810301 天上編 第8章 王都決戦 第1話 内壁 バトル開始前の会話
【黒奏官】 リベリオンめ… こんなにも早く、 内壁に辿り着こうとは…
【黒奏官】 …まったく 王立軍はなにをしている
【警備兵A】 止まれ …先ほどのルシドラの教会の者か? いかがした?
【黒奏官】 プライドでは足止め出来んか… 王都に戻り、 態勢を整えざるを得まい
【警備兵B】 おい、聞いているのか? …止まれ! 今一度、認証を…
【黒奏官】 …邪魔だ
【警備兵B】 ガッ…!? …ガハッ…!!
【警備兵A】 き、貴様!? なにを…!?
【黒奏官】 我は、教皇直属の黒奏官… 緊急の命につき、 関を通らせてもらう
【黒奏官】 これは王政府も承認済みの特命だ
【警備兵A】 き、貴様…! このような真似をして…
【黒奏官】 これ以上の問答は無用 下っ端相手に割く時間はない… お前も逝け
【警備兵A】 う、うぉっ…!?
【???】 …無茶苦茶な人ね、アナタ
【黒奏官】 !?
【レーヴァテイン】 ラグナロク教会の名を 汚すような真似は、 よしてほしいわ
【ディーン】 お人よしだな、レーヴァテイン そんなことコイツに 期待するだけ無駄だよ
【黒奏官】 ディーン中奏…
【ディーン】 まだ白黒ついてねぇんだ… 逃がしてたまるかよ
【黒奏官】 …サイラス少奏のことか? 彼の死は、キラープリンセスの 暴走によるものだと…
【ディーン】 確かに、直接手を 下しちゃいないのかもしれない
【ディーン】 だが、サイラスは アンタの監視下にあったはず…
【ディーン】 ヤツを見殺しにしたことに 変わりはないだろ
【黒奏官】 …それで、すべてを棒に振り、 仇討ちというわけか…?
【ディーン】 棒に振る…? 冗談じゃねぇ…今の俺は そのためだけに生きてるんだよ
【黒奏官】 …君の心情は理解できる だが、その先はどうするつもりだ?
【ディーン】 …どういう意味だ?
【黒奏官】 君が為そうとしていることは、 ラグナロク教会に背を向ける行為…
【黒奏官】 追放どころか、 確実に粛清の対象となる
【黒奏官】 そんな状況を… 死んだサイラス少奏は 望んでいるというのか?
【ディーン】 …! …サイラスが?
【黒奏官】 君達は、誓い合ったのだろう… ともにマスターとなり、 家族を奪った異族を殲滅しようと
【黒奏官】 その尊き誓いを棄て、 復讐に生きることを… サイラス少奏が望むと思うのか?
【ディーン】 …!
【黒奏官】 一時の情に、我を失う… 若い時分には、よくあることだ
【黒奏官】 だが… 今の君が為そうとしていることは、 取り返しのつく話ではない
【ディーン】 うるせぇ!! 俺は、自分を見失ってなど…
【黒奏官】 いいや、君はそもそもの 初心を忘れてしまっている
【黒奏官】 …まだ間に合う、よく考えるのだ 君が為すべきは、 怒りに任せた復讐などではなく…
【黒奏官】 死んだ友との誓いに 生きることではないのか?
【ディーン】 !!
【黒奏官】 サイラス少奏の死を 止められなかったのは私の責任… そのことは、素直に認めよう
【黒奏官】 だが…、死んだ彼を これ以上悲しませるべきではない
【黒奏官】 君は道を踏み外すことなく、 彼とともに誓った 正義の道に生きるべきだ
【ディーン】 正義の道…だと…?
【黒奏官】 そうだ。亡き友の遺志を継ぐのは、 生き残った君にしかできんことだ
【黒奏官】 ただの犬死にか… 未来につながる意味ある死となるか…
【黒奏官】 友の死に 意味を持たせることができるのは、 今を生きる君だけなのだぞ?
【ディーン】 !!
【黒奏官】 私とともに来い… 君の中の正義が まだ死んでいないのならば
【ノーブル】 ま、待て! お前達は王都へ 行くつもりなのか!?
【リベリオン】 そうだ …俺に会うことが目的だったのなら、 別に問題ないだろ?
【リベリオン】 安心しろ… 話なら、道中でいくらでもしてやる
【ノーブル】 それはそうだが、 私にはもうひとつ目的が… 私は、耕民区に行かねばならんのだ
【デュリン】 もしかして、 学者さまに会いに…?
【ノーブル】 む…! なぜ、それを…!?
【トト】 爺ちゃんから、 教授に渡すよう託されたんだ …この暦が必要なんでしょ?
【ノーブル】 !! おお…! おおお…!!
【デュリン】 その暦をアナタに届けることが、 私達の旅の目的のひとつだったのよ 少し、肩の荷が降りたわ…
【デュリン】 確かに渡したからね?
【ノーブル】 ここまで届けるのに、 どれほどの苦労があったのだろう… 感謝のしようもない
【デュリン】 礼なら、この子に言って 肌身離さず、 ずっと守り続けてきたんだから
【ノーブル】 …坊や、本当にありがとう 君のおかげで、この大陸の人々の目を 覚ましてやることができるかもしれん
【トト】 そ、そんな…ハハ…! 僕は爺ちゃんとの 約束を守っただけだよ!
【リベリオン】 謙遜するな。その感謝は、 お前の勇気に捧げられたんだ… 胸を張って、答えろ
【トト】 …! う、うん…! どういたしまして!!
【リベリオン】 ヘッ…。さぁ…着いたぜ、関所に いいか…無駄な戦闘は極力避けろ くれぐれも、いらぬ被害は…
【エドガー】 …? …妙だな…
【ノーブル】 うむ… 先ほど通った時と勝手が違う…
【リベリオン】 おい、聞いてるのか? 俺は今、とても大事なことを…
【デュリン】 うっさいわね! わかってるわよ!
【デュリン】 ただ、どうも様子が… あまりに静か過ぎるのよ
【リベリオン】 静か…?
【ティルフィング】 …! 見て!あれを…!
【エドガー】 …! あれは、警備兵…!? まさか既に黒奏官が…!
【デュリン】 クッ…! ディーン隊は、 いったいなにをしてるのよ!
【エドガー】 !? 関所の門が…吹き飛んだ!?
【警備兵A】 ぼ、暴走だ!! 巻き込まれるぞ!!
【警備兵B】 政府に出動要請を!! …急げ!!
【レーヴァテイン】 邪魔する者は、殲滅する… 死にたくなければ、消えて
【ティルフィング】 レーヴァテイン!? アナタ、なにを…!?
【黒奏官】 彼女らは… この大陸の未来を想い、 行動しているだけだ
【黒奏官】 …なぁ、ディーン中奏?
【ディーン】 …………
【デュリン】 ディーン…!? アンタ、いったい…!?
【ディーン】 …思い出したんだよ… 遠い昔に立てた、亡き兄との誓いを
【ディーン】 その正義を貫くためなら、 悪と呼ばれることも辞さない… 俺は、そう心に決めたんだ
【エドガー】 まさか、ディーン…! お前…黒奏官に寝返ったのか!?
【ディーン】 レーヴァテイン!! 俺達の道を妨げる者は、 すべて殲滅しろ!!
【ディーン】 誰であろうと、 容赦なく叩き斬れ!!!
【ティルフィング】 !!!
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