540081213 オティヌス・暴走 凶心『死滅を望みし高揚』
あれから数日が経った
オティヌスは、 マスターの隊に戻ってい――
【オティヌス】
わっ！
【オティヌス】
あははは♪ビックリした？
みんな、気を抜き過ぎ～
【オティヌス】
あんまり油断してると、
後ろから射貫いちゃうよ♪
相変わらずマスターや、 姫達にイタズラを 仕掛けまくっている
だが、もう姫達に 反発はされなくなっていた
なぜなら…
【オティヌス】
あはは！
今日の戦いも楽勝だったね
【オティヌス】
みんなといると、
絶望と終焉の力が
強くなってく気がする♪
【オティヌス】
もっと一緒に壊そうよ！
世界中の人を驚かせるために！！
言葉ではそう言っているが、 共に戦闘に出たり、 生活するうちに、
本当は悪い子じゃない… そう思われるようになっていたからだ
最近、みんなといい感じだね 彼女に話し掛けるマスター
【オティヌス】
うん、マスターや、
みんなと一緒にいると…
【オティヌス】
アイツと…
前のマスターと
過ごした時間を思い出すんだ
【オティヌス】
あの頃のあたしは…
毎日が楽しかったなって
【オティヌス】
前までは、
アイツを思い出すのが
辛かったけど…
【オティヌス】
今じゃ……
辛いことばかりじゃなくなってる
【オティヌス】
……ありがとね
照れ臭そうに、微笑むオティヌス
【オティヌス】
でも…分からなくなる時があるの
【オティヌス】
世界を終焉に導こうとするあたしと、
マスターの隊で
平和のために戦うあたし
【オティヌス】
どっちが本当の
あたしなんだろって…
目を伏せる彼女にマスターは言う どっちも本当の君だと思うよ
【オティヌス】
……そっか
【オティヌス】
うん、そうかもね
彼女は思う
今は『喜』の感情が増幅し、 暴走することが多い
その時は、物や人が壊れ、 『終わってゆく』瞬間が 最高に面白い
【オティヌス】
でも、近い未来…
【オティヌス】
平和が訪れた時に、
あたしの中で『喜』の感情が
爆発するようになるのかな…？
そして顔を上げ、 彼女は呟く
【オティヌス】
世界を終わらせるという壮大な悪戯で
世界中の人間を驚かせる……
【オティヌス】
あの人が望んでたことって……
ホントにこんなことだったのかな？
【オティヌス】
マスターを見てると、
違うんじゃないかって
不安になるんだ……
マスターを見つめる瞳は、 変わりゆく無垢な少女 そのものだった
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