414022041 ロストラグナロク編サイド 未分類 ロストラグナロク サイドストーリー ロストラグナロク -手を挙げて愛を語れば- ストーリークエスト 5 - -手を挙げて愛を語れば- 第4話 -手を挙げて愛を語れば- 第4話 手を挙げて愛を語れば 第4話 戦闘前
【フォルカス】 神を裁くのだ! 我らの手で!!
【フォルカス】 戒律を弄び 偽りの正義をかざす 仮初(かりそめ)の神を…!!
セイントキラーズが ティファレトの元に集って わずか数日後
ハルモニアの大部隊が ティファレトの隠れ里を目指して 進軍、攻撃を開始していた
セイントキラーズの離反により ミカエルは三の戒律執行部隊を 彼女らへ差し向けたのだった
【ハルモニア兵】 裏切者が何を言う!!
【フォルカス】 ミカエル様こそ 戒律を破りし者だ!!
フォルカスが放った豪炎に呑まれ 倒れていくハルモニア兵達
【フォルカス】 三の戒律執行部隊… 精鋭揃いの兵士達…
【フォルカス】 躊躇はない
【フォルカス】 例え、相手が神だろうと
ビッと槍を振り払うと 炎の壁は一層高く燃え上がる 隠れ里の入り口を守るように
【ティファレト】 お、おかえりなさい…!
外を警戒しつつ ティファレトの隠れ里へ 戻るフォルカス
【フォルカス】 民は無事ですか?
【ティファレト】 あ、え、えーと
【ヴァナルガンド】 ティファレト、大丈夫ですよ~ ね、フライクーゲル
【フライクーゲル】 オープン・ヨハン
そう呼ばれ “生者の名簿”が フライクーゲルの目の前で開く
鼻歌交じりに そのページを確認する フライクーゲル
【ティファレト】 ふぉ、フォルカス… ケガを…
【ヴァナルガンド】 フォルカス、ケガを見せて
隠れ里に戻ったフォルカスに 治癒の魔法をかける ヴァナルガンド
【フォルカス】 ヴァナルガンド 助かる
【フライクーゲル】 グレイト 被害はゼロみたいだね
【フォルカス】 よかった… また、守りきれた
【ヴァナルガンド】 ハルモニアを抜けてから ずっと戦い詰め… 大丈夫…?
【フォルカス】 敵軍の攻撃も 今は落ち着いた
【フライクーゲル】 サンクス 次はわたしが出るよ
既に敵軍の波状攻撃を幾度も退け 籠城戦とはなっているが 里の民達に被害もない
【フォルカス】 敵は再攻撃に向けて 我らの出方をうかがっている
【フライクーゲル】 ロンギヌスが戻ってくるまでは わたしたちも動けない
ロンギヌスは 幻獣国トレイセーマに ファントム発見の報を聞き…
その救済の可能性を 探りに行っており不在
【フライクーゲル】 今頃トレイセーマだ すぐ戻ってくるにしても しばらくはかかるね
【フライクーゲル】 さすが元我が故郷… いいタイミングで仕掛けてくるよ
皮肉交じりに笑うフライクーゲル
【フォルカス】 しかし民を巻き込まんとする 容赦のない襲撃…
【フォルカス】 ハルモニア兵を 絶対に里の中へ入れてはならない
【フライクーゲル】 オーライッ
【フォルカス】 頼もしいな
【フライクーゲル】 わたしはいつでもね
【ティファレト】 あの、わたしは…
【ヴァナルガンド】 新たな主 あなたは民と共に こちらでお休みを
【ティファレト】 …わ、わかりました………
その時 敵軍よりラッパが吹き鳴らされる
【ティファレト】 …?
隠れ里の中まで鳴り響く 聞き覚えのない、特異な音… 違和感のある波動が一瞬通り過ぎる
【フォルカス】 何の、音だ…?
隠れ里の入り口に目を移していた フォルカスの背後から 不気味な鼓動の音が響く
【フォルカス】 …!?
【フライクーゲル】 アアアアア!? アアアアア!! アアアアア!!
【ティファレト】 ッ!?!? フライクーゲル!?
それは突如…
【ヴァナルガンド】 ラアァア────────── ラアァア──────────
【フォルカス】 ヴァナルガンド………ッ!?
聖歌のように 吐き出される叫び
【フライクーゲル】 ウッ アッ アアッ
【ティファレト】 フ、フライクーゲル…!? 何が… どうしたというんですか…??
【フライクーゲル】 ───
【フライクーゲル】 くくっ
【ティファレト】 …?
【フライクーゲル】 あっははははは!!!
駆け寄るティファレトに 銃口を向けるフライクーゲル
【ティファレト】 ─────え…っ
【フォルカス】 ティファレトッ!!!
