6008021 限定クエスト ファンキル学園(学園編)(ファントムオブスクール) ファンキル学園3月ストーリークエスト ストーリークエスト「竜とホワイトデー」 2 - 第2話「武の頂は乙女心？」 3月学園ストーリー2話 学園3月 第2話-1
翌日――
昼休みに待ち合わせをした ムラマサとマスターは 中庭の植え込みの中にいた
マサムネに関して 気になることがある、と…
そう主張するムラマサに 半ば強引に付き合わされ 隠れて様子をうかがっているのだ
【マスター】 …誰かを待ってるのかな？
二人の視線の先で、 マサムネは重箱を抱えながら 中庭のベンチに座っている
【ムラマサ】
ええ、間違いなく
【ムラマサ】
…見えますか？
お姉様の膝上の重箱…
【ムラマサ】
明らかに二段…
お姉様は日頃節制をしております
あれを一人で食べるわけがない
【ムラマサ】
恐らくは…その相手こそ
お姉様がホワイトデーにお返しを
しようと考えている方ではないかと！
【マスター】 …でも、ホワイトデーのお返しって 男がするもんだよね 若干違和感があるんだけど
【ムラマサ】
些末なことは、
相手がわかれば
すべてはっきりするはずです
【ムラマサ】
ほら…来ました！！
【マスター】 あ…あの人は…「ダー様」！？
【ダー様】 やぁ、マサムネ …待たせてしまったか？
【マサムネ】
否、１５分前集合が
拙者の流儀というだけだ
そなたの落ち度ではござらん
【ダー様】 その相手を立てる気遣い… 奥ゆかしさもあり、素晴らしい
【ダー様】 後は… 乙女らしい振る舞いが できているかどうか、だけども…
ダー様が、 マサムネの美しい黒髪を そっと手に取る…
【ダー様】 わたしがプレゼントした シャンプーとトリートメントも きちんと使っているようだね
【ダー様】 いい香りだよ、レディ 春に咲く花、そのものだ…
【マサムネ】
そんなに香っているのか！？
む、ムラマサに気づかれて
いないだろうか…
【ダー様】 いいのだ、気づいてもらって… 今のおぬしは乙女なのだから 素直に喜べばいい
【マサムネ】
そ、そうは言うが…
ムラマサがどう思っているか
とても気になってしまってだな…
これでもかというほど マサムネの顔が真っ赤になる…！
【ダー様】 そうだ、レディ…今の気持ちを 大切にするんだ
【ダー様】 恥じらい… それこそ乙女心の本質だ
【マサムネ】
うぅぅぅぅ…
こんなことで…本当に拙者は
乙女心を学べているのか…？
【ダー様】 ふふっ、今は、わたしを 信じてもらうしかないな
【ダー様】 …さて、では、 次のレクチャーと行こうか そうだな…
【ダー様】 おぬしの口調だ… もっと全体的に柔らかく… そして語尾はナ行を意識するんだ
【マサムネ】
乙女心を学べているのか…な？
【マサムネ】
ムラマサには…
秘密にしておきたかった…のに
【ダー様】 …うん、よいな
【マサムネ】
と、とりあえず
お弁当を食べよ…ぬ
【ダー様】 失礼、ヌ、は使わない方向で…
【マスター】 マサムネが…なんだか… すごく女の子っぽい！ ねぇムラマ…ムラマサ！？
【ムラマサ】
はぁぁぁぁぁぁぁ！！
なにそれおねえちゃん！！
うちでもやってぇぇぇぇ！！
ムラマサは顔面を両手でおおい 悶絶しながら転がっている…！！
そうこうしているうちに… 二段の重箱が開かれて マサムネ達は昼食を始めた
【ダー様】 ではレディ、あれを… やってもらおうか
マサムネは…恥ずかしそうに うなづくと、卵焼きをきれいに 箸でつまみ、そして…
【マサムネ】
…あーーーん
【ムラマサ】
たのもぉぉぉぉぉぉう！！！！
