530181212 フォルカス・神令・ヘル 確かな温もり
【フォルカス】 私が、仲間から一歩引いていた理由…
【フォルカス】 それは……
【フォルカス】 過去に由来しています
【フォルカス】 私は…
【フォルカス】 仲間を裏切ったんです
あくまで冷静を装っているが、 彼女の目には、 悲しみと後悔が宿っている
【フォルカス】 それ以来、後ろめたさと…
【フォルカス】 いつかまた、同じ過ちを 犯してしまうんじゃないかという 恐怖で……
【フォルカス】 踏み込めなくなったのです
声を震わせ、俯くフォルカス
それを見たマスターは言う 君なら大丈夫だよ、と
【フォルカス】 ……そんな
【フォルカス】 適当なこと言わないでください…
【フォルカス】 仲間との間に、 なにがあったのか… 知らないくせに……
根拠のないマスターの言葉に 怒るフォルカス
【フォルカス】 私だって本当は…… 踏み込んでいきたいんです
【フォルカス】 もっと仲良くなりたいんです
【フォルカス】 でも……出来ないんです
【フォルカス】 そんな歪んだ感情だから…、 押しつけがましくなっていることも 本当は分かっています…
【フォルカス】 私はそんな自分が… 心底、嫌いなんです……
悔しさと情けなさで、 彼女が涙を浮かべた
――と、その時、
【フォルカス】 !?
訓練をしていた姫たちから、 叫び声が上がった
いつの間にか出現した敵の大群に、 取り囲まれている姫たち
【フォルカス】 …みんな!
激しい訓練により 疲弊していた姫たちは、 苦戦を強いられている
【フォルカス】 今、助けに…!
駆け出そうとするフォルカス
だが……
【フォルカス】 ……
【フォルカス】 裏切り者の私に… また仲間を裏切るかも知れない私に…
【フォルカス】 仲間を助ける資格なんて ないんじゃ……
その葛藤から、 フォルカスの足が止まった
【フォルカス】 み、みんな… 敵軍の弱点は……
一歩を踏み込まずに、 指揮官として指示を出そうとする彼女
その時、マスターが彼女に声を掛けた 大丈夫!踏み込んでいいんだ!と
【フォルカス】 …え?
隊のみんなはちゃんと君のことを 理解してくれてる
【フォルカス】 …!
それに、君自身の中にある とてつもない優しさ、愛の深さを 僕は信じてる!
そう彼女に告げるのだった
【フォルカス】 ……愛
【フォルカス】 ……!
己の手のひらを見る彼女
【フォルカス】 なんでしょうか…? この…得体の知れない力は…!
【フォルカス】 バイブスなんてものは 信じていなかったけど…
【フォルカス】 この不思議な力は一体…?
【フォルカス】 …いや! そんなこと、今はどうでもいい
【フォルカス】 これで、裏切りの過去を 払拭できるなんて思わないけど…
【フォルカス】 私の中に、こんな力があるのなら…、 今はみんなのために使いたい!!
【フォルカス】 はぁぁぁぁぁぁぁっ!!
駆け出すフォルカス
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