【フォルカス】 クゥッ!?
【ティファレト】 フォルカス!?
フライクーゲルが放った魔弾は ティファレトを庇った フォルカスが受ける
【フライクーゲル】 アーハハハハハハ!!! アーハハハハハハ!!!
壊れた人形のように ゲタゲタと笑い声をあげる フライクーゲル
【ヴァナルガンド】 ふふふっ………♪
背後からは同様に 壊れたように首をかしげた ヴァナルガンドの姿
【フォルカス】 …!!
フォルカスは ティファレトを守るように 槍を構える
【ティファレト】 どうして…!?
【フォルカス】 不吉なラッパの音 それをきっかけとした変化… ミカエル様が、何かを………!?
【ティファレト】 フォルカスは…!? フォルカスは大丈夫なのですか!?
【フォルカス】 私は、なんとも…! ヴァナルガンドだってこれまで 何かされていたようなことは…
【ヴァナルガンド】 く、くうぅ… さすがです、フォルカス…
【フォルカス】 白羽は尊きもの… 故にとどめは刺しません 拘束され、然るべき処置を待ちなさい
【フォルカス】 ウリエルを授けし ミカエル様に感謝なさい
【ミカエル】 ウリエルを宿し子よ よくぞ、サリエルを捕らえた
【ミカエル】 これにて戒律は守られた… ご苦労であった
【フォルカス】 ───ヴァナルガンドを私が 幽閉した時か…!?
【フォルカス】 あの時に、何か…!?
フォルカスとティファレトは フライクーゲル達の攻撃を避け 物陰に姿を隠す
【ティファレト】 フライクーゲルは…!? 彼女は長い間、独りでした…!
【フォルカス】 フライクーゲルは… 天使の白羽を組み込まれる 霊装支配当初から…その…
【フォルカス】 自由を好み… 支配されること自体に 反抗を繰り返していました
【ティファレト】 …!
【フォルカス】 意志を捻じ曲げ 隷属させる霊装支配の力を もってさえも…
【フォルカス】 フライクーゲルは 自分らしくあろうと そう、生きようとしていたのです
【ティファレト】 自分、らしく…
【フォルカス】 その結果、数度にも渡る 霊装支配の重ね掛けが… 『教化』が行われ…
【フォルカス】 その一環で、フライクーゲルにも 何らかの仕掛けをされたとしか…!
【フォルカス】 デメリットもあるのです、だから 主に忠実であろうとしたロンギヌスや 私は『教化』を免れており…
【ティファレト】 …デメリット…?
【フォルカス】 …
【フォルカス】 『教化』による 記憶の部分欠如 情緒不安定さの発現───
【ティファレト】 ………!!
【フライクーゲル】 …記憶が欠けていてさ
【ティファレト】 記憶が…?
【フライクーゲル】 いつものことなんだよ? 覚えていることが欠損するんだ 大事なことも、いつも突然、すっぽり
【フライクーゲル】 どうしてなんだか なぜ従っているのか 何を信じているのか、わからない
【フライクーゲル】 銃の狙いは定まるのにね
銃声が響く
【フライクーゲル】 見つけたァ
【フォルカス】 この………!!
【ヴァナルガンド】 ふふふふふふふ
ヴァナルガンドは 鋭い氷の矢を放ち それをフォルカスは受け止める
【フォルカス】 ヴァナルガンド…!!
【ヴァナルガンド】 じっとしていないと…
【ヴァナルガンド】 いけませんよ♪
【フォルカス】 誓ったはずだ!!
【フォルカス】 忘れたか!?
【ヴァナルガンド】 ふふっ… 月より授かった魔術の深奥、 見せてあげます♪
【フォルカス】 ヴァナルガンド!!!
ヴァナルガンドの魔術に追いやられ フォルカスは思わず ティファレトの元から離れてしまう
【ティファレト】 フォルカスッ!?
【フォルカス】 どけッ! ヴァナルガンド!!
【ヴァナルガンド】 行かせません♪
【ヴァナルガンド】 ひとりひとり 順番順番♪
ヴァナルガンドの放つ氷の矢が フォルカスとティファレトの間を裂く
フォルカスが ティファレトの元へ戻ろうにも ヴァナルガンドが立ちはだかる
【ティファレト】 あ…ああぁ………!
【フライクーゲル】 ウェイト
ティファレトに フライクーゲルの銃口が向く
【ティファレト】 ッ………!! フライクーゲル、あなたは…!!
【フライクーゲル】 アッハハハハハハハ!!!
【ティファレト】 私を、信じてくれるのでは なかったのですか…!?
【ティファレト】 私を、アダムと…! ひっ、ひ、一目惚れだと…! 話してくれたじゃありませんか!!
