66640011 Unit666 アルテミス
【アルテミス】
只今参りました、マスター
急を要するとのことでしたが…
一体どのようなご用件でしょう？
マスターは線香花火を出し、 アルテミスに差し出す
【アルテミス】
これは…火薬の匂いがします
武器には見えませんが…
一体どのような品なのですか？
首を傾げるアルテミスに これは花火だと告げるマスター
【アルテミス】
花火…？
空に打ち上げる物だけでなく
こういった物もあったのですね
【アルテミス】
つまりマスターはこれで
私と遊びたい、と…
【アルテミス】
いいでしょう
他のキル姫では迂闊に使用し
火事を起こしかねませんし
【アルテミス】
マスターが安全に花火を
楽しめるよう私がしっかり
監督役を務めさせて頂きます！
線香花火の先端に 小さな火球が生まれ、 パチパチと火花を散らす
【アルテミス】
これは、予想していたよりも
非常に小さい火花ですね…
【アルテミス】
暗闇の中に小さな光が
しっかりと息づいている…
【アルテミス】
こうして火花を眺めていると、
不思議と様々な光景が蘇ります
【アルテミス】
例えば、マスターと
初めて出会ったあの日…
【アルテミス】
しょ、正直その…
最初に見たマスターは
どこか軽薄そうで…
【アルテミス】
風紀を顧みることなく
己の欲望のままにキル姫を
弄ぶような人かと思いました
【アルテミス】
…ですが、そのようなことは
全て私の思い違いでした
線香花火の火が 勢いを増しアルテミスの 顔を優しく照らす
【アルテミス】
マスターは未熟な所はあれ、
それでも私達のことを思い
大切に扱って下さいます…
【アルテミス】
戦うための力としてだけでなく
同じ道を進む仲間として…
【アルテミス】
風紀を守るだけでは
相手のことを理解出来ない
こともある…
【アルテミス】
相手を理解し心の底から
共に戦おうとする気持ち…
それがあなたの強さなのですね
【アルテミス】
し、しかしだからと言って…
私以外の者にあれこれ世話を
焼くのは少し…いえ…その…
【アルテミス】
あぁ…いけませんね
これではあの時の私から
進歩していません…
【アルテミス】
憶えていますか？マスター
私がキル姫達とマスターを
接触させないようにしたこと…
【アルテミス】
今にして思えばやり過ぎでしたが…
結局マスターにとって、私は誰よりも
重宝されていたいと言いますか…
【アルテミス】
ですからその…マスターにとって
私は特別でありたかったのだと…
【アルテミス】
もちろん最初からそんなことを
考えていたわけではありませんが
【アルテミス】
必要以上に風紀を守ろうとしたのは
私自身の私情が入り込んでいたのかも
【アルテミス】
見方によっては自分の立場を利用した
ズルい考えなのかもしれませんね…
誰よりも私が風紀を乱していたのかも
【アルテミス】
そう思ってからはマスターと過度に
接触することを避けようと思って…
【アルテミス】
マスターがキル姫達と何をしようと
なるべく干渉しないよう、一歩引いた
所から見守るつもりだったのですが…
【アルテミス】
あなたはあろうことか
他のキル姫でなく
私と散歩がしたいと誘ってくれた…
アルテミスの線香花火の 火球がゆらゆらと揺れている 彼女の手が震えていたからだった
【アルテミス】
つ、月と私を比べるなんて…
は…恥ずかしかったんですよ…？
【アルテミス】
だってそんな…
まるで恋人同士がするような
会話なんて…おかしいです
【アルテミス】
それを嬉しいと思った自分も…
情けないことに私の心は既に
誰よりも風紀を乱してしまった
【アルテミス】
あなたが私の部屋に
来てくれた時だって
本当は舞い上がっていた…
【アルテミス】
キル姫としての私だけでなく
一人の存在として扱ってくれる
あなたのことが私は…
【アルテミス】
私にはもう…風紀とは何か
分からなくなってしまいました
【アルテミス】
心が惹かれ合ってしまうことは、
風紀の乱れなのでしょうか…？
【アルテミス】
自分の本心を押し殺して
偽りの気持ちで接することが、
風紀を守ることなのでしょうか？
【アルテミス】
私にはもう分かりません…
【アルテミス】
マスター、私はこれから…
どうすればいいのでしょう？
そんなアルテミスに マスターはアルテミスの目を 真っ直ぐに見る
選択肢:
- 僕と誓約を結んでほしい → select_label_01へ
そんなアルテミスに マスターはアルテミスの目を 真っ直ぐに見る
select_label_01:
【アルテミス】
え…えっ…！？
select_label_end:
【アルテミス】
ま、ままま待って下さい！
私はそのようなことを
願っているわけでは…！
【アルテミス】
あ、わわわわわわ…！
あっ…あああっ！？
慌てふためくアルテミス
【アルテミス】
うぅ～…！
私…私は…っ！
【アルテミス】
もう自分の気持ちに
嘘なんてつけません…
嬉しいです…マスター
アルテミスは涙を浮かべながら ぐしゃぐしゃの顔をマスターに向ける
【アルテミス】
だって…もしも私以外が
選ばれるなんて、
絶対に嫌ですから…
【アルテミス】
私じゃなきゃ…嫌です…
【アルテミス】
では…その…
マスターの気が変わらない内に
誓いを立てさせて下さい…
【アルテミス】
これから先、
どんな苦難があろうと
どんな幸せがあろうと
【アルテミス】
マスターから離れません
あなたのそばで守ります
【アルテミス】
マスターへの想いは永遠に…
決して失うことはありません
【アルテミス】
この身がある限り、
あなたを愛し続けます
【アルテミス】
ですから…私以外を…
あまり見ないで下さい…
【アルテミス】
私にとって、
あなただけなのですから…
それを聞いたマスターは頷き、 僕も誓うよ と宣言する
同時に 線香花火の 火球が地面へと落ちて…
マスターと アルテミスを包んだ
【アルテミス】
あぁ…なんて暖かい
光なのでしょうか…
【アルテミス】
マスターと私のキラーズが
とても深く繋がっていく…
【アルテミス】
どんな法も戒律よりも
美しくて…愛おしい…
【アルテミス】
この誓いが永遠であるよう、
二人で守り抜きましょうね
マスター…
こうしてマスターと アルテミスの誓約は 結ばれたのだった
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