530381213 滝夜叉姫 妖主の威厳
マスターと滝夜叉姫が 村の復興を始めてから、数日後…
【滝夜叉姫】 …よし、出来た!
そう語る滝夜叉姫の前には、 とりあえず雨風をしのげそうな 小屋が完成していた
【滝夜叉姫】 やったのう!マスター! これもお主のお陰じゃ!
二人で喜びを分かち合う マスターと滝夜叉姫
【滝夜叉姫】 じゃが、ここで満足する つもりは無いぞ、マスターよ
【滝夜叉姫】 わらわはここから、 國を作り上げるのじゃからな! これはその第一歩じゃ!
もちろん、と頷くマスター これからも滝夜叉姫の力に なることを誓うのだった
【滝夜叉姫】 うむ…!
【滝夜叉姫】 まずは小さな集落からじゃ! 千里の道も一歩から、じゃからの
【滝夜叉姫】 とはいえ、一歩は一歩じゃ! 今宵はその祝杯を挙げようぞ!
滝夜叉姫はそう語ると、 用意していた食べ物や酒を マスターに見せる
どうやらこの日のために ちゃっかり用意していたらしい
【滝夜叉姫】 しかし…二人だけでは 盛り上がりに欠けるのう
【滝夜叉姫】 どうじゃ?ぬりかべや 他の姫達も呼んでみるか?
【滝夜叉姫】 せっかくの宴じゃ 豪勢にやらねばの!
滝夜叉姫の提案に 同意するマスター
こうして村の復興パーティーは 盛大に開かれることになった
それから宴は夕方まで続いた
【滝夜叉姫】 ほれほれ、 もっと呑むのじゃマスターよ!
【滝夜叉姫】 なんじゃ、余興が足りぬぞ! どれ、わらわが踊ってやるとしよう!
いつになく楽しそうな滝夜叉姫は、 マスター達と笑い合い
フラフラに なるまで酒を飲んだり 踊ったりしていた
そして宴が落ち着いた頃…
【滝夜叉姫】 なんじゃあ? もう呑まぬのか?
フラフラした足取りで マスターの元にやってくる 滝夜叉姫
マスターはそんな彼女を 倒れないようにと支える
大丈夫か?と声をかける マスターに滝夜叉姫は、 照れくさそうに笑う
【滝夜叉姫】 ふふ、すまぬのう… 珍しく我を忘れてしまった
【滝夜叉姫】 わらわがこんなにはしゃぐとは ぬりかべに示しがつかぬのう…
自嘲する滝夜叉姫を じっと見つめるマスター
すると滝夜叉姫は、 大人びた表情を見せる
それは普段の彼女とは違う、 毅然とした君主の顔であった
【滝夜叉姫】 どうにも…お主の前では つい気を許してしまう
【滝夜叉姫】 もしかすると、それが お主の最大の力かもしれぬの
【滝夜叉姫】 しかし、悪くない… むしろ心地が良い
【滝夜叉姫】 お主のためならば、 これまで以上に力を 発揮することが出来そうじゃ
そう語る滝夜叉姫の目には、 確かな決意が宿っていた
そして、滝夜叉姫の 信頼に応えることを誓うマスター
二人の決意が 『妖主の威厳』 という新たな力として宿る
Next: 540011211