【フライクーゲル】 くくっ
【ティファレト】 フライクーゲル!!
【フライクーゲル】 あぁ
【フライクーゲル】 誰だい? きみ
フライクーゲルの指が 引き金に力を込める
【ティファレト】 …!?!?
瞬間、銃撃よりも先に…
彼方から戦場を貫く矢が
【フライクーゲル】 !?
フライクーゲルは その矢を銃でガードしながらも 家屋に突っ込む
【ティファレト】 きゃあああっ!? か、雷…!?
フライクーゲルの突っ込んだ家屋に 激しい落雷 瓦礫がフライクーゲルの姿を覆い隠す
【ティファレト】 …な、に…?
【???】 ───世界は愛に溢れていますわね
隠れ里の天蓋を打ち抜き 姿を現した彼女は…
【アフロディーテ】 わたしは アフロディーテ・ D. plug・アスモデウス
天蓋の穴から零れた月光が スポットライトのように アフロディーテを照らす
【アフロディーテ】 カルマキラーズの一角に輝く 美しき神弓にして 昂る悪魔を身に宿した愛の化身
恍惚とした表情で 自らを語るアフロディーテ
【ティファレト】 ケイオスリオンの、斬ル姫…!?
【アフロディーテ】 ルシファー様に言いつけられまして
【アフロディーテ】 『“美”の意を持つ生命の樹にして “慈愛”の聖母と接触すべし』と…
【アフロディーテ】 ルシファー様ったら どういった風の吹き回しかと 思いましたが…ああ
【アフロディーテ】 美しい
【ティファレト】 …えぇ…?
【アフロディーテ】 美しくも、儚いきらめき… 溢れる豊満な慈愛…
ティファレトを真っ直ぐ 見据えながらジリジリと 近づくアフロディーテ
【アフロディーテ】 愛の雷に打たれたよう…
【アフロディーテ】 ああっ
【アフロディーテ】 ひ・と・め・ぼ・れ
【ティファレト】 ええええええ………
アフロディーテは妖艶に ティファレトの頬に ひたりと手を触れる
【ティファレト】 ひえっ
【アフロディーテ】 あなたが、欲しい
【ティファレト】 うわっ うわっ うわっ
いきなりであんまりな状況に 赤面しながらも 引き気味のティファレト
【アフロディーテ】 わたしとともに参りませんこと?
【ティファレト】 ど、ど、どどどこへ…!?
【アフロディーテ】 もちろん わたしたちの愛の巣へ
【ティファレト】 あいの、す?
【アフロディーテ】 ケイオスリオンとも言うわね
【ティファレト】 『い』と『す』しか 合ってない…
【アフロディーテ】 ねェ? いかがかしらァ?
アフロディーテは ティファレトの髪を撫でながら さらに顔を近づける
【ティファレト】 ひいいいえええええ…!? あのっ、あのっ すっ、すみませんっ…!
【ティファレト】 お、お、お断わり、します…ッ!!
【アフロディーテ】 アラ
【アフロディーテ】 ほかに想い人でも?
【ティファレト】 あ、えっ、おっ… 想い人、といいますか… そのぉ………
【アフロディーテ】 いいのよ 無理強いはしないわ?
【ティファレト】 えっ あっ そう、ですか…!
【アフロディーテ】 がっかりした?
【ティファレト】 いえ!!!! いいえ!!!!
【アフロディーテ】 気持ちが伴わなくては 愛は成しえないわ?
【ティファレト】 はぁ
【アフロディーテ】 そんなに怯えないで?
【アフロディーテ】 わたしは敵ではありません
【アフロディーテ】 美と愛の、味方ですわ
【フライクーゲル】 ふふあははは…!!
フライクーゲルが 家屋の瓦礫を吹き飛ばし 再びティファレトへ迫る
【ティファレト】 …フライクーゲル………!!
【アフロディーテ】 あらァ あなたが想い人?
【フライクーゲル】 あはははは
【アフロディーテ】 恥ずかしがらなくてもいいのよ お互いね?
【ティファレト】 あ、いえ そういうわけでは…
そして 何か勘違いをしている アフロディーテ
【アフロディーテ】 ただ、わたしの誘いを 断るのならそれなりの愛を…
【アフロディーテ】 美しく狂える愛を お見せ頂かなければ
【アフロディーテ】 わたし 身を引けませんわ?
アフロディーテは フライクーゲルに弓を向ける
【アフロディーテ】 燃えて、一途に、執拗に
【アフロディーテ】 この醜き世界で ただひとつ輝くもの それが美しき愛
【アフロディーテ】 あなたの愛を感じさせて…
【アフロディーテ】 その気にさせてくださる?
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