6008011 限定クエスト ファンキル学園(学園編)(ファントムオブスクール) ファンキル学園3月ストーリークエスト ストーリークエスト「竜とホワイトデー」 1 - 第1話「高嶺の『ダー様』」 3月学園ストーリー1話 学園3月 第1話-1
【ダーインスレイヴ】 用件は理解した… レディの頼みとあっては 断るわけにはいかないな
【マサムネ】 頼まれてくれるか…! 恩に着るぞ! ダーインスレイヴ殿
【マサムネ】 早速だが 拙者はなにからすべきだろうか!
【ダーインスレイヴ】 …ではまず
【ダーインスレイヴ】 その竹刀と木刀は しばらく道場以外では 使わないでいてもらおうかな
【マサムネ】 な…!!
【ダーインスレイヴ】 ただ持ち歩く分には構わない …おぬしの魂、と言うべきもの なのだろう?
【マサムネ】 それは…ご配慮痛み入る とはいえ、使ってはならぬとは… なんとも…
【ダーインスレイヴ】 …やめておくか?
【マサムネ】 いや! 一度覚悟を決めた以上は 最後までやり通してみせる!
【ダーインスレイヴ】 そうか なら、刀の使用を禁じる代わりと いうわけでもないが…
【ダーインスレイヴ】 おぬしには… これを授けよう 必ず、使うように…な?
【マサムネ】 なん…だと…!?
【マサムネ】 ダーインスレイヴ殿… 正気か…?
【マサムネ】 拙者に…拙者に!!
【マサムネ】 石鹸しゃんぷーではなく しゃんぷーととりーとめんとを 使えというのか!?
放課後のラグナロク女学園 調理室――
【ムラマサ】 ほら、どんどん型に流し込まないと 固まってしまいますよ、主君!
【マスター】 わ、わかってるんだけど…
マスターは連日 ムラマサの指導のもと お菓子作りに励んでいた
約一ヶ月前のバレンタインデー 数台のトラックが出動するほどの チョコの山に埋められたマスターは
数日後に迫る ホワイトデーのお返しを せっせと用意しているのだった
【ムラマサ】 始めは試行あるのみ! 必ず慣れて上手になります! 明日も頑張りましょう!
【マスター】 はい…ムラマサ先生…
バレンタインデーで 姉のマサムネとすっかり仲直りした ムラマサにいつもの笑顔が戻っていた
そのせいもあってか ムラマサのお菓子作り教室の帰りは 自然とマサムネの話に華が咲く
【マスター】 …マサムネの様子が、おかしい?
【ムラマサ】 そうなのです 最近のお姉様は こう…少し妙なのです!
【ムラマサ】 よく…台所でコソコソしています
【ムラマサ】 買い食い、つまみ食い… そのようなことは一切しないお方 台所に用などないはず!
【ムラマサ】 なにやら表紙が賑やかな 女性向け雑誌も読んでいるようです… でも拙者がいると隠すのです!
【マスター】 マサムネって 普段はなに読んでるの?
【ムラマサ】 主に兵法書を
【マスター】 マサムネらしいといえばらしいか…
【ムラマサ】 …匂いも変わりました
【マスター】 …!!
【ムラマサ】 いつも芳しい石鹸の匂いを 漂わせていたお姉様から…
【ムラマサ】 フローラルな香りが…!
【ムラマサ】 そして…拙者は見てしまったのです 覗くつもりではなかったのですが…
【マスター】 な、なにを見ちゃったの…?
【ムラマサ】 姉上の部屋のカレンダーの… 「14」に丸がしてあったのです!!
【マスター】 「14」ってことは ホワイトデーだよね?
【マスター】 つまり…マサムネは、 誰かからホワイトデーのお返しを 待っているかもしれないってこと…?
【ムラマサ】 恐らくは… それが一体、誰なのか 拙者には気がかりでならず…
【ムラマサ】 …っと、申し訳ありません! 調理室にエプロンを 置いてきてしまったようです
取りに戻るというムラマサに マスターは一緒に行こうかと尋ねるが その必要はない、と丁重に断られる
マスターはムラマサと別れ、 そのまま帰ることにした
…と、校舎の出入り口へと向かう 廊下にて、放課後には妙なほどに 女生徒達が集まっていた
【女生徒A】 キャー!ダー様!!
【女生徒B】 ダー様、こっち向いて!!
【????】 …これでいいかい?
【女生徒B】 はああああああああ! し、幸せ…
【女生徒C】 ダー様! 昨日はご相談にのっていただき ありがとうございました!
【女生徒C】 ダー様のお言葉に従って行動したら、 なにもかもうまくいきました!
【女生徒C】 これもすべてダー様のおかげです!
【????】 おっと、それは違うよ わたしはただ、おぬしの背中を そっと押しただけだ
【????】 でも、そう言ってもらえて、 わたしも嬉しいよ こちらこそありがとう
【女生徒達】 きゃああああああ!! ダー様!!!
かしましく喜びの声を上げる 女生徒達の中心に、どうやら 「ダー様」なる人物がいるようだ
この様子を見るに、 アイドル並に人気を集める イケメンなのだろう…
そんなことを思いつつ、 マスターは廊下を占める集団の脇を そそくさと抜ける
【マスター】 …あれ? 男子生徒って 僕だけじゃなかったか…?
そんなことを思った時、マスターは 集団のすぐ外に、思いつめた目をした 女生徒がいることに気づいた
【思いつめた女生徒】 ダー様の声… ダー様の視線… ダー様の御姿…
【思いつめた女生徒】 やっぱりダメ… ひとりじめできないなんて 耐えられない…
体にまとわりつく黒い霧を どんどん濃くして行く少女の姿に、 マスターは意を決して近寄った
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