3401924 フェイルノート 魔狂『漆黒の輝き』
数日後――
フェイルノートは、 みんなとバーベキューをした草原で また月を見ていた
【フェイルノート】 月がとってもきれいね お前もそう思うでしょ?
誰と話してるの? と、現れるマスター
【フェイルノート】 …え?
【フェイルノート】 あ、ああっ!? お前様!?いつの間にっ!?
珍しく、慌てふためく彼女
【フェイルノート】 わっ、い、今見たこと、 聞いたことは忘れなさいッ!!
【フェイルノート】 さもないと、 私の矢で目を抉るわ!
そう取り繕う彼女の手には、 クマのぬいぐるみが…
もしかして、その子と話してた? 尋ねるマスター
【フェイルノート】 …ぬいぐるみとなんて話してないわ ええ、話してないわっ
冷静を装っているが、 明らかに動揺している彼女 笑うマスター
【フェイルノート】 どうやら… 矢で目を抉られたいようね?
笑いながら、 マスターが彼女の隣に腰掛ける
そして、 隊のみんなと仲良くなってきたね と微笑む
【フェイルノート】 ……!
【フェイルノート】 この前のバーベキューから、 少し考えが変わったの
【フェイルノート】 お前様の言うように、 人はみなそれぞれ
【フェイルノート】 その多様性を認めたいと 思うようになった
【フェイルノート】 そうしたら…みんなと仲良くなれた 世界が変わって見えてきた
【フェイルノート】 だからかな?月も… なんだか今までより綺麗に見えるわ
失敗した者を咎めない、 誰かを思いやるという 心を得た彼女は、
また新たなスキル 魔狂『漆黒の輝き』 に目覚めていた
【フェイルノート】 分かったことがあるの
【フェイルノート】 初めてお前様と 出会った時に感じた輝き…
【フェイルノート】 それは知や武ではない
【フェイルノート】 人を思いやり、誠実でいる心 つまり、仁であり信
【フェイルノート】 それは時には、 とてつもなく大きな力になる
【フェイルノート】 そんな力を持ったお前様だから…
そこまで言って、 顔を赤くして黙ってしまう彼女
どうしたの…? 尋ねるマスター
【フェイルノート】 これからも……
【フェイルノート】 支えようと思う…ずっと
…と、ぬいぐるみに話す彼女 そして、
【フェイルノート】 い、今のは、 ぬいぐるみに話していたの! お前様にではないからっ!!
そう言って、さらに赤くなる彼女 微笑むマスター
【フェイルノート】 でも… その輝きが鈍った瞬間、
【フェイルノート】 私の輝きが お前様を焼き尽くすことを 忘れないことね
今度は不敵に微笑む彼女
でもその笑顔は キラキラと輝いていて、 とても眩しく見えた
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