6008061 限定クエスト ファンキル学園(学園編)(ファントムオブスクール) ファンキル学園3月ストーリークエスト ストーリークエスト「竜とホワイトデー」 6 - 第6話「開戦、ホワイトデー」 3月学園ストーリー6話 学園3月 第6話-1
そうこうしているうちに… ホワイトデー当日が やってきてしまった
マスターとムラマサは マサムネに呼び出されていた
ムラマサに教えを請い、 手伝ってもらってなんとか用意した お返しを配っていたため、
マスターは、約束の中庭に 少し遅れて到着することとなった すでにムラマサが待っている
【ムラマサ】 お疲れ様です、主君 お返しは配り終えたのですか…?
【マスター】 だいたい…ね…
【マスター】 朝の校門に始まって、 一日授業免除で ひたすら配ったからね…
【マスター】 はいこれ、ムラマサの分… 先月はありがとう
【ムラマサ】 ははは… あ、ありがたく 自宅で食べさせていただきますね…
【ダーインスレイヴ】 …やぁ、マスター、ムラマサ
【ムラマサ】 ダーインスレイヴ殿!! やはりいらしていましたか…!!
【ムラマサ】 姉上のホワイトデーのお返しのために ご尽力いただいていたとのこと… 主君を介して伺いました
【ムラマサ】 誠にありがとうございました!…が! 姉上が学んだ「女心」の陰には! このムラマサもいたとお忘れなく!
【マスター】 ムラマサが対抗心を露わに…!
【マサムネ】 …皆、待たせてすまない
【マサムネ】 ダーインスレイヴ殿… 本日までご指導ご鞭撻いただいたこと 心より感謝申し上げる…
【ダーインスレイヴ】 レディ… 感謝の気持ちには素直に感謝しよう だが、まだ早い
【ダーインスレイヴ】 なぜか、わかるかな?
【マサムネ】 プレゼントは万全のものを 用意できたと…自負しております
【マサムネ】 とすると… どう渡すか、でしょうか?
【ダーインスレイヴ】 その通り! 相手にお返しを手渡すまでが… ホワイトデー!だ!
【ダーインスレイヴ】 さあ、 最高のフィナーレを迎えるために… 最後の仕上げといこう
【ダーインスレイヴ】 その前に…そうだな、 まずはマスターに質問といこう
【ダーインスレイヴ】 おぬしはホワイトデーを 男性からのお返しの日…と 思っていないか?
【マスター】 基本的にはそれで合っているように 思うけど… 違うのか?
【ダーインスレイヴ】 一般的にはそうかもしれないね だが、それは事実の 一つの側面しか捉えていない
【ダーインスレイヴ】 なぜなら、バレンタインデーが 女性から男性に思いを告げる日… だけとは言い切れないからだ
【ダーインスレイヴ】 まず、義理チョコという文化がある これには、 強い思いは伴ってはいないね
【ダーインスレイヴ】 その他、日頃の感謝、敬愛、家族愛… 送る相手も、女性から男性へ… と限ったことではあるまい
【ダーインスレイヴ】 様々な理由で 女性が女性に送ることもあるんだ
【マスター】 なるほど… ということは、そのお返しのための ホワイトデーも同様となるわけだ
【ダーインスレイヴ】 その通り… そして、ここからが いちばん大切なことだ
【ダーインスレイヴ】 マサムネは…彼女は何者だ?
【ダーインスレイヴ】 そう、紛れもないレディ… 乙女なのだよ
【ダーインスレイヴ】 ならば乙女として 乙女らしい言葉と共に 贈り物を手渡すのが道理だろう!
【マサムネ】 …乙女らしい言葉…!?
【ムラマサ】 わかります…! 確かに、言葉にしなくても伝わる 思いもあります
【ムラマサ】 でも、女の子は それをあえて 言葉にしてほしいんです!
【ダーインスレイヴ】 そう…「言葉」こそ…
【ダーインスレイヴ】 最高のプレゼントを 至高のプレゼントに押し上げる 最後のファクター!
【マサムネ】 言葉…! だが、拙者にそれを 口にすることができるだろうか…?
【ダーインスレイヴ】 そのために、今日、この日まで 乙女心を学んできたのだ 後は、もう一押し…
【ムラマサ】 はい!お姉ちゃんが お姉ちゃん自身の魅力に気づけば!
【ダーインスレイヴ】 …さすがだね、妹君 なら、どうすればレディの背を 一押しできるかも…わかるだろう?
【ムラマサ】 お姉ちゃんの中の 「自然な乙女らしさ」を 解放すればたやすいことです
【ダーインスレイヴ】 よろしい では、任せよう
【ムラマサ】 はい!…まずは姉上、いえお姉様 もとい、お姉ちゃん! 今から「拙者」は禁止です
【マサムネ】 む…ま、まあ、それならば ダーインスレイヴ殿との 修行で充分に慣れているからな
【ムラマサ】 言っておきますが、 ダーインスレイヴ殿は優しい御方です かなり甘かったと言わざるをえません
【ムラマサ】 しかしこのムラマサ、 お姉ちゃんのため、 あえて鬼となります!
