560351214 クシナダ 櫛姫の旋風
クシナダが こちらの世界に来てから しばらくのこと
【クシナダ】 みんな~、起きてください! 朝ごはんを準備しましたよ
【クシナダ】 たくさん作りましたから、 遠慮せずいっぱい 食べてくださいね
姫達と仲良くなったことで、 世話焼きな性格が 色濃く表れてきたクシナダ
だが、以前のように 無理をしている様子はなく…
むしろその表情は 明るい感情に満ち溢れていた
【クシナダ】 さて、今のうちにお洗濯と お掃除をいたしませんと… ふんふふ~んっ♪
【クシナダ】 ふーっ… さすがにこの量のお洗濯は 骨が折れますね…!
【クシナダ】 これで最後の一枚! すこし休んでから次の作業に… …あら?
【クシナダ】 マスター! どうされたのです、 こんなところで?
【クシナダ】 わたくしは 家事がひと段落ついたので 休んでいたのですが…
【クシナダ】 …えっ? マスターにしてほしいこと… ですか?
【クシナダ】 そんなっ、マスターの手を 煩わせてしまうなんて! 本当にいいのでしょうか…?
マスターの好意に あたふたと慌てるクシナダ
すこし悩んだ末、 クシナダの出した結論は…
【クシナダ】 で、では… 膝枕をしていただいても よろしいですか?
【クシナダ】 すこし横になって 休みたいもので… ダメでしょうか?
【クシナダ】 …本当ですか? ありがとうございます! それでは…!
マスターの膝枕に 頭を預けながら、 遠く青い空を見上げる
しばし静かな時間が流れ… クシナダは自らの心情を ぽつぽつと語りだすのだった
【クシナダ】 この世界に来たばかりのころ… わたくしはとにかく 不安でたまりませんでした
【クシナダ】 がむしゃらにがんばっていれば、 いつか誰かが助けに来てくれる…
【クシナダ】 そんな淡い希望を抱きながら、 精一杯の力を尽くすことしか 考えられなかったのです
【クシナダ】 でも…今は違います
【クシナダ】 隊のみんな、そしてあなた… 困ったときには助けてくれると、 そう心から信じられる仲間がいる
【クシナダ】 そのおかげで、 わたくしの抱えていた不安は さっぱり消え去りました
膝の上で頭を動かし、 マスターの顔を じっと見つめるクシナダ
【クシナダ】 わたくしも同じように… みんなに信じてもらえる 存在になりたい
【クシナダ】 みんなの不安を 軽々と吹き飛ばせるような、 そんな存在になりたいんです
【クシナダ】 それが今の… わたくしの一番の願いですわ
クシナダの紡いだ言葉に、 きっとなれるよ、と 返事をするマスター
【クシナダ】 …………! はいっ…!
マスターの声のあたたかさに クシナダは心を打たれ…
新たな力… 『櫛姫の旋風』を 自ら生み出すに至ったのだった
【クシナダ】 ふふふっ… 癒してくださって ありがとうございました
【クシナダ】 そろそろ次のお仕事に 取り掛からないと…
【クシナダ】 …え? あなたもお手伝いして くださるのですか?
【クシナダ】 あなたがそうおっしゃるなら… ぜひお願いしますね、マスター!
Next: 560361211