414021033 ロストラグナロク編サイド 未分類 ロストラグナロク サイドストーリー ロストラグナロク-業果の斬ル姫- ストーリークエスト 4 - -業果の斬ル姫- 第3話 -業果の斬ル姫- 第3話 業果の斬ル姫 第3話 戦闘後
【フェイルノート】 命中ね
アスカロンは、勝った
シユウ陣営中央にアスカロンが現れ 前線と挟みうちの形となり シユウ陣営は混乱に陥った
シユウ陣営の兵数が多いことが災いし 細い渓谷の中、情報の伝達は滞り 指揮系統もうまく機能せず
アスカロンがシユウを下した時点で フェイルノート陣営の勝ちは決まった
【シユウ】 うぐぐぅ…! はいぼくなんて…みとめない…!
嫉妬の氷の刃にまみれ アスカロンに剣を突きつけられた シユウがその場に跪いている
フェイルノートがそれを見下す
【フェイルノート】 シユウ あなたも私の駒になりなさい
【シユウ】 お、おことわりだ!
【フェイルノート】 弱肉強食ってコトバ 知ってる?
【シユウ】 にく?
【フェイルノート】 肉は強い人が食べられる っていう言葉よ
【アスカロン】 『弱』はどこへ…
【シユウ】 つよいヒトについていけば にくがくえるということか…
【フェイルノート】 そういうことね
【アスカロン】 納得しちゃった… いいんだ…それで…
【シユウ】 よくはない!
【シユウ】 ルシファーはつよい! ルシファーについていったほうが にくがくえるかもしれない!
【シユウ】 おまえののぞみはなんだ! ルシファーをたおせるほどなのか!?
【フェイルノート】 勝つわ。もちろん それが私の望みだから
【アスカロン】 フェイルノート 私にも聞かせて あなたの、望み
【フェイルノート】 やっと聞く耳もってくれた
【アスカロン】 え?
【フェイルノート】 初めて会った時のあなた 焦って、疑って、私のこと 信じてくれなさそうだったから
【アスカロン】 …ご、ごめんなさい…!
【フェイルノート】 理想郷を目指すべきファントムが なぜこんな混沌とした国に入ったのか なぜこんな大会に介入したのか…
【フェイルノート】 私は
【フェイルノート】 ───“王道を敷く”
【フェイルノート】 今のこの国は暴虐が支配し切ってる… 理想郷への道なんて、ルシファーには 興味が皆無にも思えるほど…
【フェイルノート】 言わば邪道の国
【フェイルノート】 国の中の争いに関心が向き 国の外へ目が向かない 理想郷からは最も遠い
【フェイルノート】 だけど、その持ちうる駒は最も強い 競い合い、淘汰され、生き残った 悪魔たちが集う国
【フェイルノート】 だから、私はこの国を選んだ
【フェイルノート】 王となり 駒を揃え 理想郷まで王の道を敷く
【フェイルノート】 王の道で、共に姫と歩む
【アスカロン】 私達と、ともに…?
【フェイルノート】 王の傍には姫がいるべき、でしょう?
【フェイルノート】 こんな混沌、続いてちゃいけない
【フェイルノート】 力のない者が怯え、震え続けてちゃ
フェイルノートは震える指先を 自身できゅっと握る
【フェイルノート】 私は 斬ル姫と共に歩む王道を敷く
【フェイルノート】 それが、理想郷への近道よ
【フェイルノート】 一緒に、来てくれる…?
フェイルノートの望み それは巨大で 果てしない
平時、高慢に振る舞ってはいるが 今は、達成が可能か不透明な目標に 不安の色を見せていた
アスカロンが、そんな彼女の傍に 寄り添い、跪く ちょうど、目線が合う
【アスカロン】 私に封じられた単眼巨人 サイクロプスは先兵です
フェイルノートに射られた右目は 既に視えるようになっている
アスカロンは両の目で フェイルノートを見据える
【アスカロン】 私の左目は巨人の目 力を奮う暴虐の剣
【アスカロン】 あなたに当てられた右の目は 次王の為の臣下の剣
【アスカロン】 私の勝利は、あなたの力 私の力は、あなたの勝利
【アスカロン】 私の望みは、あなたの王道の先に 理想郷にあると視えました
【アスカロン】 一緒に行きましょう フェイルノート
【フェイルノート】 ………ありがとう、アスカロン
戦場で、微笑み合う二人
【シユウ】 えーと、えーと、シユウは シユウはぁー…!
