66620121 Unit666 スラーンド
【スラーンド】 ごきげんよう、マスター
【スラーンド】 うふふ 夜のビーチに呼び出すなんて 粋なことしてくれるじゃない~
マスターは線香花火を出し、 スラーンドに差し出す
【スラーンド】 あら、花火? …って、線香花火なんて しんみりしたの持ってきたわね
【スラーンド】 どうせなら、 パーっと噴き出すやつが よかったけど…
【スラーンド】 ま、マスターがせっかく 用意してくれたんだものね 付き合うわよ
火をつけた線香花火は 火球の蕾ができ、 パチパチと火花を散らし始める
【スラーンド】 あら、思ったより明るく光るわね 綺麗だわ
【スラーンド】 こんなにか細くて 吹けば飛びそうなのに…
そう言ってマスターを 見つめるスラーンド
そんな彼女に なに考えてるの?と マスターはたずねる
【スラーンド】 …まるでマスターみたい って思ってたの
【スラーンド】 どういうところが、って… パッと見た感じ地味~なのに 意外と明るいところよ
【スラーンド】 ふふ、初めて会った時のことを 思い出すわね
【スラーンド】 最初、マスターの顔を見た時 なんてみすぼらしいのかと がっかりしたわ
【スラーンド】 あたしがド派手にやったら あまりの落差に恥ずかしくなって 死んじゃうかもって思ったわ
【スラーンド】 ま、もちろん気にせず、あたしは あたしらしく振舞ってたわけだけど
【スラーンド】 マスターは全く物怖じせずに あたしと接してくれたわ
【スラーンド】 あたしの派手さが 足りてないからなのかと 怖くなった時もあったけど
【スラーンド】 マスターはただまっすぐ あたしのことを見てくれていた だけだったのよね
線香花火の火は 激しく火花を散らし 文字通り、火の花を咲かせる
【スラーンド】 どんな切羽詰まった状況でも マスターはあたしの様子を見て 的確に指示をくれた
【スラーンド】 だから、だんだんあたしは 安心して背中を預けられる ようになっていったわ
【スラーンド】 それはマスターの能力が高いから ってだけじゃなくて
【スラーンド】 あえて飾り立てなくても 堂々としていられるくらい 強い人なんだって気付いたからよ
【スラーンド】 そう思うと、正反対な存在なのね あたしたち
【スラーンド】 まあ、だからこそ イベント警備の任務も うまくいったのかも知れないわ
【スラーンド】 本当の戦闘を演武に見せるなんて あたしとマスターじゃなきゃ うまくいかなかったって
たくさんの観客の前で すごく緊張してたよね と、マスターが言う
【スラーンド】 そ、それはまた別の話でしょ!
【スラーンド】 …まあ、あの時も マスターの声がなければ みっともない姿を晒してただろうし
【スラーンド】 そのお陰で…あたし自身の在り方に 自信を感じられたわ…
線香花火の火花が丸みを帯び 静かで淡い光に変わる
【スラーンド】 もう線香花火も終わり…
【スラーンド】 あら、寂しげな顔なんて もう見せないわよ
【スラーンド】 前に行った花火大会で マスターに手を取られた時は 思わずハッとしたけどね
【スラーンド】 …マスターといると つい気が緩んじゃう
【スラーンド】 それはどんなあたしでも 受け入れてくれるって 信じているからでもあるけど…
【スラーンド】 だからこそ、あたしは マスターの前では輝いていたいの
【スラーンド】 どう?今のあたしは 気高く絢爛なスラーンドとして マスターの目に映っている?
線香花火の火花が消え、 火球だけが残る
マスターは意を決して スラーンドを見つめた
【スラーンド】 あらあら、じっと見ちゃって やっぱりあたしの魅力には 抗えないのね
スラーンド…
選択肢:
- 僕と誓約を結んでほしい → select_label_01へ
スラーンド…
select_label_01:
【スラーンド】 えっ… あ、あたしと…?
select_label_end:
【スラーンド】 ほ、本当にいいの…? あたしなんて 見掛け倒しだけなのに…
うん、君がいいんだ と、マスターは頷く
【スラーンド】 マスター… もう、あたしったら!
自分の顔をパチンと叩いて いつもの表情に戻るスラーンド
【スラーンド】 わかった、その誓約 喜んで結んであげるわ
【スラーンド】 あたしと契ったからには もう何者にもマスターを みすぼらしいとは言わせない
【スラーンド】 この世界のどこであっても 堂々と振る舞えるくらいの 栄誉を与えてあげるわ
【スラーンド】 だから、マスターも このあたしに負けないくらい 堂々と胸を張ってついてくるのよ
ああ、誓うよ と、マスターは宣言する
同時に、線香花火の 火球が地面へと落ちる
【スラーンド】 あっ…
地面に落ちた火球から 光りが広がり、
マスターと スラーンドを包んだ
【スラーンド】 こ、これがマスターの想い…
【スラーンド】 マスターのバイブスと あたしのキラーズが 深いところで繋がっていく…
【スラーンド】 な、なんだかあたしの隅々まで 知られていくようで 恥ずかしいけど…
【スラーンド】 全然、悪くないわ これもマスターがくれた 自信のお陰かしら
【スラーンド】 それじゃあ、これからも よろしく頼むわよ!
こうしてマスターと スラーンドの誓約は 結ばれたのだった
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