66630241 Unit666 蜻蛉切
【蜻蛉切】 殿!お待たせ! 急に呼び出して何の用かしら?
【蜻蛉切】 え、まだ今日は飲んでないわよ 素面ですっ!
マスターは線香花火を出し、 蜻蛉切に差し出す
【蜻蛉切】 あら、線香花火じゃない! ド派手じゃないけど 線香花火は好きよ
【蜻蛉切】 これを私と一緒にやろうって?
【蜻蛉切】 …ふぅん? いいわよ、やりましょ♪
火をつけた線香花火は 火球の蕾ができ、 パチパチと火花を散らし始める
【蜻蛉切】 わぁ~、綺麗…
【蜻蛉切】 …な、なんでにこにこしてるのよ? 線香花火を楽しむ感性くらい 私にもあるわよっ!
【蜻蛉切】 …そっ、そういえば 線香花火ってどんどん火花が 変わって楽しいわよねっ!
【蜻蛉切】 あと…その… 殿といるのも…楽しいわよ…!
【蜻蛉切】 初めて会ったときは こんな気持ちになるとは 思わなかったんだけどね
【蜻蛉切】 バイブスは感じたけど 正直まったく頼りにならない 殿だと思ったわ
【蜻蛉切】 喧嘩も強くなさそうだったし、 ふふふっ
【蜻蛉切】 私の方が断然強いと思ったもの まあ、キル姫だから当たり前だけど でもそれは力比べの話
【蜻蛉切】 殿の強さは力ではなく心にある そのことにはすぐ気づいたわ
線香花火の火は 激しく火花を散らし 文字通り、火の花を咲かせる
【蜻蛉切】 殿の励ましがあれば 私達キル姫はどこまでも戦える
【蜻蛉切】 殿の言葉には力を感じるの きっとそこに込められた想いが とても強いから
【蜻蛉切】 私としては 力も強くなってくれると 張り合いが出るんだけどね?
【蜻蛉切】 ふふ、冗談よ 想いの強い殿だからこそ 私はあのとき気づけたんだから
【蜻蛉切】 プールでの出来事、 私は絶対に忘れないわ
【蜻蛉切】 あのとき…ううん、 これまで私は 自分のことしか見えてなかった
【蜻蛉切】 ひとりで突っ走らずに 周りを見て動けるようになったのは あのときの殿のおかげよ
【蜻蛉切】 …あーっ、何だか 色々思い出したら暑いわねっ!
【蜻蛉切】 お酒っ!お酒飲んでいい!? これ以上は素面じゃ無理っ!
【蜻蛉切】 何で無理なのって? だって…あの…う、うぅ…
線香花火の火花が丸みを帯び 静かで淡い光に変わる
蜻蛉切はうつむいて 花火に目線を落とすと 口を閉ざしてしまった
【蜻蛉切】 …………
【蜻蛉切】 ……………………っ
【蜻蛉切】 あははっ、 前にもこんなことあったわよね
【蜻蛉切】 あの時も殿と一緒に 花火を見てたっけ…
【蜻蛉切】 私、なんだか緊張しちゃって 言葉が出てこなくなっちゃって…
【蜻蛉切】 でも、言葉を交わさなくても 不思議と心地よかった
線香花火の火花が消え、 火球だけが残る
マスターは意を決して 蜻蛉切を見つめた
【蜻蛉切】 …殿?
蜻蛉切…
選択肢:
- 僕と誓約を結んでほしい → select_label_01へ
蜻蛉切…
select_label_01:
【蜻蛉切】 わっ、私でいいの!? …ま、まぁ? 当然といえば当然だけどっ
select_label_end:
【蜻蛉切】 …っくぅ~! 今すぐお酒飲みたい! 祝い酒祝い酒っ!
蜻蛉切はとびきりの笑顔を マスターに向けた後、 表情をキリっと引き締めた
【蜻蛉切】 …ありがとう、殿 それなら 私にも誓わせてちょうだい
【蜻蛉切】 ドキドキするけど… ちゃんと伝えなくちゃ…
【蜻蛉切】 蜻蛉切の名にかけて誓うわ 殿を守り、支え、 共にいることを
【蜻蛉切】 殿の前に立ちはだかる壁があれば 私がその壁を穿ってみせる!
【蜻蛉切】 もちろんお酒にも 付き合ってもらうわよ?
【蜻蛉切】 ひとりで飲むのもいいけど 殿と一緒だと さらにおいしいんだから!
それを聞いたマスターは頷き、 僕も誓うよ と宣言する
同時に、線香花火の 火球が地面へと落ちる
【蜻蛉切】 あれっ?
地面に落ちた火球から 光りが広がり、
マスターと 蜻蛉切を包んだ
【蜻蛉切】 胸に広がってくこれは… 殿の想い…?
【蜻蛉切】 …ねぇ、殿? 私の想いも伝わったかしら?
【蜻蛉切】 …ふふっ、いいわ 何度だって言葉にしてあげる
【蜻蛉切】 殿だけになんだからね、 私の気持ちを聞かせるのは
【蜻蛉切】 だって殿は私の特別で 大切な存在なんだもの…
【蜻蛉切】 これからも隣で 一緒に歩んでいきましょ 二人でどこまでもね
こうしてマスターと 蜻蛉切の誓約は 結ばれたのだった
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