66620251 Unit666 エルキュール
【エルキュール】 こんばんは、マスター ご用があるとのことですが なんでしょう?
マスターは線香花火を出し、 エルキュールに差し出す
【エルキュール】 あ、花火…! 私と、ですか?
【エルキュール】 いいですね、やりましょう!
火をつけた線香花火は 火球の蕾ができ、 パチパチと火花を散らし始める
【エルキュール】 派手な打ち上げ花火も楽しいですが 線香花火の小さな光も 風情があっていいですね
【エルキュール】 この輝きを見ているのは 私とマスターだけ… なんて、ふふふ…
喜んでもらえてうれしいよ と、マスターは微笑む
【エルキュール】 はい、とっても嬉しいです!
【エルキュール】 …こうしてじっくりと この光を見ていると マスターとの歩みが蘇ってきます
【エルキュール】 マスターと出会ったばかりの頃 私は完璧であることを 唯一の誇りに思っていました
【エルキュール】 周りの子の目にも 私は完全無欠な『希望』として 映っていたと思います
【エルキュール】 でも、マスターは違いました
【エルキュール】 あなたは 取り繕った完璧の裏側にいる 私自身を見てくれていましたね
【エルキュール】 それを知ったからこそ… 私はマスターに弱いところを 見せられたのかも知れません
線香花火の火は 激しく火花を散らし 文字通り、火の花を咲かせる
【エルキュール】 厳しい戦いの中、焦りや諦めが 広がっていってもなお 私が『希望』たりえたのは
【エルキュール】 私ならできる、と いつも、私の後ろでマスターが 背中を押してくれていたからです
【エルキュール】 マスターがいて、 はじめて私は真の意味で 完全無欠な『希望』になれる!
【エルキュール】 …そう気が付いた時には マスターは私にとって 大きな存在になっていました
【エルキュール】 誰かをそんな風に思ったのは それが初めてで…
【エルキュール】 だからこそ、決して 傷つけたくないと思いました
【エルキュール】 でも、バカンスの警備をした時 マスターが傷ついたのを見て 頭が真っ白になってしまいました
【エルキュール】 私は弱い。完璧ではない こんなことでは『希望』なんて…
【エルキュール】 そう嘆く私をマスターは 叱咤してくれましたね
【エルキュール】 君なら失敗を挽回できる…と
【エルキュール】 希望はたやすく潰えない… その言葉は私の光となりました
【エルキュール】 そして、私は確信したのです マスターは私の『希望』なのだと…
線香花火の火花が丸みを帯び 静かで淡い光に変わる
【エルキュール】 …マスターと一緒なら どんな景色だって 『希望』と映ります
【エルキュール】 以前、誘ってくれた 打ち上げ花火だって そのひとつです
【エルキュール】 夜空に弾ける色とりどりの光… それは今でも私の心の中で 燦然と光り続けています
【エルキュール】 そしていつまでも 灯火のように私を導いてくれる…
【エルキュール】 マスターとの思い出は 私にとってそれだけの価値が あるんですよ
【エルキュール】 この線香花火の光も いつまでも続いてくれれば いいのにな…
【エルキュール】 でも、もうすぐ終わり…でしょうか
線香花火の火花が消え、 火球だけが残る
マスターは意を決して エルキュールを見つめた
【エルキュール】 マスター…? どうかしましたか…?
エルキュール…
選択肢:
- 僕と誓約を結んでほしい → select_label_01へ
エルキュール…
select_label_01:
【エルキュール】 えっ…!
select_label_end:
【エルキュール】 わ、私とですか う、嬉しいです…!
エルキュールは 目に涙を浮かべると 嬉しそうに微笑んだ
【エルキュール】 私を選んで頂いたからには 全身全霊を以って 応えましょう!
【エルキュール】 私は『希望』… これから先、どんな絶望が 立ちふさがろうと
【エルキュール】 必ず、打ち払って 輝かしい光に変えてみせます
【エルキュール】 そして、真の『希望』となって 命の限り、尽くすことを 誓います!
その言葉にマスターは頷き 僕も誓うよ と、宣言する
同時に、線香花火の 火球が地面へと落ちる
【エルキュール】 あっ…
地面に落ちた火球から 光りが広がり、
マスターと エルキュールを包んだ
【エルキュール】 マスターのバイブスと 私のキラーズが 深く繋がりあっていく…
【エルキュール】 こんな日が来るなんて…! 私、今、とっても幸せです…!
【エルキュール】 これからも私達二人で『希望』を 形作っていきましょうね! マスター!
こうしてマスターと エルキュールの誓約は 結ばれたのだった
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