510362212 ラグナロク・擬装・ガンナー 御旗を掲げる手
数日後―――
戦闘に出るマスターの隊
【ラグナロク】 はぁぁぁぁぁぁっ!
御旗を掲げ、銃を手に 進撃するラグナロク
【ラグナロク】 はあああっ!
彼女の放つ焼却の魔弾の威力は 凄まじく、周囲を燃やし尽くす
【ラグナロク】 これならっ…
しかし…
【ラグナロク】 くっ…!
連日の疲れのためか 武器の扱いに精細さを欠き、 敵に背後を取られてしまう
【ラグナロク】 しまっ…!!
敵の攻撃が、 彼女に命中する直前…
【アルマス】 危ない!
【ラグナロク】 !
その窮地を救ったのは、 隊の仲間・アルマスだった
【ラグナロク】 アルマス…
【アルマス】 なに、思い詰めた顔してるの?
【ラグナロク】 …!
【アルマス】 助けがいる時は、私に任せてよ
微笑むアルマス
【ラグナロク】 あ…ありがとう……
【アルマス】 さ、行くわよ!
剣を手に、戦場に駆けて行くアルマス
【アルマス】 はぁぁぁぁぁぁっ!
縦横無尽に敵を斬っていく 彼女を目の当たりにし、
【ラグナロク】 ………
ラグナロクは、 己の不甲斐なさに 歯噛みするしか出来なかった
その後――
【ラグナロク】 ………
一人で佇むラグナロクを マスターが訪ねる
大丈夫かい? そう問いかけるマスターに…
【ラグナロク】 心配ばかりかけてるわね…
思い詰めた顔してるから と、マスター
【ラグナロク】 ……考えていたの…
【ラグナロク】 私には… この御旗を持つ資格なんか ないんじゃないかって…
すっかり自信を失っていた彼女
【ラグナロク】 ……うぅ…
その目から、涙がこぼれ落ちる
そんなラグナロクに 何と声をかけていいのか わからないマスターだった
さらに数日後――
【ラグナロク】 …ふぅ
武器の特訓をしに、 彼女は山の中までやって来ていた
【ラグナロク】 ………
しかし自信を失った彼女は、 身が入らないでいた
【ラグナロク】 ………
木に立てかけた旗に 目をやる彼女
【ラグナロク】 この御旗の元…
【ラグナロク】 これからは みんなを導いていくと 誓ったけど…
【ラグナロク】 もう…あそこには… いない方がいいのかしら……
【ラグナロク】 この御旗は… 私には… 大き過ぎたのかもしれない…
――と、その時、
【ラグナロク】 !?
ガシャアアアアン!
遠くで、 金属同士がぶつかり合うような、 大きな物音がした
【ラグナロク】 なに…?
駆け付けてみると、 貨物車が横転し、 鉄材が散らばっていた
事故での怪我人の 搬送も出来ない状況に
【ラグナロク】 大丈夫!私に任せて!
鉄材を持ち上げ、運び込むラグナロク
【ラグナロク】 はぁ…はぁ…
だが、その量の多さ、
【ラグナロク】 くっ…!
重量から、 一人では対処が出来ない
【ラグナロク】 …!
【ラグナロク】 人々の安寧と復権……?
【ラグナロク】 私は……誰も… 助けられない……
己の無力さを嘆く彼女
【ラグナロク】 うぅ…
その目から、 涙がこぼれようとした、 その時――
困ってるみたいだね? と、
【ラグナロク】 …!
【ラグナロク】 …あ……あぁ…
彼女の前に現れたのは……
【ラグナロク】 マスター!
一人で抱え込まなくても、 君には仲間がいるよ そう彼女に微笑む
【アルマス】 困ったときは私が助けるって 絶・言ったでしょ
【ラグナロク】 ……アルマス
【アルマス】 それに、私だけじゃないわ
気がつくと、 隊の姫達が 鉄材を持ち上げていた
【ラグナロク】 み…みんな……
【ラグナロク】 わ、私も…!
【アルマス】 大丈夫
手伝おうとするラグナロクを 制するアルマス
【ラグナロク】 …え?
【ラグナロク】 私じゃ…役に……
【アルマス】 あなたは私達を導いて その大きな旗で
【ラグナロク】 …!
【ラグナロク】 で、でも…
戸惑う彼女に、 マスターは言う
先導するっていうのは、 一人で進むって意味じゃない みんなと共に進むって意味だよ、と
【ラグナロク】 !!
【ラグナロク】 みんなと……共に…
その言葉で、 彼女の心にボッと火が点いた
【ラグナロク】 わかったわ… 私に任せて!
旗を力いっぱい大きく振り、 みんなを導くラグナロク
その中で、彼女は思う
【ラグナロク】 マスターやアルマスの 言う通りね
【ラグナロク】 ずっと…一人で悩んでいた
【ラグナロク】 周りには…こんなにも 頼もしい仲間がいるのに、 気づきもせずに…
【ラグナロク】 でも…今は違う!
【ラグナロク】 みんなの存在が… こんなにも 私の心を温めてくれる!
【ラグナロク】 灯をともしてくれる!!
そう思った瞬間、 彼女の中で新たな力が芽吹いた
それは、彼女の新スキルの 礎となるものだった
【アルマス】 はぁ…はぁ…
【アルマス】 あ~、疲れた
無事、鉄材を運びきり 怪我人の搬送を完了させた姫達
【ラグナロク】 アルマス、 それにマスター
【アルマス】 え?なに?
【ラグナロク】 ありがとう
【ラグナロク】 今度から助けが必要な時は…
【ラグナロク】 あなた達に任せるわ
【アルマス】 うん!
マスターも頷き 微笑み合う3人
数日後――
【ラグナロク】 はぁぁぁぁぁぁっ!!
【ラグナロク】 黄昏の弾丸、 その身で味わいなさいっ!!
戦場には、銃を自在に操り、 駆け巡るラグナロクの姿があった
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