414020131 ロストラグナロク編サイド 未分類 ロストラグナロク サイドストーリー ロストラグナロク-輪廻の斬ル姫- ストーリークエスト 4 - -輪廻の斬ル姫- 第3話 輪廻の斬ル姫3話 輪廻の斬ル姫3話_戦闘前
【カシウス】 殺さないの? 私を
【カシウス】 もしくはご主人様の元へ 連れていくとか
【ムラマサ】 …
【カシウス】 ウロボロスの子飼い なんでしょ?
【ムラマサ】 …なぜ 拙者に問いかけたのだ
【カシウス】 いつの話? 私、いつもどこかで、誰かに よく問いかけてしまうから
【ムラマサ】 昨晩、拙者が酔っているなどと
【カシウス】 あはは。そのこと
【ムラマサ】 拙者は正気だ 弁明無きまま帰すわけには参らん…!
ムラマサは迷子になった その思考を振り払うように 自身の刀をカシウスに向ける
カシウスは冷ややかに 平静とムラマサを見つめる
【カシウス】 その八つの頭は飾りなの?
【ムラマサ】 拙者のオロチまで侮辱するのか!
【カシウス】 考えて。思索を巡らせる旅 こんな窮屈な檻から 翼がなくとも頭があれば
カシウスはどこか 詩をそらんじるように 言葉を紡ぐ
【カシウス】 監視され、管理され 思考力を奪われ尽くした者に ラグナロクへの道は見えもしない
【カシウス】 …ムラマサ あなたは今、何をしているの?
ムラマサは逡巡するも カシウスに突きつけていた切先を ゆっくりと下げる
【ムラマサ】 …敵を斬っていた
【ムラマサ】 だが、斬る度に 拙者の理想から遠ざかる気がするのだ
【ムラマサ】 国を守る為、理想郷を追わんが為 刃を振るっていたはずなのに 悪しき獣を斬り払ったはずなのに
【ムラマサ】 血にまみれた我が刀身にうつる 拙者の顔はまるで…
【ムラマサ】 ろくに考えもせず、お告げの通り 依存と命令に従って 無数の命を貪る拙者こそが、まるで…
【カシウス】 獣であると
無言で頷くムラマサに カシウスは優しく声を掛ける
【カシウス】 酒を浴び過ぎたの 勝利の美酒、殺しの愉悦 獣に劣らず愚かな行為
【カシウス】 酒も知らぬ乙女の身には 厳しいものがあったのよ
【ムラマサ】 …カシウス、そなた…
【カシウス】 あなたの理想は何かしら
【ムラマサ】 拙者の、理想
【カシウス】 真実を話しましょう
【カシウス】 今この世界を治めている三大国
【カシウス】 天使人のハルモニア教皇国 悪魔人のケイオスリオン王国 ここ、幻獣人のトレイセーマ帝国
【カシウス】 現在、三大国には各々4人ずつ 計12人の斬ル姫がいる あなたのような力を持つ姫たちが
【カシウス】 そして、どの国にも属していない “ファントム”と呼ばれている存在が 私を含めて4人
【カシウス】 この大陸に散らばっている
【カシウス】 私たちは理想郷へ至る為の「鍵」 私たちを手中に納めることに 三国が躍起になっているというわけ
【ムラマサ】 大体は聞いた古い伝承だ その「鍵」を探す為、我々も 国外へも調査の手を伸ばしている
【カシウス】 オーダーキラーズ四人衆の アルテミスとグリモワールね
【ムラマサ】 そなたは、どこまで知っている
【カシウス】 ご苦労なことね 探さずとも こうして出向いて来ているのに
【ムラマサ】 そなたがいれば トレイセーマは 理想郷へと至れるのか?
【カシウス】 それがわかれば こんな回りくどいことはしないの だけど神様って寡黙だから
【カシウス】 それについては 神のみぞ知る、のかしら 字のごとく
【ムラマサ】 翻弄されているのだな… 拙者たちも そなたらも
【カシウス】 だからこそ私は この国を選んだ 神でも悪魔でもなく
【カシウス】 最も多くの民が集まり 最も荒れ狂う獣が集う国 それを制する国こそが…
【カシウス】 ラグナロクへと 至る力を持つのではないかと
【カシウス】 そうして私は あなたを選んだ
【ムラマサ】 …なにゆえ
【カシウス】 鎖が千切れそうだったから あなた
【カシウス】 今にも放たれそうな獣 それでいて理想を追い求める刃
【カシウス】 その相反する心に 私は好奇心をくすぐられた 平たく言えば、気になったの
【ムラマサ】 …ふふっ
【カシウス】 何を笑うの?
