510352211 ダモクレス・擬装・プリースト 救いたい想い
【ダモクレス】 みんなー! 朝だよー、起きてー!
【ダモクレス】 ほら、ほら! 起きて、起きて!
一番に起きてきて、 みんなの布団を引っ張っている姫
彼女の名は、 ダモクレス・擬装(イミテイト)・ プリースト
マスターの隊に 入ったばかりの新入りだ
【ダモクレス】 あ、マスター、起きたんだね!
まだ、眠気まなこの マスターを発見するダモクレス
【ダモクレス】 じゃあ、おはようの チューしようよ!
【ダモクレス】 大丈夫! 愛さえあれば 問題ないっ!
いやっ!問題大ありだよ!! と、隊の姫から総ツッコミをくらう
【ダモクレス】 え~、ダメなの? 愛だよ、愛っ!?
とはいえ、元気爆発、 野生児型天然娘なダモクレスは、
その天真爛漫な性格から 隊の姫たちとすぐに 打ち解けていた
それもそのはず
【ダモクレス】 だってクレスが司る 七元徳は『愛』! だもんね♪
【ダモクレス】 この愛で、 みんなを助けて あげたいんだ~!
と、元気に言い放つのだった
その言葉通り……、
【ダモクレス】 あ、お料理してるの? だったらクレスに任せて! 野菜切るの手伝ったげる♪
料理当番の姫を手伝い、 また、ある時は…
【ダモクレス】 あ、マスター! お風呂掃除してるんだ!? 手伝ったげる♪
【ダモクレス】 だから終わったら、 今日こそ一緒に お風呂入ってくれるよね?
【ダモクレス】 …えー?今日もダメなの? まだ、愛が足りないってこと~?
そういう問題じゃなーい!と、 姫たちにツッコまれるも、
愛情を注いで手助けをする姿に、 みんななんだかんだ喜んでいた
だが……
【ダモクレス】 みんな、どこ行くの? クレスも行く~!
【ダモクレス】 わ~、すっごく静かな場所だね 大人しくしてなきゃ
【ダモクレス】 ………
最初は大人しくしている ダモクレスだが…
【ダモクレス】 ねぇ、ねぇ、これってさ!
しーーーっ!! 図書館や劇場で注意されるなど、 元気爆発ぶりが行き過ぎる時もあった
【ダモクレス】 えへへへ、ごめん、ごめん~ そんなに怒んないで? 愛さえあれば問題ないっ!でしょ?
も~、と呆れ笑いしている姫たち
明るいダモクレスの周りには、 いつもみんなの笑顔があった
そんなある日――
【ダモクレス】 ………ふぅぅぅぅ
【ダモクレス】 えぇぇいっ!
森で杖の修業をしている ダモクレスを見かける マスター
一人だなんて珍しいね? と、声を掛ける
【ダモクレス】 あ、マスター
【ダモクレス】 一人じゃないよ、ほら
木の陰になって見えなかったが、 そこには……
【ラグナロク】 私もいるけど
仏頂面のラグナロクがいた
2人で特訓かな? と尋ねるマスター
【ダモクレス】 うん!だって今のままじゃ、 みんなに愛を伝えられないからね
どういうこと? マスターの問い掛けに、 ラグナロクが答える
【ラグナロク】 ダモクレスが元々、 使っていたのは剣
【ラグナロク】 彼女の仲間を助けたいという 強い想いに応えて、 イミテイトの力を授けたけど…
【ダモクレス】 えーーーいっ!!!
杖の力を使い、 目の前の巨大な樹木を 砕いて見せようとする彼女
【ダモクレス】 あぁ~、またダメか~
だが上手く杖を使いこなせず、 巨木を破壊することが出来ない
【ダモクレス】 う~ん、せっかく クレスの愛で みんなを救いたいのに…
【ダモクレス】 このままじゃダメだよ~~~!!
何度も何度も挑戦する彼女 しかし…
【ダモクレス】 あれ~~~っ!?
彼女の思いとは裏腹に、 魔法は明後日の方向に飛んで行く
【ダモクレス】 も~っ! なんで出来ないの~~~!? もっかい!!
日も暮れかけ、 今日はそのくらいにしといたら? と声を掛けるマスター
【ダモクレス】 ダーーーメッ!!
【ダモクレス】 もっともっと強い魔法を 使えるようになって、 仲間を救いたいの!!
そう言って、杖を振り続ける
なんかいいアドバイスはないのかな? と、マスターはラグナロクに尋ねるが…
【ラグナロク】 彼女なら大丈夫 あなたもいるし、ね
どういうこと?と尋ねるも、 微笑みを返しただけで 行ってしまう
【ダモクレス】 はぁぁぁぁーーーっ!!
ダモクレスの特訓は、 夜遅くまで続くのだった
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