550371212 ロジェスティラ・神令・スクルド 手に入れた幸せ
マスターと二人になり、 己の心のうちを語り始める ロジェスティラ
【ロジェスティラ】 マスターさんと仲良くなれば 強くなれるって、 みなさんは言いますけど…
【ロジェスティラ】 わたしは… そうは思えないんです
【ロジェスティラ】 わたしがみなさんと距離を置き、 見守っていたのは…
【ロジェスティラ】 バイブスという不明瞭な存在を 信じられないから
【ロジェスティラ】 それに…
【ロジェスティラ】 もしバイブスが共鳴して、 仲良くなれても……
【ロジェスティラ】 その繋がりの深さは… いつか争いを生んでしまうかも 知れないから……
そう言って、俯く彼女
【ロジェスティラ】 ご、ごめんなさいっ… せっかく話かけてくださったのに、 暗い雰囲気にしちゃいましたねっ…!
【ロジェスティラ】 そ、そういうわけですので、のでっ!
【ロジェスティラ】 わたしは一人で大丈夫です、はい
とは言うものの、 その目は悲しげだった
そんな彼女に、マスターは言う
繋がりが 信じられないというより… 怖いんじゃないの?と
【ロジェスティラ】 ………!
【ロジェスティラ】 ………
【ロジェスティラ】 そ…そうかも知れません
【ロジェスティラ】 幸せは見ているだけでいい…
【ロジェスティラ】 そう思うのは… わたしがその輪に入ることで
【ロジェスティラ】 そこにある幸せを 壊してしまうんじゃないか… そ、それが怖いからかも知れません…
マスターは思う
彼女が神令されているのは、 未来と死を司るスクルド 人々の生死を見守った運命の女神だ
彼女は自分が関わることで、 みんなの未来が悲しいものになるのを 恐れているのだろう
【ロジェスティラ】 ……だ…だから、わたしは…
【ロジェスティラ】 一人でいいんです…
だがマスターは言う
幸せは見ているだけより、 その輪の中に入った方が 絶対に幸せだよ
【ロジェスティラ】 …え?
もしそうなれたら、 “幸せ”は“恐怖”を凌駕するくらい 幸せな気分になれるから、と
【ロジェスティラ】 幸せは… 恐怖を凌駕するくらい…… 幸せな気分に……?
【ロジェスティラ】 それって… どういう意味ですか……?
言ってるうちに、こんがらがって よく分かんなくなったけど… と、苦笑いするマスター
【ロジェスティラ】 え、えぇっと…?
【ロジェスティラ】 ………
【ロジェスティラ】 …ぷっ
【ロジェスティラ】 あはは、 なんですか、それ?
思わず吹き出すロジェスティラ
そんなロジェスティラに ひどい…とわざとショックを 受けたフリをしてみるマスター
【ロジェスティラ】 あわわっ、すみませんっ…! 決してマスターさんを馬鹿に したわけではなく、なくっ!
【ロジェスティラ】 ほ、本当に違うんですよっ…? ちゃんと、伝わりましたからっ マスターさんの思い…
そう言い掛けた瞬間だった
【ロジェスティラ】 !!
【ロジェスティラ】 あれは…!
丘の向こうから、 敵の大軍が出現したのだ
【ロジェスティラ】 マスターさん、さがって下さい!
魔法の召喚を始めるロジェスティラ
【ロジェスティラ】 はぁぁぁぁぁっ!!
敵の攻撃をかわしながら、 炎の魔法で応戦する しかし…
【ロジェスティラ】 …くっ!
敵の数の多さに 魔法の召喚が追い付かない
【ロジェスティラ】 …はぁ…はぁ…!
疲労とダメージから、 遂に膝をついてしまう
【ロジェスティラ】 諦めたくない…! で、でも、でも…!!
…と、その時だった
【ロジェスティラ】 …あっ!
隊の姫たちが加勢に駆け付けたのだ ロジェスティラを守るように 陣形を取り、戦う姫たち
【ロジェスティラ】 …みなさん
その中で、マスターは ロジェスティラに声を掛ける
大丈夫、みんな、きみの仲間だ この輪は壊れたりなんかしない! いや、壊させたりなんかさせない!
だから…もう恐れないで、と
【ロジェスティラ】 ……はい
【ロジェスティラ】 わたし…行ってきます! みなさんの輪の中に!!
【ロジェスティラ】 みなさん、行きましょう!
仲間と協力して戦いながら 彼女は言う
【ロジェスティラ】 わかりましたよ、 マスターさん
【ロジェスティラ】 本当の幸せは… 見ていても手に入らない
【ロジェスティラ】 こうして自分の足で前に進み… 自らの手で掴むものだったんですねっ
【ロジェスティラ】 もう…恐れません!!
マスターの言葉に 共感した彼女は、 そのままバイブスも共鳴
【ロジェスティラ】 はあああっ…!
新たな力に覚醒し、 一気に敵を葬り去るのだった
【ロジェスティラ】 はぁ…はぁ…
そのままマスターの前まで 歩いてくる彼女
【ロジェスティラ】 あのあのっ 戦闘の前に言った言葉… 撤回させてください
【ロジェスティラ】 わたし…マスターさんとの 繋がりを大事にしたいです… 信じてみたいんですっ…
【ロジェスティラ】 ですので、のでっ…! マスターさん、わたしと…
【ロジェスティラ】 ペアになってください!
もちろん! 快く受け入れるマスター
【ロジェスティラ】 よ、よかったぁ~~……
【ロジェスティラ】 えへへ…… ありがとうございますっ…
そういうと、ロジェスティラは 顔をくしゃくしゃにして笑った
【ロジェスティラ】 あ、あのあのっ でも、一つ気になることが…
【ロジェスティラ】 どうして、 カードゲーム大会なんですか?
その質問に答えるマスター 君の趣味が占いだって知ってたからね
占いで相手の持っているカードを 占えば、きっと勝てるはず! そう思ったからだよ、と
【ロジェスティラ】 ……!
【ロジェスティラ】 つまりは… わたしに花を持たせようと…
マスターの真意を知り、 幸せを感じる彼女
【ロジェスティラ】 あ、ありがとうございます、 マスターさん!
じゃあ行こうか、ロジェ! そう言って、 対戦相手の前に出て行くマスター
【ロジェスティラ】 え? え、え? い、今…ロジェって…
君の愛称なんだけど… 嫌だったかな? マスターが照れながら言う
少し頬を赤く染め、 彼女はマスターに懇願する
【ロジェスティラ】 あのあのっ… もう一度、呼んでくれませんか…?
【ロジェスティラ】 そのっ…ロジェって…
照れながらも、 小さな幸せを感じる ロジェスティラだった
Next: 550371214