【ムラマサ】 いや、理想郷への「鍵」は 随分と自由だなと思って 気に障ったなら、あいすまぬ
【カシウス】 ええ。気に障ったわ
二人は顔を見合わせると 笑顔を交わす
【カシウス】 ………でもね 心配事がひとつ
【ムラマサ】 なに?
【カシウス】 この国の監視・管理に例外はない それはあなたたち オーダーキラーズにおいても
【ムラマサ】 そうであろうな
【カシウス】 ムラマサ、あなたが今まで一度も この国の状況に疑問を持たなかった わけがないのよ
【ムラマサ】 …拙者は初めて 気づいたことばかりだと…
【カシウス】 もしかしたら あなたはその度に…
【マサムネ】 …ムラマサ
【ムラマサ】 …!? 姉上、どうして
【マサムネ】 それはこちらのセリフだ ムラマサ…なぜそなたが カシウスを匿っている
【ムラマサ】 そ、それは
【マサムネ】 ウロボロス様のお導き通りだ
【ムラマサ】 え…っ?
【マサムネ】 赤紙が届いた。暗殺指令書 その標的は───
マサムネは震える指で 赤紙を開き ムラマサに見せつける
【マサムネ】 ムラマサ、そなただ
【ムラマサ】 …そんな…!?
【マサムネ】 厳命 ムラマサの拿捕・連行 および「鍵」の確保…!
【ムラマサ】 ご、誤解です姉上! 拙者はただ、この国の為を考え 理想郷への道を模索すべく…
【マサムネ】 その“考え”こそ禁じられている! ウロボロス様の庇護の元 秩序を守り続けることのみが使命!
【ムラマサ】 それは姉上の考えですか!?
【マサムネ】 考えてなどいないと申している!
【ムラマサ】 思考を停め、依存に溺れ それで理想への道など どうして追いかけられましょう!
【マサムネ】 我らはオーダーキラーズだ! ウロボロス様の牙であり 我を捨て秩序に身を捧げるのだ!
【マサムネ】 いい加減 理想論ばかり語るのは控えよ! でなければまた…!!
マサムネは、ハッと何かに気づき 口を押さえる
【ムラマサ】 「いい加減」…? 「でなければまた」…?
【カシウス】 やっぱりね
【ムラマサ】 姉上…拙者は以前にも 同じような考えに至ったことが あるのですね?
【マサムネ】 …
【ムラマサ】 その度に拙者は…
【カシウス】 洗脳や調整が施された…?
【カシウス】 いえ、獣なら「調教」なのかも
【マサムネ】 なんだ、この警報は…! 門の方から…?
【伝令兵】 で、伝令! 首都守備隊からの報告! このグライヒハイトに ハルモニア軍が接近中!
【伝令兵】 グライヒハイト周辺で戦闘が開始! 先の爆発しかり、首都中心部へ 飛び火の恐れがあります!
【マサムネ】 ハルモニアだと…!? なぜ止められなかった!
【伝令兵】 不確定ではありますが ハルモニアの斬ル姫が 先陣を切っている模様で…!!
【カシウス】 …私が、いるからか
【ムラマサ】 …ッ!
ムラマサはカシウスの手を取り 開かれた窓へと向かう
【カシウス】 ム、ムラマサ…!?
【ムラマサ】 申し訳ありません! 姉上!
【マサムネ】 待て!
【ムラマサ】 拙者には拙者の理想があります!
【マサムネ】 ここで逃げれば、オーダーキラーズを トレイセーマの全てを 敵に回すこととなるぞ!
【マサムネ】 その娘を連れ行けば 外のハルモニアにも狙われる! 考え直せ! ムラマサ!
【カシウス】 いいの? こんな、考えなしに…
【ムラマサ】 …考えた結果だ!
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