413021011 限定クエスト 未分類 憂国の情景 ロンゴミアント編 憂国の情景 -ピサール編- 1 - 第1話「楽園からは放たれて」 ピサールEP1 「楽園からは放たれて」戦闘前
【ミストルティン】 ───堕ちていたんじゃないですか 最初から
【ミストルティン】 キズだらけの手足を引きずって 地面を這いずりまわって ズリズリ、ズリズリ…
【ミストルティン】 ふふっ ふふふふふふふふっ…
ミストルティンは その濁った瞳を眼下に向ける
【ピサール】 あ………ううッ………!
そこには 地面に這いつくばった ピサールがいる
もはや血塗れで 夕日に照らされたその姿は さながら真っ赤な───
【ミストルティン】 蛇みたい………♪
【ピサール】 ───死ねっていうの~?
【ハルモニア兵隊長】 矢面に立てと 言っているだけだ
「鍵」である ナディア姫がトレイセーマに 連れ去られた
その報は即座にハルモニアにも届き 国家上層部は各隊に命じる
『“神の祝福”の為 早急にナディア姫を トレイセーマから奪還すべし』
【ピサール】 これだけの 数えるほどの兵力しかなくて 無謀だよぉ…?
【ハルモニア軍兵長】 現状、トレイセーマとの国境線に 最も近い我が隊が その任に着くのは当然のこと
【ピサール】 帰って葡萄酒、一緒に飲もうよぉ~ この時間から飲めるなんて サイコーじゃなあい?
【ハルモニア軍兵長】 それに数など問題ではない
【ピサール】 相手、シてくれないんだね~…
【ハルモニア軍兵長】 我がハルモニア軍は少数精鋭 トレイセーマの野蛮な獣どもなど 物の数ではない
【ハルモニア兵A】 そうだ。たとえ無謀と思えども 教皇様の加護さえあれば 敗れることなど考えられぬ
【ハルモニア兵B】 一刻も早く「鍵」を奪還せねばならぬ 今こそ死力を尽くすべきではないか
【ピサール】 うわあ暑苦しぃ… 目つきコワ… 鼻息荒ぁい…
冷静に考えてみれば トレイセーマの国境警備は圧倒的
いくら元から少数精鋭とはいえ 物量の差は歴然 敵国の第一線を抜くのは困難に思えた
兵士たちは、教皇への盲信によって 突き動かされている
ピサールはハルモニアに 使役されている立場ではあるものの 元来の怠惰な性分が消えることもなく
【ピサール】 …面倒くさ~い
【ハルモニア軍兵長】 そんな態度でいるから、栄えある作戦 ティルヘルムへの侵攻に帯同も許されず 本国待機とさせられていたのだろう
【ピサール】 …ツケがまわったってこと
【ハルモニア軍兵長】 教皇様が見守っておられる 戦果を期待しよう
【ピサール】 派手に暴れまわって 派手に死ねってことね
【ハルモニア兵A】 あなたには天使の血が宿されている 我が国の限りある兵器のひとつだ 死んでもらっては困るな
【ピサール】 あっはは やさしいコトバ~ きっと救われるわ~
【ハルモニア兵A】 救われる?
【ピサール】 破滅は救い、だからね?
【ハルモニア兵B】 トレイセーマ国境間近! 敵影を確認! 間もなく会敵します!
【ハルモニア軍兵長】 数は!
【ハルモニア兵B】 数えきれませんが 想定通り、我が軍の数倍は いるものと思われます!
【ハルモニア軍兵長】 総員構え! 敵軍を突破する!
【ピサール】 あああ 面倒くさ~い
ピサールは自嘲気味に笑うと 自身の槍を気だるげに持ち直す
【ピサール】 きっと、楽園を追放されたのね
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