6005051 限定クエスト ファンキル学園(学園編)(ファントムオブスクール) ファンキル学園12月ストーリークエスト ストーリークエスト「真冬のアングレカム」 5 - 第5話「穴空きの心と温室」 12月学園ストーリークエスト5 5話「穴空きの心と温室」戦闘前
事件は 数日後の放課後に起こった
【マスター】 シタ！ 一体なにが…
温室の真ん中でうずくまるシタ うなだれるミストルティン…
駆け寄ったマスターは すぐになにが起こったのか察した
【マスター】 ガラスが…割れてる…
【シタ】
今日は朝来れなくて…
さっき来てみたら…
こんなことに…なっていて…
【シタ】
このまま放置したら…
植物がダメになってしまう…
【シタ】
でも…すぐに直せないし…
一般開放もお休みしないと…
【シタ】
やっと…
上向いてきたところなのに…
シタの目は涙ぐんでいた…
【ミストルティン】
…しっかり、してください
まずは先生に報告しないと…
【ミトゥム】
いや、そのまえに犯人を捕まえる
寒気がするほどの怒気… 振り返ると、拳を握りしめる ミトゥムが立っていた
【マスター】 犯人って… それじゃ誰かが故意に やったみたいだよ
【ミトゥム】
故意に決まってるだろ！！
…運動部だ
【ミトゥム】
温室を閉鎖するために
わざとやったんだ！
【マスター】 そんな… 待って、さすがに穏やかじゃないよ
【シタ】
…そうです
まずは先生方に
報告しましょう
ミトゥムの気炎に シタは危機感を覚えたのか 気丈さを取り戻していた
【シタ】
事故…誰かの過失…
…万が一、故意…
すべての可能性を考え慎重に…
【ミトゥム】
いいや、犯人を見つけて
突き出したほうがいいだろ！
【シタ】
だから！
どうしてそうやって決めつけるの！
【シタ】
過激なことをして…
立場が悪くなったら
取り返しがつかないんですよ？
【ミトゥム】
じゃあこの横暴を放っておくのか！？
こんなことする卑怯な連中を！！
壊すなんて…あんまりだろ！！
【シタ】
だから…ね？
ミトゥムちゃんは…
なぜすぐに運動部に結びつけるの？
【ミトゥム】
姉ちゃんこそなんで…
運動部をかばうんだよ…
【ミトゥム】
絶対あいつら…ズルしてるのに！！
【シタ】
絶対の…
根拠はなんですか？
【ミトゥム】
だから…ずっと言ってるだろ！
選挙だよ！
【ミトゥム】
あのとき会長支持の運動部の票と
姉ちゃん支持の文化部と勉学組の票は
ちょうど半分くらいだったんだ！
【ミトゥム】
でも…ミトゥムのことを運動部に
誘ってくれてたやつらはみんな
言ってたんだぞ！？
【ミトゥム】
姉ちゃんに…シタに入れるって！
【ミトゥム】
結構いたんだぞ！
ほんとにほんとに、
いっぱいいたんだ…
ミトゥムは 悔しそうに うつむいていた
【ミトゥム】
な…？
おかしいだろ？
そいつらが入れてくれてれば…
【ミトゥム】
姉ちゃんが勝ってたはずなんだ！
あいつらが…裏切らなかったら…
【ミトゥム】
なんでそうなっちゃったんだ…？
わからなかったよ…
でも今ならわかる！
【ミトゥム】
きっとヴァジュラ会長が…
当選したら予算多めにするって…
あいつらに言ってたんだよ！
【シタ】
ミトゥムちゃん…
温室の温度が 一気に下がった気がした
シタの顔からは 一切の表情が消えていた
【シタ】
よくわかりました
【シタ】
でも、もう二度と
私の前でその話はしないでください
【シタ】
私とヴァジュラは正々堂々と
戦いました
【シタ】
そして…私が負けた…
【シタ】
ヴァジュラを侮辱することは
私達の選挙戦を侮辱することです
【ミトゥム】
違うよ…そんなつもりは…！
【シタ】
いいえ、そういうことです
今後一切ヴァジュラの批判は
しないように
【ミトゥム】
なんだよ…なんなんだよぉ…！
【ミトゥム】
ミトゥムは悪くないもん…
全部、全部運動部が裏切ったのが
悪いんだろ！？
【ミトゥム】
ミトゥムより…
ヴァジュラ会長を取るのか…？
運動部の味方するのか…？
【ミトゥム】
温室をなくそうとしてるやつの
肩を持つのかよ…！
【ミトゥム】
姉ちゃんなんか…
【ミトゥム】
姉ちゃんなんか…！
【ミトゥム】
大っ嫌いだ！！！
もう知らない！！！
ひときわ大きな声で叫ぶと 三度、ミトゥムは 飛び出していってしまった…
【シタ】
…う
【シタ】
…うう、う…
温室が壊された現実と、
大好きなミトゥムに 面と向かって大嫌いと言われた ショックが重なり
シタは思わず泣き出しそうになるが、 こらえてただ一言、
「行かなきゃ…」とつぶやき、 ミストルティンの脇を通って ミトゥムの後を追った
【ミストルティン】
シタさん、泣いてた…
【ミストルティン】
私…温室…大好きで…
なくなってほしくなくて…
【ミストルティン】
もっとたくさんの人に
知ってほしくて…
【ミストルティン】
そう思って頑張ったつもり
だったんですが…
【ミストルティン】
他校の私を…
部員のように…
シタさんはかわいがってくれて…
【ミストルティン】
私も…
部員になれたような気がしてて…
【ミストルティン】
…なのにシタさんと…
ミトゥムさんがケンカすることに
繋がるなんて…
【マスター】 いや、ミストルティン！ それはちょっと…考えすぎだよ！
【ミストルティン】
でも…集客が増えなければ…
よく思わない人、というのも…
増えなかったわけで…
【ミストルティン】
本当のことはわからないけど…
ミトゥムさんがあんなふうに
思うこともなかったわけで…
【シタ】
私ね！園芸部に入るから！
放課後はね、この温室にいるから…
【シタ】
…ね、ミトゥムちゃん
そんな顔しないで…？
【シタ】
この温室にくれば会えるから…
お昼休みに来てもいいのよ？
ね？ミトゥムちゃん…
【シタ】
お願い…笑って…？お姉ちゃん、
ミトゥムちゃんが悲しいと
一緒に悲しくなって死んじゃう…
【ミストルティン】
違う違う違う…！
【ミストルティン】
こんな…
私はこんなの望んでない…！！
ミストルティンの声のトーンが どんどん低くなっていく
それに呼応するように ミストルティンの体から 黒い霧が吹き出していく…
【マスター】 君は… 君は悪くないよ…！！
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