416025043 ロストラグナロク編サイド 未分類 ロストラグナロク サイドストーリー ロストラグナロク -獣廻るディストピア- ストーリークエスト 5 - -獣廻るディストピア- 第4話 -獣廻るディストピア- 第4話 -獣廻るディストピア- 第4話 戦闘後
【マサムネ】
舌を長くして待っていたぞ
【アルテミス】
マサムネぇぇぇっ！！！
マサムネはアルテミスの気を引き 自身に狙いを定めさせる
【マサムネ】
弓矢の道は武士が知る…！
マサムネは用意していた 氷の大蛇を解放する
【マサムネ】
だああぁぁっ！！
マサムネは身に宿した “世界蛇の咆哮”を アルテミスに浴びせる
【アルテミス】
ッッ！？！？
アルテミスは真正面から その波動を受け 足を止めてしまう
【マサムネ】
いつものアルテミスなら
こんな初歩的な手には
かからなかったろう！
【マサムネ】
いまだ！ムラマサッ！！
【ムラマサ】
さすがは姉上です！！
その隙を突き ムラマサがウロボロスに突撃
【ムラマサ】
せやあああぁぁっ！！！
【ウロボロス】
刃向かうか。まだ
【ムラマサ】
貴様さえ倒せば…！！
【ウロボロス】
摂理には、逆らえない…！！
【ムラマサ】
ウウゥッ！？クッ…！？！？
傷がまだ、塞がり切っていない…！？
ムラマサの着物の上に 血が滲み始める
【ウロボロス】
き、え、ろ…！！
【ムラマサ】
あぐっ！？うああぁ………ッ！！
【マサムネ】
ムラマサッ！！！
【？？？】 だっさぁ
【ウロボロス】
！？
ウロボロスに降り注ぐ業炎
【ウロボロス】
…これは
【グリモワール】
消し炭にしたげる
炎が巻き上がる隙間で スカートをたなびかせて グリモワールが姿を現す
【ムラマサ】
グリモワール！！
【グリモワール】
…さっさと倒しなさい？
【ムラマサ】
承知！！
ムラマサは炎を切り裂き 風を巻き上げる
【ウロボロス】
生も死も、同じこと…！！
ならば…！！
【ムラマサ】
はあぁぁあぁっ！！！
ムラマサがウロボロスを一閃 帯同した七刀も同時に斬りかかる
【ウロボロス】
グッ、アアアァァッ………！！
八本の刀傷に業火が染み入り ウロボロスは 断末魔を上げながら崩れていく
【ムラマサ】
はぁ、はぁ、はぁ…！！
これで…！！
【マサムネ】
ムラマサ…
良い太刀筋だった…！
【ムラマサ】
姉上…！！
【グリモワール】
あーあ
今日は借りを作ってばかりの日ね
【ムラマサ】
グリモワール…
いままで、何を…？
【グリモワール】
悪魔だけじゃなく
天使にまで借りを作っちゃった
このワタシが。サイテーね
苦々しく笑うグリモワール
【マサムネ】
あ、悪魔？天使…？
何の話を…？
【ムラマサ】
ああ、それであれば、拙者もです
【マサムネ】
？？
ムラマサまで…
わかるように説明してくれ
【アルテミス】
あああああぁっ
ああああぁっっ………！！
突如として響くアルテミスの慟哭
ウロボロスの亡骸に すがるアルテミスの姿
【ムラマサ】
アルテミス…
貴方は…そこまで………！？
【マサムネ】
アルテミスの宿すマスターテリオンは
十本の角と七つの頭を持つ黙示録の獣
【マサムネ】
七つのことを同時に考えられる彼女は
世界の正しさ、己の行動の方針
周囲への不信などに怯え…
【マサムネ】
常に脆く…不安定にあった
【ムラマサ】
…！
ムラマサは心当たりがあり 息を飲む
【マサムネ】
その結果、秩序を信じ
ウロボロスに取り入られ
自分から進んで洗脳を受け入れた
【マサムネ】
暗殺を始めとした任務に惑う度に
霊装支配による再洗脳を望み…
【マサムネ】
彼女が迷えば『悪と厄災の獣』
マスターテリオンが角を出し
不安定に心を荒げるようになった…
【グリモワール】
ごっちゃごちゃになってたのは
そういうこと、だったのね
ま、同情はしないケド
【ムラマサ】
それも、もう終わりに…！
ムラマサはカシウスに視線を向ける
【カシウス】 ええ ウロボロスの治癒が終わる前に 霊装支配を………！
歩み出るカシウス
【アルテミス】
………ッッ！！！
