520071212 インテリジェントなスーパーAI キズナアイ キズナ交わりし魂の鼓動
【キズナアイ】
えーいっ！
【キズナアイ】
やったー！
これで今回の任務は完了！
って感じかな？
アイのおかげで無事完了だよ とマスター
【キズナアイ】
ふふっ、お疲れさまマスターくん
アイは疲れてない？ と気遣うマスター
【キズナアイ】
平気平気！
なんてったってインテリジェントな
スーパーAIですから！
そう言ってガッツポーズを見せるアイ
AIとはアイの世界で 人工知能のことを言うらしい
マスターにとって 言葉の意味はよくわからないが、 本人は疲れ知らずなのだと話す
【キズナアイ】
も～、そういう心配は
キル姫のみんなに、ね？
【キズナアイ】
ほらほら、任務も完了したし
帰還中の自由時間！
みんなとお喋りしちゃお～
【キズナアイ】
なるほど…
ジャンプして頭の位置をずらす
だけじゃ躱せないのかぁー…
帰還中、アイは宣言通り キル姫達との会話に花を咲かせていた
【キズナアイ】
うーん、どうすれば
みんなと上手く連携できるのかなー
【キズナアイ】
鍛錬あるのみ！？
やっぱそういう感じか～！
会話の内容はともあれ、 本当にアイはすっかり馴染んだのだ と感じるマスター
世界中のみんなとつながりたい それが目標だというアイ
それを達成しようとする様は マスターも尊敬さえ感じる だが…
【キズナアイ】
お、マスターくんも
一緒にお話ししようよー！
アイに手招きされ マスターはそれに応じる
おかしなところなんて何もない なのにマスターはまたアイの様子に 違和感を覚えるのだった…
【キズナアイ】
とりゃー！
また別の日、 その日もまたマスター達は 任務に繰り出していた
【キズナアイ】
今日の任務は敵の数が多いね…
でも、やっちゃうよー！
人一倍張り切るアイ それはとても頼もしいが――
【キズナアイ】
あっ！
アイの視線の先、 キル姫の背後、死角から敵が現れた
【キズナアイ】
危ない！
アイの声にキル姫はすぐさま 態勢を翻し、敵と対峙したのだが…
【キズナアイ】
てやああああああ！
アイはキル姫を庇おうと 敵の前に飛び出していく
【キズナアイ】
間に合っ…のわー！
【キズナアイ】
っとと、負けないんだから！
敵の攻撃を受けつつ アイはキル姫をかばいながら敵を倒す
マスターは即座にほかのキル姫達に 指示を飛ばし、アイをカバーしつつ 全体の態勢を立て直す
【キズナアイ】
みんな…！
それにマスターくん、ありがとー！
てへへ、と笑うアイ マスターはキル姫達の動きを見届け アイのもとへと駆け寄る
【キズナアイ】
…はは、結局みんなに
迷惑かけちゃったかな
それよりもアイが心配だ とマスター
【キズナアイ】
それは平気だよ
ちょっと攻撃は受けちゃったけど…
たしかにアイは無傷のようで マスターは少し安心する
【キズナアイ】
なんてったって、えー、あい
だ、から――
【キズナアイ】
わあっ！？
ガバリと起き上がるアイ そばにいたマスターとアイが 庇ったキル姫はホッと息を吐く
【キズナアイ】
あ、マスターくん？
それにあなたも…
あれ、ここって？
【キズナアイ】
そっか…あの後私ってば
気を失っちゃったんだね
【キズナアイ】
私が休めるようにって
部屋も用意してくれて…
【キズナアイ】
マスターくんにも
たくさん迷惑かけちゃったね
でも、もう大丈夫だよ
元気そうなアイを見たキル姫は 後をマスターに託し、 自身は辺りの哨戒に向かった
【キズナアイ】
心配もさせちゃったんだね…
【キズナアイ】
ごめんなさい！
マスターはアイの言葉に 謝る必要はないよと返す
【キズナアイ】
え、でも…
仲間、だからね 大丈夫大丈夫、だよ とマスター
【キズナアイ】
うぅ…ありがとうマスターくん
でも、後でみんなにもお礼言わないと
それもそうだけど と、マスターは真剣な顔をする
【キズナアイ】
な、なにかな…？
キル姫を庇おうとしてくれたのは 嬉しいし自分も同じことをしたはず とマスター
結果的に全員無事だったとはいえ どうして無理に身を挺したの？ とマスターはアイに問う
【キズナアイ】
それは、その…
【キズナアイ】
…みんなとたくさんお話して
仲良くなって、それが嬉しくて
【キズナアイ】
そうやって触れ合っていくうちに
みんなに戦いで傷ついてほしくない
お喋りして笑っていられる…
【キズナアイ】
そんな時間が増えていったら
いいなって思うようになってね
【キズナアイ】
あ、もちろんみんなが目的のために
頑張って戦っているのを否定する
とかじゃなくて…
【キズナアイ】
でも、私が頑張ったら
少しはみんなの負担を減らせるって
考えた結果の行動で――
アイの言い分はわかる けれど、アイが傷つくのは みんなが悲しむよ、とマスター
【キズナアイ】
そこはほら、私はAIだから
ちょっとの無茶は通るかなーって！
【キズナアイ】
…逆に迷惑かけちゃったけど
迷惑なんかじゃないよ とマスター
【キズナアイ】
うぅ…
自分もそうだけど、 アイと一緒に頑張りたいって、 みんなも思ってるよ
【キズナアイ】
で、でも！
【キズナアイ】
でも…そっか、一緒に…
『一緒に』 その意味にアイが気付いたと マスターは感じて微笑む
一緒に戦ってくれる仲間が 自分達のことを想ってくれる それだけでキル姫達にとっては救いだ
そして、そんな風に想ってくれる アイが傷ついてしまうのは みんなからしたら悲しいとマスター
もちろん、自分もね と照れ隠しに笑うマスター
【キズナアイ】
マスターくん…
【キズナアイ】
あ、でも本当に傷ついたりは
してないからね、本当だよ！
でも、そう見えちゃうからね とマスターは釘を刺す
【キズナアイ】
う、はい…反省します
そしてマスターはアイに どうしたらいいと思う？ と答えを促す
【キズナアイ】
それは…
【キズナアイ】
みんなと一緒に頑張ると
みんなも私も…いい感じ！
【キズナアイ】
だからもう、ひとりで
いろいろなことを背負い込もうと
したりなんかしないよ！
仲間と共に歩んでいく そう決めたアイには 『キズナ交わりし魂の鼓動』が宿った
【キズナアイ】
マスターくんとも、一緒にね！
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