【ムラマサ】 容赦するつもりはありませんので そのおつもりで…
【ムラマサ】 今一歩、素直になりきれない お姉ちゃんの心の扉を開くために!
【マサムネ】 せっ…
【マサムネ】 私は! いつでも素直だ!
【マスター】 言い直した!!
【ムラマサ】 それとお姉ちゃん、 今から語尾については ナ行以外、使わないで下さい
【ムラマサ】 硬い表現や言い回しも禁止します …お姉ちゃんの、 堅き言葉を柔らかく!
【マスター】 標語みたいになってる!?
【マサムネ】 横暴!…ではなくて
【マサムネ】 ひどいよ!
【マスター】 素直!
【ダーインスレイヴ】 …そうだな 妹君、語尾にはナ行だけでなく、 「よ」も許可すべきではないか?
【ムラマサ】 かわいいですからね! いいと思います!
【ムラマサ】 それでは、改めて プレゼントの時の言葉を 考えてみましょう
【ムラマサ】 お姉ちゃんならきっと、 こんなふうに言ったと思います
【ムラマサ】 「日頃の感謝の印だ どうか受け取ってほしい」
【マスター】 さすがはムラマサ、 マサムネを完璧に把握してるよ
【マサムネ】 で、では! 一体、どんなふうに言ったら… いいの?
【マスター】 マサムネの真面目さが いじらしくなってきたよ…!
【ムラマサ】 お姉ちゃん、任せて お手本を見せてあげます
そうして軽く咳払いをすると ムラマサは小芝居を始めた
【ムラマサ】 あの…チョコ、ありがとう… 大事に食べたよ!
【ムラマサ】 これ…お、お返し! 上手に作れたかわからないけど…
【ムラマサ】 気持ちは! たくさん込めたから!
【ムラマサ】 ほんとに…いつもありがとう…
【ムラマサ】 ここで上目遣いです これを欠くと竜頭蛇尾です!
【ダーインスレイヴ】 見事だ… こんなところに 乙女学の天才がいたとはね…
【マスター】 なんだろう、これ…
【マサムネ】 なるほど…よし!
【マスター】 え、やるの!?
【マサムネ】 で、でも練習はしないよ… 恥ずかしいから… ぶっつけ本番ね…!
【ムラマサ】 さすがですお姉ちゃん… そのひたむきさ、健気さ… 恥じらいを押し殺す強さ…
【ムラマサ】 お姉ちゃんが本気を出せば どんな相手だってイチコロです
【ダーインスレイヴ】 どうやら、 全ての準備が整ったようだね
【ダーインスレイヴ】 では、見せてもらうとしようか …最高のラストシーンを!
【マサムネ】 …あっ、その前に…
【方天画戟】 …ちょーーーと まったぁぁぁーーー!!
突然、中庭に響き渡る声…!
仁王立ちで「待て」と全身で主張する 方天画戟がこちらを睨んでいた…!
【方天画戟】 ダーインスレイヴ… 悪いがてめぇの 思い通りにはさせねーぜ
【方天画戟】 なぜなら…
【方天画戟】 マサムネは!! オレの女にするからだ!!
【ムラマサ】 …えっ?
【マスター】 ……はっ?
【マサムネ】 …へぇぇぇぇええええ!?
【方天画戟】 オレはな、気づいたんだよ… どうしてこんなにマサムネに こだわってるのか
【方天画戟】 答えは簡単なことだったのさ… オレ達は…惹かれ合ってたんだ!
【マサムネ】 な、なにを言いだすの!?
【方天画戟】 この前、お前はオレを見つめて 言っただろ?
【方天画戟】 「もうあなたとは戦えない こんな弱い私を守ってほしい」
【マサムネ】 言ってなーーーーい!!
【マサムネ】 …よ!!!
【方天画戟】 照れんなよ…目で言ってたぜ…
【方天画戟】 お前のこと、宿敵だとしか 思ってなかったけどよ…
【方天画戟】 へっ… 女だったんだな…
【マスター】 僕以外、みんなそうだよ…
【方天画戟】 …というわけで、だ ダーインスレイヴ
【方天画戟】 てめえにマサムネは渡さねー
【方天画戟】 …「宿敵」のマサムネは奪われたかも しれないが、「女」までとられて たまるもんかよ!!
【ダーインスレイヴ】 …困ったね いろいろ勘違いがあるようだけど、 話を聞いてくれそうにない様子だな
そう言って、ダーインスレイヴは ちらりとマスターに目を向ける
【マスター】 …見えてはいないけど、 雰囲気がおかしいというのは 感じ取っているんだろうな…
マスターの目には、 方天画戟の体から吹き出す 黒い霧が、はっきりと写っていた…
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