6007031 限定クエスト ファンキル学園(学園編)(ファントムオブスクール) ファンキル学園2月ストーリークエスト ストーリークエスト「優しき剣士とバレンタイン」 3 - 第3話「剣の道はチョコにあり?」 2月学園ストーリー3話 学園2月 第3話-1
そんなこんなで始まった ムラマサと八咫鏡の チョコ作りは…
のっけから混沌を極める…
【マスター】 ところでムラマサは チョコは作ったことがあるの?
【ムラマサ】 いえ…洋物はさっぱりで…
【八咫鏡】 しかし和物は絶品じゃぞ! 特にムラマサがつける たくあんは絶品でのう…!
【八咫鏡】 あ、たくあん入れたら うまいかもしれんな
【マスター】 絶対やめたほうがいい
【八咫鏡】 む、チョコを溶かすのか… ほれ犬千代、温めて溶かせ
【マスター】 そのあだ名もやめて!?
【ムラマサ】 ふむ… レシピは大体理解しましたが いかんせん正解がわかりません…
【八咫鏡】 わらわもな~ 一回見たらすぐに 再現できるんじゃがな~
【マスター】 そうなの…?
【八咫鏡】 わらわはな モノマネが大の得意なのじゃ!
【マスター】 もの…まね…
【ムラマサ】 侮ってはなりませんよ主君 八咫鏡さんの物真似は それは見事な技なのです
【マスター】 そうなの…? イメージ湧かないなぁ…
【マスター】 と、ともかく! これじゃ全然進まないよ…
【八咫鏡】 手本があればな~ あ~、手本さえあればのう~
【八咫鏡】 例えば、調理部が ちょちょっと作ってくれたりしたら 助かるんじゃがの~
【だるそうな女の子】 …………
【マスター】 (アイスむさぼりながら 完全無視だ!)
【ムラマサ】 あの… ピサールさん?
【八咫鏡】 ほう、お主ピサールというのか よい名前じゃな!
【八咫鏡】 よい名前じゃから手伝え
【マスター】 なんの脈絡もない!!
【ピサール】 え~~… 意味わかんない…
【八咫鏡】 ほう…ならば… お主の大事なあいすくりんが…
【八咫鏡】 明日、一つ残さず! たくあんいりチョコに! すり替わっても文句はないな!
【ピサール】 うっ…それは…困る… ていうか、怒る~
【八咫鏡】 しかしお主は言ったぞ? 「勝手にしていい」と!
【八咫鏡】 ならばあいすくりんを たくあん入りチョコに すり替えようとわらわの勝手!
【マスター】 横暴すぎる…!!
【ピサール】 た、たしかに…
【マスター】 納得しちゃうんだね!?
【ムラマサ】 お願いですピサールさん! 我々にチョコ作りを教えてください!
【ピサール】 めんどくさい…
【ピサール】 めんどくさいけど… アイスがなくなったら困る~…
【ピサール】 わかったよ~… 教えるだけだからね~?
【八咫鏡】 初めから素直にそう言えば よいのじゃ~♪
【ムラマサ】 ありがとうございます! よろしくお願いいたします!
【八咫鏡】 湯煎か! なるほどこうやって溶かすのか!
【ピサール】 わたしは体温がちょっと高いから ボウル抱いてると溶けるんだけどね~
【八咫鏡】 ほれ、抱いてると 溶けるらしいぞ犬千代
【マスター】 絶対やらないから!!
ムラマサはマスター達のやり取りを 不安そうに見つめていた
【八咫鏡】 ムラマサ、浮かん顔をしておるのう
【八咫鏡】 チョコ作りに 本当に意味があるのだろうか… そんなところか?
ムラマサは無言でうつむいた 図星だったのだろう
【八咫鏡】 自分で見つけんと意味がないのじゃが 仕方あるまい 少々説いてやろう
【八咫鏡】 お菓子作りと侮るなかれ 五感を研ぎ澄ませぬとチョコは成せぬ
【ムラマサ】 五感…ですか!?
【八咫鏡】 左様… まず、最も大事な味を吟味する味覚は もちろんのこと…
【八咫鏡】 心を躍らせる魅惑の香りを添えるには 敏感な嗅覚が必要じゃ
【八咫鏡】 湯煎、軽量、成形と… 繊細な調理作業には 触覚がものを言う
【八咫鏡】 ほれ、ホイッパーでかき混ぜよ! 時間が勝負じゃぞ!
【ムラマサ】 はい…!
【ムラマサ】 あ、あの…それなら電動が よいのでは…?
【八咫鏡】 あほーぅ! それでは修行にならんじゃろ! サボるな若者!
【ムラマサ】 はぁ…
【八咫鏡】 かき混ぜながら聞くがよい ホイッパーとボウルが当たる音… 聞えるか?
【八咫鏡】 それはおいしいチョコが できあがっていく音! 聴覚がここで生きる!
【マスター】 今のアバウトすぎない!?
【八咫鏡】 最後に… 成形したチョコを吟味するは視覚!
【八咫鏡】 以上! 五感の冴えなくして チョコはできぬと知れ!!
