66610071 Unit666 アロンダイト
【アロンダイト】 アロンダイト、只今参りました お待たせしてしまったでしょうか?
大丈夫だよ、と答えるマスター 線香花火を出し、 アロンダイトに差し出す
【アロンダイト】 あの、これは…? お話があると仰っていたので てっきり任務に関することかと…
【アロンダイト】 …いえ、マスターのことですから この花火にはきっと重要な意味が 込められているのでしょう
【アロンダイト】 無駄な遊びとは思えません… お供させていただきます
火をつけた線香花火は 火球の蕾ができ、 パチパチと火花を散らし始める
【アロンダイト】 わぁっ…綺麗… 線香花火は、打ち上げ花火と 異なる趣きがあるのですね
【アロンダイト】 でも、火の弾け方はどこか… 剣同士がぶつかった瞬間に出る 火花に似ています
【アロンダイト】 すみません… 情緒が足りなかったでしょうか
【アロンダイト】 つい、マスターに初めて お目にかかった日のことを 思い出してしまいました
【アロンダイト】 初のご用命だったというのに まさか、敵の剣を押し返すのに 必死な姿を晒してしまうとは…
【アロンダイト】 敗北することはありませんでしたが 自分の至らなさに すごく落ち込みました
【アロンダイト】 ですが…マスターは 私の情けない戦いぶりを 咎めるどころか、労わってくれました
【アロンダイト】 次の任務には呼ばれないかもしれない… そう思っていた私を 心から歓迎してくれたのです
線香花火の火は 激しく火花を散らし 文字通り、火の花を咲かせる
【アロンダイト】 私はかけがえのないマスターに、 二度とふがいない姿は見せないと 強く決意いたしました
【アロンダイト】 出会った日から更なる修業を積み、 高みを目指していますが… やはり、まだまだ私は未熟者です
【アロンダイト】 修業が足りていないと申しても、 マスターは遊びに誘ってきたり、 戦場での私の力を過信していたり…
【アロンダイト】 戸惑うこともありましたが… マスターからの信頼を 過信と捉えるのはやめました
【アロンダイト】 数々の戦いを経て感じたのです… 私のマスターは、力量だけで味方を 動かしているわけではないのだと
【アロンダイト】 ふふっ…マスターと共に 川で水遊びをしたこともありましたね
【アロンダイト】 私が捕まえた大きな魚を みんなで食べたのもよい思い出… 昔の私では考えられませんでした
【アロンダイト】 修業や任務以外の時間は無駄… そんな、私の凝り固まった考えを 変えてくれたのはマスターです
【アロンダイト】 今では、心のゆとりや人とのふれあい 時には肩の力を抜くことの大切さを、 私なりに理解しているつもりです
【アロンダイト】 そして…深く愛する人がいたとして 剣が鈍るわけではない、ということも
【アロンダイト】 恋する心から生まれるのは、 不義や裏切りだけじゃない …そう、考えるようにもなりました
【アロンダイト】 己の変化に困惑する日が続く中で マスターからデートのお誘いがあり、 胸の内を悟られたのかと驚きました…
線香花火の火花が丸みを帯び 静かで淡い光に変わる
【アロンダイト】 み、水着で温かい湖に入るのは 想定外でしたがっ…!
【アロンダイト】 今思えばあれも、 休息をとるのが下手な私に対する マスターのお気遣いだったのですね
【アロンダイト】 古城へ足を運んだときも… マスターは、感傷に浸る私に 寄り添ってくださいましたね
【アロンダイト】 あの日、お伝えした マスターへの誓いは今も変わらず… いいえ、より強いものとなりました
線香花火の火花が消え、 火球だけが残る
マスターは意を決して アロンダイトを見つめた
【アロンダイト】 ええと、マスター…? あのっ…私の誓いを改めて…
アロンダイト…
選択肢:
- 僕と誓約を結んでほしい → select_label_01へ
アロンダイト…
select_label_01:
【アロンダイト】 っ……!!
select_label_end:
【アロンダイト】 ほ、本当ですか? マスター…っ
【アロンダイト】 いけない…… 不義という魔物への恐れよりも、 喜びで胸が押し潰されそうです…
アロンダイトは 胸元を押さえながらそう言うと マスターをまっすぐ見据えた
【アロンダイト】 マスターとの身に余るご誓約… このアロンダイト、 謹んでお受けいたします
【アロンダイト】 いつ、いかなる時も、 忠義と騎士道を貫くこと そして…
【アロンダイト】 マスターが認めてくださった 相手として、誰にも恥じない 正しい行いをすることを誓います
【アロンダイト】 私達には、 一切の不義や裏切りを 近づけさせません
それを聞いたマスターは頷き、 僕も誓うよ と宣言する
同時に、線香花火の 火球が地面へと落ちる
【アロンダイト】 っ…!
地面に落ちた火球から 光りが広がり、
マスターと アロンダイトを包んだ
【アロンダイト】 あぁ、夢のような時間でした… 私の勝手な誓いを 受けてくださるだけで光栄なはずが…
【アロンダイト】 マスター、私は誓います あなたの剣となって隣で 支え続けることを
こうしてマスターと アロンダイトの誓約は 結ばれたのだった
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