Phantom of the Kill

Story scripts of Phantom of the Kill (ファントム オブ キル)

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60232201 木之本 桜 さくらとみんなのお楽しみ会

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courtyard_evening.png

生徒たちが下校し始め、 閑散となった校舎

【さくら】 …ほえ~

中庭のベンチに腰掛け、 さくらが一人溜め息をついている

いや、正確には 一人ではなく…

【ケロちゃん】 おい! どないしたんや、 さくら!?

【さくら】 ケロちゃん

ぬいぐるみのような『封印の獣』、 ケルベロスこと ケロちゃんと一緒にいた

【ケロちゃん】 溜め息なんかついて… 元気ないんとちゃうか?

【さくら】 そんなことないよ

【ケロちゃん】 まぁ、 元気がなくなるんも わかるけどな

【さくら】 えぇ?

【ケロちゃん】 元々おった世界と 別次元の世界とを行き来する 生活やからな

【ケロちゃん】 そら、気疲れも あるっちゅうもんや

【さくら】 …うん 確かにちょっと… 疲れたかも

【さくら】 うぅん! でもダメダメ! 元気出さなきゃ!

首を振り奮起するさくら …と、そこに

『ここにいたんだ』

【さくら】 あ、マスターさん!

【ケロちゃん】 よぉ、[ユーザー名]

ここでなにしてたの? マスターが、さくらに尋ねる

【さくら】 別になにってこともないけど… ちょっとボ~ッと

慣れない世界で 戸惑いや不安が あるんじゃない?

【さくら】 …うぅん、 そんなことないよ

【ケロちゃん】 さっきは ある言うとったや ないかい!

【さくら】 もう!ケロちゃん! シーッ!

ははは、 気を遣ってくれてるんだね?

【さくら】 だって、 みんなに心配かけたくないし…

そう言うさくらに マスターが尋ねる

ねぇ、さくらちゃん 元気がない時に あったら嬉しいものってなに?

【さくら】 え?あったら嬉しいもの? それは…

【ケロちゃん】 甘いもんや、甘いもん! お菓子とかケーキに 決まっとるやないか!

【さくら】 なんでケロちゃんが答えんのよ!

【ケロちゃん】 ほな違うんか?

【さくら】 うぅ…当たってるけど

【ケロちゃん】 やろ!?正直にならんかい!

そっか、ケーキか

【さくら】 うん!ホットケーキ!

【さくら】 あ、でも作るんじゃなくて 食べるならレアチーズケーキかな~

【さくら】 しっとりして甘いやつ!

【さくら】 千春ちゃんってお友達がいてね その女の子に作り方を教えてもらった レアチーズケーキが絶品だったんだよ

【ケロちゃん】 あれはおいしかったな

【ケロちゃん】 あんなおいしいもん食べられれば 確かに元気もでそうや

【さくら】 あぁ~、話してたら 食べたくなってきちゃった

【ケロちゃん】 ほんまやな~ よだれが出てまうわ~

だったらさ…今度用意しておくよ レアチーズケーキ!

だから、 その友達に教えてもらった 作り方を教えてよ

【さくら】 えぇ!本当に!?

うん! だから楽しみにしててね 今度のお楽しみ会!

とマスターが宣言する

【さくら】 え、お楽しみ会ってなに!?

実はこの世界に来たさくらちゃんの 歓迎会を兼ねて、みんなで楽しめる会 を開こうって思ってるんだ!

【さくら】 お楽しみ会かぁ…

【さくら】 わたし…楽しいこと大好き!

【さくら】 ありがとう、マスターさん!

【ケロちゃん】 ほんま楽しみや わいもおめかしして 行かな、な!

【さくら】 え、ケロちゃんは みんなにバレちゃダメだから お留守番だよ

【ケロちゃん】 んな、せっしょうな!?

【さくら】 冗談だよ、もう… でも、ぬいぐるみの真似をして わたしから離れないようにね

【ケロちゃん】 よっしゃー!

彼女に笑顔が戻り、 ホッと一安心の マスターだった

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