66610012 Unit666 ブラックマサムネ
【マサムネ】 も、申し訳ありませぬ、主君 急な呼び出しであったとはいえ お待たせしてしまいました…
マスターは線香花火を出し、 マサムネに差し出す
【マサムネ】 今宵はこの花火を肴に語らいを…? さすがは主君 粋なご提案です
【マサムネ】 このマサムネ、ぜひとも ご一緒させてください
火をつけた線香花火は 火球の蕾ができ、 パチパチと火花を散らし始める
【マサムネ】 ほお… これは優美
【マサムネ】 風に吹かれただけでも 落ちてしまいそうなほど 小さくて優しい光…
【マサムネ】 まるで主君が守り続けている 平和、そのもののようですね
【マサムネ】 主君が守り続けている平和も きっと簡単に消えてしまうくらい 儚いものでしょうから…
【マサムネ】 …………
【マサムネ】 …拙者は主君の刃 主君の目指すものの為に 付き従うことが拙者の使命
【マサムネ】 拙者はその使命を果たすべく 精進してきたつもりなのですが、 当の主君は危ない橋を渡ってばかり
【マサムネ】 正直、 肝を冷やすことが多々ありました
【マサムネ】 …これほど守り甲斐のある主君は 他にいないでしょうね
【マサムネ】 …あっ!
【マサムネ】 ああっ、申し訳ございませぬ! 雰囲気にあてられ無礼なことを――
【マサムネ】 …い、今はそれでよいと? 腹の内を明かして話す時間だ、と
【マサムネ】 …ふふ、主君はお優しい そうしていつも迂闊な拙者に 温かい言葉をかけてくださる
【マサムネ】 その心に、拙者は 何度も救われてきました…
線香花火の火は 激しく火花を散らし 文字通り、火の花を咲かせる
【マサムネ】 以前「海に行く」と聞いたとき 拙者はてっきり漁だと思い そのように準備をしてしまいました
【マサムネ】 しかし海で遊んでいるみなを 見ている内に拙者の気持ちも 揺らいでいき…
【マサムネ】 みなと遊びたいと 思いながらも意地を張ってしまい 声をかけられませんでした
【マサムネ】 そんなときも 主君の優しい言葉に 救われたのです
【マサムネ】 おかげで… 楽しい一夏を過ごせました
線香花火の火花が丸みを帯び 静かで淡い光に変わる
【マサムネ】 海には楽しい思い出が たくさんあります
【マサムネ】 覚えてますか 主君と共に水族館を 見に行ったときのこと
【マサムネ】 主君のために戦う刀であろうと 思っていた拙者に、
【マサムネ】 主君はひとりの女の子として 楽しんでいいと教えてくれました
【マサムネ】 戸惑いはありました どうすればよいか 右も左もわかりませんでしたから
【マサムネ】 …しかし、今こうして思い返せば どうしたかったのか、は 拙者の内にあったのだとわかります
【マサムネ】 主君の刃としてだけではなく 拙者がどうしたいか
【マサムネ】 きっと、本当はわかっていた… わかっていたのです、主君…
線香花火の火花が消え、 火球だけが残る
マスターは意を決して マサムネを見つめた
【マサムネ】 主君…
マサムネ…
選択肢:
- 僕と誓約を結んでほしい → select_label_01へ
マサムネ…
select_label_01:
【マサムネ】 …っ! 主君、その答えは とうに決まっておりまする
select_label_end:
【マサムネ】 このマサムネ、 不束者ではありますが 何卒、よろしくお願いいたします
マサムネはそう言うと 嬉しそうに顔を赤く染めながら、 少し泣きそうな表情で微笑んだ
【マサムネ】 誓いを立てます 主君
【マサムネ】 これから先、 どんな困難も 幸せなときでも
【マサムネ】 刀としてだけでなく 主君と共にあります…
【マサムネ】 主君への想いを胸に これからもずっと…
【マサムネ】 命ある限り 主君に真心を 尽くすことを誓います
それを聞いたマスターは頷き、 僕も誓うよ と宣言する
同時に、線香花火の 火球が地面へと落ちる
地面に落ちた火球から 光が広がり、
マスターと マサムネを包んだ
【マサムネ】 ああ、この胸に 確かに主君の想いが…
【マサムネ】 主君のバイブスと 拙者のキラーズが深く 繋がっていくのを感じます
【マサムネ】 はっ、誓約を結んだということは 呼び名も主君から変えたほうが…
いつも通りでいいよ と笑うマスター
【マサムネ】 む、むぅ… それでは主君、といつものように
【マサムネ】 主君、これからも末永く このマサムネをお願いいたします
こうしてマスターと マサムネの誓約は 結ばれたのだった
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