530372212 犬山たまき 秘密の全力全槍
ある日のこと 相談があるとのことで たまきに呼び出されたマスター
【犬山たまき】 あ、ご主人様… わ、わんたまー…
珍しく歯切れの悪い挨拶のたまき マスターは優しく相談なら なんでも言ってほしい、と促す
【犬山たまき】 ありがとうご主人様… そういえば、この間ね――
不安そうな表情から一転 たまきは最近自身のまわりで 起きた出来事を話し始める
【犬山たまき】 ――料理が苦手なのは、ほら 役割分担ってことになってて 助かったりはした訳なんですけど…
【犬山たまき】 お風呂の時間には 困っちゃったよね…
【犬山たまき】 なんとかラッキースケベ展開は 回避できたからよかったけどさぁ ご主人様まで忘れてるとは…
慣れないもので… と謝るマスター
【犬山たまき】 もう、気をつけてよねぇ 男の娘、これ大事なとこだよ! テストにも出ますからね!?
気をつけるよ と返すマスター
【犬山たまき】 うむ、よろしい!
【犬山たまき】 …………
【犬山たまき】 …っぷ、あははは! 何の話してんのって感じだよね はー、おかしい~
【犬山たまき】 ボクの世界だと男の娘って ポピュラーだから、改めてこういう 話するのってなんだか面白いなーって
そうなの? と不思議そうなマスター
【犬山たまき】 そうですよ 断言します
【犬山たまき】 …なんてね、ふふっ
相談事があるって聞いてたけど そうやって笑ってるところを見ると 解決したのかな、とマスター
【犬山たまき】 あ、そうだった! だらーっと話してたら なんだか気が晴れちゃった
【犬山たまき】 キル姫のみんなといるのも楽しいし こうやって久しぶりに雑談も できたからかなー?
久しぶりという言葉に 引っ掛かりを覚えるマスター
【犬山たまき】 あ、こっちの世界に来てて 出来ないことがあって不満がー とかそういう悩みじゃないからね!
そういうのじゃないということは 他にあるってことだね? とマスターはたまきへ尋ねる
【犬山たまき】 おっとご主人様は そういうとこ鋭いんだね…
任務のこと、だよね とマスターは任務の前の不安そうな たまきの顔を思い出しながら問う
【犬山たまき】 はい…その通りでございます
【犬山たまき】 こっちの世界に来て少しは 動けるようになったって言っても 元々運動苦手だし…
【犬山たまき】 ゲームもめっちゃ下手だし… ってこれは関係ないか?
【犬山たまき】 …あと、やっぱり戦うって――
恐い…よね とマスターはたまきに代わり 言葉を続ける
【犬山たまき】 うん…って、あれ? 今の話の流れ的にご主人様は 気付いてたってことだよね!?
【犬山たまき】 ほっとくなんてひどいよー うわーん、ご主人様の鬼ー!
い、いやがらせとかじゃないから! マスターは慌てて否定する
【犬山たまき】 ふふっ、冗談だよ冗談 …でも、どうしてボクが話すまで 指摘しなかったのか、聞いてもいい?
マスターは自身の立ち位置を理由に 指摘することをしなかったと話す
【犬山たまき】 立ち位置…? ああ、そっか、ご主人様が 指摘したら、それは指示になっちゃう
【犬山たまき】 それに、こうやって相談できるような 関係性じゃないならなおさらだよね…
相談してきてくれたなら 一緒に考えることができるから とマスターはほほ笑む
【犬山たまき】 …………
自分は戦える訳じゃないけれど キル姫の戦いを一番近くで見てきた だから助けになれると思うとマスター
【犬山たまき】 …………
ど、どうしたの? とたまきの無言に不安になるマスター
【犬山たまき】 …わわっ、ごめんごめん ちょっとぼーっとしちゃって
【犬山たまき】 コラボ相手がしっかり者だと アフターフォローも完璧じゃん…
コラボ…? とハテナを浮かべるマスター
【犬山たまき】 いやいや、ご主人様が ボクのことよく見ててくれたんだな って思ってさ
【犬山たまき】 そういうの感じると なんか胸があたたかくなるっていうか
そう話すたまきに 『秘密の全力全槍』 が新たな力として宿る
【犬山たまき】 うわぁ… なんか目覚めたの、これ…
そうかも…? とマスターも疑心暗鬼
【犬山たまき】 あははっ、ご主人様も わかんないんかーい!
【犬山たまき】 でも…きっと、ご主人様と一緒に 悩んで考えて成長していけたら いいなって思ったからかな
【犬山たまき】 うん、これからは 頑張れそうな気がするよ
【犬山たまき】 だから…今後とも どうぞよろしくお願いします
【犬山たまき】 ね、ご主人様!
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