マスターが止める間もなく 普段の１０倍くらい声を張って ムラマサが植え込みから飛び出す！
仕方なく、マスターも その後を追った…
【マサムネ】
む、ムラマサ！？
それにマスター
どうしてこんなところに！！
【ムラマサ】
あなたは…
ダーインスレイヴ殿と
お見受けしますがっ！
【ダーインスレイヴ】
その通り
わたしはダーインスレイヴ…
全ての女性を愛する者だ
だから「ダー様」なのか、と マスターは小さく頷く
【ムラマサ】
お伺いしたいことが！
少々！！
【ムラマサ】
ダーインスレイヴ殿と姉上は
ご学友、のようですが…
【ムラマサ】
これは一体どういうことでしょうか！
先ほどの「あーーーん」は
単なる学友の域を超えております！！
【マサムネ】
む、ムラマサ！
拙者から説明する…ね？
彼女は…
【ダーインスレイヴ】
…待ちたまえ、レディ
彼女が質問しているのは
わたしに、だ
【ダーインスレイヴ】
紳士としては、乙女の疑問に
自らの声で答えなくてはね
…失礼というものだろう？
【ダーインスレイヴ】
いかにも、レディ・マサムネとは
共に学び切磋琢磨し合う友だ
今は乙女学の臨時教師でもある
【ダーインスレイヴ】
ふふっ…
しかしながら…
最近はもう少し親密でね？
【ムラマサ】
親…密！
【ダーインスレイヴ】
こんなふうに昼休みに
人目を忍んで逢引し…
【ムラマサ】
逢引！？
【ダーインスレイヴ】
レディ手作りのランチを
頬張りながら逢瀬を重ね…
【ムラマサ】
手作り…？
逢瀬！？
【ムラマサ】
姉上…
そのお重は母上に発注したのでは
なかったのですか！？
【マサムネ】
最近練習している…の
【マサムネ】
ではなくて！！
待つのだ…ムラマサ違うのだ！！
【ダーインスレイヴ】
なにが違うのだ、レディ…
【ダーインスレイヴ】
さあ、続きをしよう
その甘くとろける卵焼きを
わたしの口に運んでくれるかい…？
【ムラマサ】
はわぁぁぁぁぁぁああああ！！！！
【マスター】 む、ムラマサ！？
【ムラマサ】
あ、あねうえ…
あねうえがのぞむのならば…
【ムラマサ】
この、むらまさ…
おとめはいたしません…
ムラマサは蒸気機関車のように 煙を上げ真っ赤になり 卒倒した…
【マスター】 ムラマサーーー！！
【マスター】 無理もない…ショックだよね…
【マスター】 でも気絶してくれたお陰で… 異族化は免れたか…
【ダーインスレイヴ】
おや…少し冗談が過ぎたようだ
これは悪いことをしてしまった…
【マサムネ】
まったくだ！…ね
ムラマサになんということを
してくれた…んですの
【？？？？】 ああ、ホントなに言ってやがる…
【ダーインスレイヴ】
ん、おぬしは…
むぅ、困ったな
【ダーインスレイヴ】
しばらくの間は
温かく見守っていてほしいと
先日、頼んだつもりだったんだが…
【？？？？】 だまれ紳士かぶれ！
【？？？？】 実はすげぇ特訓でもしてんのかと 思ったら、マサムネの野郎を なよっちくしてしまいやがって…
【方天画戟】
マサムネの野郎は
この方天画戟サマのライバルなんだよ
妙ちくりんなことにされてたまるか！
【ダーインスレイヴ】
…待ってくれ
マサムネ君は
おぬしと同じくレディなのだ
【ダーインスレイヴ】
なら「マサムネの野郎」ではなく
「マサムネの乙女」と
呼ぶべきではないか？
【方天画戟】
うるせぇ！
そんな話をしてるんじゃねぇ！
【方天画戟】
のらりくらりと
ふざけたことばっかり言いやがって！
【マスター】 あの子…黒い霧をまとってる！？
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