416025013 ロストラグナロク編サイド 未分類 ロストラグナロク サイドストーリー ロストラグナロク -獣廻るディストピア- ストーリークエスト 2 - -獣廻るディストピア- 第1話 -獣廻るディストピア- 第1話 -獣廻るディストピア- 第1話 戦闘後
【アルテミス】 普段素行の悪い者が 少し良いことをした
【アルテミス】 それを過剰に もてはやす
【アルテミス】 破廉恥 極まりない
【アルテミス】 元より規律を守り続けた者こそ 称賛されるべき
【アルテミス】 あの方は その摂理こそ全てだと仰せだった
【アルテミス】 脆く崩れ 移り行く軽薄な“意志”や 身勝手な“考え”など不要と…
【アルテミス】 監視者であり続けてくださった
【アルテミス】 犬は三日飼えば、三年恩を忘れぬ という
【アルテミス】 私もそうだ
【アルテミス】 私が、あなたなしで 生きていくなど 考えられない
【アルテミス】 …
トレイセーマ首都 グライヒハイト 帝王ウロボロスの巨城
静まり返った城内
壁に、床面に、天井に 至る所に刀の走った跡
そして 床に伏せる、ウロボロスの姿
【アルテミス】 あうっ… うあああぁぁ………!?
グライヒハイト内で騒ぎ立てていた 反政府派閥の兵を退け アルテミスが城に到着した頃には…
ウロボロスは既に 息を引き取った後だった
アルテミスは惨状を目の当たりにし 足をもつれさせながら ウロボロスの側へ走り寄る
【アルテミス】 あっ、アアッ、ァァァウウァァ…!?
嗚咽と共に 崩れるアルテミス
【アルテミス】 ご主人様………
【アルテミス】 ご主人様…ッッ!?!?
アルテミスがボタボタと涙をこぼす
【アルテミス】 わ、私っ、がっ、私の力が…! 私が早く帰っていれば………ッ そもそも傍を離れなければ………!!
ウロボロスの体を揺すり 呼びかけ、また、泣くアルテミス
【アルテミス】 ごしゅじんさまぁぁ………ッッ!!
涙が視界を塞ぎ、彼女の心を砕き 感じられるのは 微かに残る主の体温だけ
【アルテミス】 ………!?
やがてアルテミスの指は ウロボロスの躰に深く刻まれた 刀傷をなぞる
交わる 八本の、刀傷を
【アルテミス】 ………でしょうね そうでしょうね………!!
傷をなぞっていた彼女の指先が しなだれかかっていた体が ブルブルと怒りに震え出す
【アルテミス】 う、ウウウウ、ウウ裏切り…!! ムムム、むむ謀反…!! 王殺しシシシィィィィ…!!
目を見開き 紅き爪を床に突き立てるアルテミス
【アルテミス】 せ、せせ制裁だ… 制裁、制裁だ… 制裁制裁制裁制裁制裁だ、だ、だ…!
【アルテミス】 規律を乱す者は 全て 全員、例外なく…
【アルテミス】 制裁を加えてやル…!
行き場の無い憤りで 足を叩きつけると 床面には亀裂が走る
【アルテミス】 ムラマサぁ………ッ!!
手足の爪を床にめり込ませながら 俯いていた顔をグイと上げる
その表情には もはやヒトならざる 憎悪と憤怒が刻まれている
その禍々しい姿はまさに 『悪と厄災の象徴』 『黙示録の獣』
【アルテミス】 ムラマサァァァ…!! 首を洗って 襟を正しやがれ…っ!
【アルテミス】 クソ低“脳”がァァッ!!!
【アルテミス】 アアアアアガアァァァァア!!!
破滅を招く赤竜 マスターテリオンの咆哮
彼女から噴出するマナが 紅き幻雷へと変わり 周囲を無差別に絶ち裂く
【マサムネ】 …
【カシウス】 …
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