50162212 フラベルム マスターのいる景色
ざあ、と雨が降る 今日は生憎の天気だ
屋上という静かなスポットを 見つけたマスターだったが この天気では行けそうにない
そんなとき、ふと視界の端に フラベルムの姿を見つけ、 マスターは彼女に声をかけた
【フラベルム】 はぁ… 気軽に声をかけないでいただけません? 不愉快ですわ
お昼ごはんを一緒に食べようと 思ったんだけど、どうかな とマスターは提案した
【フラベルム】 なぜ、羽虫のようなあなたと ご一緒しなければならないのです? ご遠慮いたします
ぷい、とフラベルムはそっぽを 向いてしまう
どうしたの、何かあったの? とマスターは尋ねる
【フラベルム】 …別に 羽虫みたいなあなたに 話すようなことではありません
つん、とまたそっぽを向くフラベルム マスターは彼女の隣の席に座り そっと机を寄せた
【フラベルム】 さすが羽虫ですわ 人間の言葉が通じないようですね 遠慮する、と言ってるのですけど
何か事情があるのなら 力になれることがあるかもしれない 聞かせてくれないかな、とマスター
【フラベルム】 …はあ 本当に人の話を聞かない 方ですわね
【フラベルム】 …人の悩みを聞きながらなんて ご飯が不味くなりますわよ
君の浮かない顔を見ながら ご飯を食べるほうが 気になっちゃうよ、とマスター
【フラベルム】 …はぁ なんて強情な人でしょう わかりました、わたくしの負けですわ
【フラベルム】 クラスメイトの子と 科学のレポートで 口論になったのです
【フラベルム】 わたくしは彼女の間違いを 指摘しただけなのに…
【フラベルム】 わたくしの言い方が悪いと 言われ、わたくしもそれに さらに反論してしまい…
あはは… とマスターは苦笑する
彼女の毒舌は今に始まったものでは ないが、やはり積もり積もった ものもあるのだろう
ここは素直に謝ったらどうかな というマスターの提案も…
【フラベルム】 どうしてわたくしが 下手に出なければならないのですか 冗談じゃありませんわ!
そのとき、 先ほど彼女と喧嘩したであろう クラスメイトの女子生徒がやってきた
「さっきはごめんね…」 と女子生徒はフラベルムに声をかけた
【フラベルム】 ふ、ふんっ 何よ、ゴミ虫みたいな間違いしといて いまさら謝ったって遅いですわ
「なによっ、いつもいつも そんな言い方ばっかり…っ!」 と女子生徒の悲痛な声が上がる
女子生徒からは黒いモヤが 見る見るうちに溢れ出し…
【フラベルム】 …えっ?
武器を持つ異族になり 襲い掛かってきた
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