと!聞いてるの!? お前様っ!!
あっけらかんとしたマスターに 不満爆発のフェイルノートだった
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