その瞬間
【アスカロン】 !?
王都が闇の業火に閉ざされる
【グリモワール】 綺麗事も大概にして
その声は魔術により 王都中に響く グリモワールの力を誇示するように
王都・戦場を見渡せる高みに グリモワールが立っている
【グリモワール】 高みからみれば全ては暴虐
【グリモワール】 暴力で解決を目指して なあにが平和? なあにが理想?
【グリモワール】 屍を重ねて… 偉ッそうに…!!
【グリモワール】 死者の怒りを その身に受けるがいいわっ!
闇の業火が都心部まで侵食し 道から、建物から 炎を吹き上げる
【グリモワール】 悪魔には悪魔を… 極め付けをお見舞いするわ…!
【グリモワール】 私のキラーズ「グリモワール」は 悪魔召喚の大魔導書!
【グリモワール】 悪魔を呼び出す魔術を転用すれば 悪魔を使役する術式へ こんなの、かァんたんなんだからッ!
王都の国民が、兵士が フェイルノートの兵までも武器を抜き その切っ先を彼女らに向ける
【グリモワール】 聞こえるかしらァッ! 死者を生み増やす愚鈍な悪魔たち!
【グリモワール】 感じるかしらァッ! この憤怒の炎を!
【グリモワール】 ワタシは死者の怒りの具現よっ! この国の理不尽がワタシを呼んだの!
【グリモワール】 ワタシは 識別番号G・○六 グリモワール・獣刻・ニーズヘッグ!
【グリモワール】 目の前の兵しか満足に操れない 凡人軍師! ワタシが操るは王都の全悪魔人よ!
【グリモワール】 王都を囲む炎で描いた極大魔法陣 そして発動までの長期詠唱
【グリモワール】 これだけ待ったんだから ヤケドなんかじゃ済まさない!
天からは黒き炎が降り注き その豪炎は都の町並みを蝕んでいく
【グリモワール】 ………さ、行くわよ
グリモワールは演説を終えると 味方兵に号令をかける
【トレイセーマ兵】 え、高みの見物なのでは…?
【トレイセーマ兵】 そうだよなあ 放っておけば いずれ同士討ちだろうし…
【グリモワール】 ッハァッ!?
グリモワールは振り返ると 味方兵に声を荒げる
【グリモワール】 魔導書を見たことがないのッ!?
【トレイセーマ兵】 ヒェッ!?
【グリモワール】 大事なのは天体の配置! 星月が重なる、ほんの一時のみが 魔力を大幅に増幅させられる時間!
【グリモワール】 この短時間しか この大魔術は維持されないのッ!
【グリモワール】 一大国を巻き込む大魔術なのに そのぐらいの代償で済んでるのは ワタシの才能なの!
【グリモワール】 魔力! 媒介! 代償! 呪文! 儀式! 時間! 手間! 根気! 勇気!
【グリモワール】 総合力なの! 魔術は!
【グリモワール】 ちゃんと読書なさいッ!
口早にまくしたてられ 圧倒される味方兵たち
【グリモワール】 でぇっ!? 文句あるッ!?
【トレイセーマ兵】 み、微塵もございません!
【グリモワール】 この魔術が維持されている間に あの「鍵」、フェイルノートを 奪い去るのッ!
【トレイセーマ兵】 か、かしこまりました!
【グリモワール】 ワタシの邪魔だけは するんじゃないわよっ!!
味方兵を焚きつけると グリモワールは戦場に降りていく
【グリモワール】 どこに隠れたって無駄なんだから ちっぽけな『鍵』のひとつやふたつ
【グリモワール】 炙り出してあげる…ッ
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