しかし、ウロボロスの前に 立ちはだかるアルテミス
【カシウス】 …どいて。おねがい
【アルテミス】
アッ、グッ、ダメ…ッ！！
涙と苦悶で顔をグチャグチャにした アルテミスが必死に首を振る
【ウロボロス】
…
その背後では ウロボロスは蘇生をし始める
【グリモワール】
ウロボロス…！！
自分の命まで、冒涜して…！！
更に、ウロボロスの傍らからは 大量のトレイセーマ兵… ミカエル・ルシファーの姿も浮かぶ
【マサムネ】
ミカエル…
ルシファーまで、また…！？
【グリモワール】
たぶんウロボロスは
死者を把握して
引き際を見極めたんでしょ…！
【グリモワール】
死者を利用して戦力を増強させる為に
再度討たれることを選んだのよ
気に食わないやり方だけどね…！！
【ムラマサ】
アルテミス！！
【アルテミス】
だめ、だめだ…！！
ご主人様は、私の、私の…！！
ウロボロスの前を 動こうとしないアルテミス
【グリモワール】
早くしないと
ウロボロスの蘇生が…！！
【カシウス】 …！！
カシウスはアルテミスの元に ゆっくりと歩き出す
【ムラマサ】
カシウス、だめだ！
【カシウス】 アルテミス。考えて
【アルテミス】
考えなど、要らないと
ご主人様は言ってくれた！！
【カシウス】 私はね、アルテミス 自分の尾っぽを食べて 生きてきたの
【アルテミス】
近づくな！！
【カシウス】 明日を産む為に、昨日を食べた 昨日になった明日を、また食べた
カシウスはどこか 詩をそらんじるように 言葉を紡ぐ
【グリモワール】
何をワケわかんないこと…！
早くアルテミスを…！！
【ムラマサ】
待って
【グリモワール】
時間がないって言ってんの！！
【ムラマサ】
今ならわかる
カシウスがああするのは…
【グリモワール】
ハァッ！？
【カシウス】 その八つの頭は飾りなの？
【ムラマサ】
拙者のオロチまで侮辱するのか！
【カシウス】 考えて。思索を巡らせる旅 こんな窮屈な檻から 翼がなくとも頭があれば
カシウスはどこか 詩をそらんじるように 言葉を紡ぐ
【カシウス】 監視され、管理され 思考力を奪われ尽くした者に ラグナロクへの道は見えもしない
【カシウス】 …ムラマサ あなたは今、何をしているの？
【カシウス】 そう。私も、自分が理想郷への鍵だと それだけを生きる指針に歩いたけれど 理想だけでは生きられない
【カシウス】 詩をそらんじるだけの 気に障る夢想家
【ムラマサ】
…
【カシウス】 でもね…
【カシウス】 今は あなたの隣に、座ってる
【ムラマサ】
カシウスが詠うのは…
【カシウス】 …延々と円環を廻るのかと 輪の中心は空っぽで
【ムラマサ】
カシウスが
詩をそらんじるのは…
【アルテミス】
…く、くるな…！！
【カシウス】 でも その思考の檻を 壊してくれた人がいた
【カシウス】 刃が起こした風に乗った 私の理想に乗ってくれた
【カシウス】 空っぽの私を、満たしてくれた
【ムラマサ】
空っぽでも
必死に
話をしようとしているから───
アルテミスの背後で ウロボロス達の影がうごめきはじめる
【カシウス】 ！！
【カシウス】 アルテミス…！ 私は、満たされたの… 満足した…！！
【アルテミス】
…！！
【カシウス】 彼女は 這ってでも 道を知らせてくれた
【アルテミス】
うっ、ああっ、私は…
私は、私の道はッ………！？
頭を抱え 唸るアルテミス
【アルテミス】
ウウウッ！？
うあああぁ………！！
アルテミスがうめく背で 蘇生が終わろうとしている ウロボロスの爪が彼女に迫る
【カシウス】 あなたも誇り高い獣なら…！！
【アルテミス】
私は…！！！
【カシウス】 従う規律くらい 自分で決めて………！！
カシウスが言葉を煽る
【アルテミス】
私は………ッ！！
アルテミスの叫び声
それと同時に ウロボロスの蘇生も完了し 王城は光に満たされる
しかし、カシウスは確かに見た
目がくらむ光の中…
それに呑まれぬ 紅蓮の雷を
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