66660201 Unit666 ネス
【ネス】 どうしたんですか、マスター 何か、急ぎの用ですか?
マスターはごめんね、遅い時間に と、線香花火をネスへ 差し出した
【ネス】 あ、線香花火…! これは…仕方ありませんね 暗くならないと意味ないですから
火をつけた線香花火は 火球の蕾ができ、 パチパチと火花を散らし始める
【ネス】 綺麗ですね…
【ネス】 線香花火は花火の中で一番好きです 慎ましやかでありながら 小さく、明るく、煌いて…
【ネス】 わたしが目指しているもの… 規律と節制の先にある輝きは こんな姿なのかも知れません
ロマンチックだね と、マスターは小さく笑う
【ネス】 もう、茶化さないでください
【ネス】 でも…こう思うことができるのも マスターと共に歩んで来たからです
【ネス】 マスターと出会った頃のわたしは みんなが従うべき規律や 節制のことで頭がいっぱいでした
【ネス】 何のための規律か、節制か… とてもあやふやで 頭でっかちに押し付けてばかり
【ネス】 嫌われてもおかしくなかった私と マスターはまっすぐに 向き合ってくれました
【ネス】 せっかくの規律も 集団に即していないと意味がない だから、こうしてみようよ
【ネス】 そう助言してくれて… あの時、心に空いた隙間が ぴたっと埋まった気がしました
線香花火の火は 激しく火花を散らし 文字通り、火の花を咲かせる
【ネス】 激しい戦闘の最中でも マスターは先陣に立って わたし達を導いてくれました
【ネス】 一歩間違えれば命はない… そんな死地を共にしてくれたのは
【ネス】 規律に支えられたわたし達の強さを 信じていたからですよね
【ネス】 そして、その信頼がまた わたし達を強くしました
【ネス】 正しい規律は良き節制に繋がり 決して弛まぬ強さへと導く、と マスターは示してくれたのです
【ネス】 ただ…わたしは勘違いしていました もっと強くなるためには もっと節制しなくちゃだめだ、と
【ネス】 そう考えた結果 わたしは過度な食事の制限をして 空腹と熱で倒れてしまいました
【ネス】 あの時も… かき氷を食べさせてくれながら マスターは教えてくれました
【ネス】 バランスを考えなければ 節制も効果を発揮しないのだと
【ネス】 あの時のかき氷のおいしさ… そして、冷たさがもたらした衝撃 今でも忘れられません
【ネス】 マスターがいてようやく わたしは適切な節制にたどり着ける
【ネス】 マスターと一緒だからこそ 正しい規律を生み出せるって 気付けたんです
線香花火の火花が丸みを帯び 静かで淡い光に変わる
【ネス】 二人で遊園地へ行った時 マスターは離れ離れにならないよう 手をつないでくれましたね
【ネス】 その時、思ってしまいました
【ネス】 ずっとこのまま 一緒にいられればいいのになって…
【ネス】 そうすれば、きっと もっと…優れた規律を見出せる
【ネス】 でも、怖くなってしまいます この感情が規律を乱すのではないか 節制を守れなくなるのではないかと…
そんなことはないよ と、マスターは優しく告げた
【ネス】 えっ…
線香花火の火花が消え、 火球だけが残る
マスターは意を決して ネスを見つめた
【ネス】 マ、マスター…?
ネス…
選択肢:
- 僕と誓約を結んでほしい → select_label_01へ
ネス…
select_label_01:
【ネス】 ……ふえっ!
select_label_end:
【ネス】 せ、誓約って… あ、あの誓約ですか…?
うん マスターが頷くと ネスは涙をぽろぽろとこぼした
【ネス】 う、嬉しい… 嬉しいよお…! ありがとう、お兄ちゃん…!
【ネス】 じゃなくて… ここは大人らしく 誓いの言葉を…ずびっ
【ネス】 マスター まだまだ小さなわたしです 節制の徹底もおぼつきません
【ネス】 でも、わたしはマスターと ずっと一緒にいたいです
【ネス】 この感情がみだらな欲望ではない 純粋な気持ちだと証明したい
【ネス】 だから、はやく大人になって 規律をもとに世界を正しく導く 立派な存在になります
【ネス】 その時が来るまで 共に歩んでくれますか…?
その問いにマスターは頷き もちろん誓うよ と、宣言する
同時に、線香花火の 火球が地面へと落ちる
【ネス】 あっ…
地面に落ちた火球から 光りが広がり、
マスターと ネスを包んだ
【ネス】 マスターのバイブスが わたしのキラーズと 強く繋がっていきます…
【ネス】 ふふ… 今だけは喜びを隠さなくても 節制がないとは言えませんよね
【ネス】 それでは、ふつつかものですが これからもお願いしますっ!
こうしてマスターと ネスの誓約は 結ばれたのだった
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