40151201 サクラ 耐え忍んだ先
マスターの隊に新しく入った姫
【ユリ】
わたくしの名はユリ、
クノイチの…
【ユリ】
では、ありませんでしたわね
『キル姫』のユリにございます
柔らかな物腰の彼女 だが…
【ユリ】
…え？賊に狙われている街…？
それは…見過ごすわけには
いきませんわね
内に秘めたる正義感は、 相当なものだ
【ユリ】
では、参りましょうか
マスターさん
街を守るために
夕刻─
【ユリ】
襲われるのは夜の時間帯が多い…
ここで待ち受けましょう
高台に上がり、 備えるユリとマスター
【ユリ】
…あら？
どうなされたの？
マスターさん
【ユリ】
なかなか現れないね…って、
まだ１時間も経ってませんわよ？
【ユリ】
マスターさん、
何事も忍耐…そう、
耐え忍ぶことが大事ですのよ
優しくマスターを諭すユリ
その後、数時間経っても、 賊が現れる気配はなく…
【ユリ】
賊のみなさん、
今日はお休みだったのかしら？
【ユリ】
…いえ、そう言って、
撤退した途端に街が襲われては
意味がありません
【ユリ】
耐え忍ぶのが…シノビの本懐ですわ
もうすっかり疲弊している マスターとは裏腹に、 じっと待ち続ける彼女
その姿勢に、 マスターは尋ねてみた
【ユリ】
…え？
【ユリ】
どうして…
そんなに我慢強いのかって…？
【ユリ】
…………
【ユリ】
それは…
【ユリ】
…！
【ユリ】
見て下さい！あれ…！
語り始めた刹那、 彼女が声を上げた
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