【八咫鏡】 お主が全身全霊で剣を振るう時と… 一体なにが違うというのだ? いや、違うはずがないのじゃー!
【ムラマサ】 …な、なるほど! そんな気がしてきました!
【マスター】 押し切られてる!!
【八咫鏡】 ひんとはここまでじゃ あとは自分で見つけよ
ムラマサは 八咫鏡の言葉を反芻して 考え込んでいる…
空気を変えたほうがいい… そう思ってマスターは 別の話題を八咫鏡に振った
【マスター】 …ところで八咫鏡は どうしてチョコが必要なの?
【八咫鏡】 たわけ! もうすぐバレンタインであろう!
【マスター】 ああ、そうか!
【八咫鏡】 しかし今年はな… 聖ユグはチョコ禁でのう
【マスター】 え、学校に持ってきちゃ ダメってこと?
【八咫鏡】 そうなのじゃ! バレンタイン中止! 由々しき事態じゃ!
【ムラマサ】 なにか…問題でもあったのですか?
【八咫鏡】 うむ…去年のことじゃ…
【八咫鏡】 生徒会長のエクスカリバー そしてその座を争った 風紀委員長のシェキナー
【八咫鏡】 ある意味、学園の人気を 二分するこの二人がな…
【マスター】 ゴクリ…
【八咫鏡】 モテたのじゃ それはそれはモテまくって 本当に持ち上げられた!!
【マスター】 えっ!?
【八咫鏡】 そして盛大に胴上げされたのち シェキナーはチョコ風呂に ぶち込まれたのじゃった!
【マスター】 聖ユグの女生徒って そういう子達だっけ!?
【八咫鏡】 日頃抑圧された 乙女心が爆発した結果じゃろう
【八咫鏡】 乙女の情念とは げに恐ろしきものなり…
【マスター】 爆発と言うか暴発だよねそれ…
【ムラマサ】 どうしてそんなひどいことを… 人気に対する嫉妬とか…?
【八咫鏡】 いや、シェキナーの 等身大チョコが ほしかっただけらしいぞ
【マスター】 もはや目的が すり替わってるよね!?
【ピサール】 いいね~ たしかに楽だね~その作り方~
【マスター】 どう考えたらそうなるの!
【八咫鏡】 兎にも角にも 風紀委員長シェキナーの大号令により 今年のバレンタインは中止になった…
【マスター】 うん、無理もない!! でもそれじゃあ チョコを作っても意味がないんじゃ…
【八咫鏡】 いや、ある むしろ今だからこそ作る!
【八咫鏡】 バレンタイン中止の網をかいくぐり… 意表をついて渡してこそ…
【八咫鏡】 サプライズというものであろう!!
【ムラマサ】 八咫鏡さんは 大のサプライズ好きなのです…
【マスター】 …ああ、はい…
【マスター】 とにかく… 八咫鏡の事情はわかったよ…
【マスター】 そう言えば… ムラマサの事情も ちゃんと聞いてなかったよね
【マスター】 どうして… 果し合いなんてすることに…?
【ムラマサ】 …はい
【ムラマサ】 八咫鏡さんが仰っていたように 拙者は手芸が得意なのです
【ムラマサ】 最近のことです… マサムネ先輩の竹刀入れが だいぶくたびれてるのに気が付き…
【ムラマサ】 新しいものを使っていただこうと… 拙者が作ったものを お渡ししたのです
【ムラマサ】 そうしたら… 大変お叱りを受けまして…
【マスター】 え… なんでそうなるの…?
【ムラマサ】 道場に引きずりだされて… それはもうこてんぱんにされました…
【ムラマサ】 「己の剣も見えぬものが ままごとなどしている暇があるのか」
【ムラマサ】 「そのような半端者は 我が剣道部にはいらぬ」
【ムラマサ】 そう、おっしゃられて…
【マスター】 ちょっと… 厳しすぎるんじゃないかなぁ…
【ムラマサ】 いえ、厳しく指導していただけるのは 非常にありがたいことです
【ムラマサ】 ただ拙者も目標があります 剣道部を去るわけにはいかないと 必死に頭を下げました
【ムラマサ】 その結果… 最後のチャンスをいただいたのです
【八咫鏡】 それが果たし合いというわけじゃな
【ピサール】 なんかめんどくさ~ 熱すぎじゃない?
【八咫鏡】 武の道とはそういうもの 常人には解せぬ理がある
【マスター】 その…竹刀入れって 見せてもらえたりする?
【ムラマサ】 はい! …諦めきれず 持ち歩いておりまして…
ムラマサから受け取った マサムネへの竹刀入れ
達筆で縫い上げられた 「マサムネ」の文字
そして見事に描かれた 竜虎の刺繍…
それは一級の工芸品と 比べても遜色はなかった
【マスター】 こんな素晴らしいものを… ままごとなんて…
【マスター】 …ムラマサ?
ムラマサの体からは 控えめだがとめどなく 黒い霧が溢れ出していた…
【ムラマサ】 私なりに… 姉上のことを… 考えたつもりだったのですが…
【ムラマサ】 姉上…私は… なにがいけなかったのでしょうか…
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