360201211 ネス・神令・スクルド 死を与える者
マスターの元に、 新しい姫が入隊した
【ネス】
あなたがこの隊を率いる者ですか？
【ネス】
隊の姫たち、
みな自由に好き勝手
振る舞っている…
【ネス】
どうやら上手く
『支配』できていない
ようですね？
隊内を見渡し、 彼女がマスターに言い放つ
それに対しマスターは、 支配って…そこまでする 必要ないと思うけど…と返す
【ネス】
いいえ
集団での戦闘は
統率力こそが全てです
【ネス】
わたしが司るは共鳴なき節制…
すなわち『支配』
【ネス】
運命の見届け人として、
死をもって生を支配する…
【ネス】
それがわたし、
ネス・神令(コマンド)・スクルドの
責務なのです
【ネス】
現状では隊として
三分の一の力も発揮できていません
強い口調でハッキリと言う彼女
【ネス】
この隊のか細き運命という名の糸、
わたしが支配してあげます
【ネス】
あなたたちも…覚悟はいいですね？
ネスの言葉は、 周りを取り囲む姫たちにも 浴びせられる
当然、彼女たちは面白くない
隊を自分が支配するというネスに対し それではマスターとネスの どちらが主かわからないと反発する
【ネス】
…いいのですか？
そんな口をきいて
【ネス】
先程も言いましたが、
わたしは死を司る女神スクルドを
内包しています
【ネス】
逆らえば与えられるのは…
死ですよ
その瞳の奥の迫力に 言葉を失う姫たち
――と、 その静寂を破ったのは マスターだった
まあ、僕より上手く 隊を率いることができるなら、 彼女が主でもいいんじゃない？と笑う
【ネス】
…！
【ネス】
言っている意味が
分かっているのですか？
【ネス】
あなたは本気でわたしに、
この隊を任せると…？
本気だよ、と返すマスター
【ネス】
………
【ネス】
あなたには、
プライドが無いのですか？
マスターの態度に呆れるネス
【ネス】
やはり…
こんな人物に
任せてはおけない
【ネス】
…いいでしょう
【ネス】
承諾も得たことですし、
今日よりこの隊は、
わたしが率います
そう宣言する彼女
生死を握られている姫たちは、 誰もネスに逆らえない
【ネス】
異論なし…
ということで
よろしいですね？
かくしてネスは、マスターに変わり、 隊の指揮を執ることになったのだった
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