900030003 地上編 序章 0%から始まる希望 七魔王 終了後
【ベルフェゴール】 アハハハハ!この程度なのぉ? …あらぁ、まずいのが来たわねぇ それじゃ、私はこの辺で
【ゼロ】 逃がすかよっ!
【ティルフィング】 待ってください、ゼロ! またなにか…来ますっ
【???】 ほほう。出来損ないの 木偶(でく)どもにはお似合いの、 薄汚い穴蔵だな
【ゼロ】 チッ、次は誰だ?
【ルシファー】 不遜だな、木偶(でく)如きが まあ、よい。我はルシファー この地上世界を統べる王だ
【ヴァリン】 今度はルシファー!? 次から次へと七魔王が来るなんて… どうなってんのよっ…
【ルシファー】 そこの女 王の御前だ、ひれ伏さぬか
【ルシファー】 お前達の愚行が 度を超しておるので 仕置きをしに来てやったのだぞ
【ヴァリン】 愚行? アンタ達と戦うことが、 愚かだって言いたいの!?
【ルシファー】 なにを言うか
【ルシファー】 この世界は弱肉強食 強い者が弱い者を支配する 故に争いは好ましい状態だ
【ルシファー】 お前達、脆弱な人間が 我らに抵抗するのは一向に構わん むしろ望ましいぞ
【ヴァリン】 だったら… なにが愚行だっていうのよ
【ルシファー】 決まっておろう そこの木偶(でく)どもだ
【ルシファー】 お前達が神器で戦うのは 世界の理に適っているが、 それらはなんだ?
【ルシファー】 人間に魔獣の血を 混入させて強化するなど、 種に対する冒涜、愚の骨頂
【ルシファー】 そんな木偶(でく)が 我の世界を穢すなど、 あってはならん
【ヴァリン】 彼らは 木偶(でく)なんかじゃないわ!
【ヴァリン】 人類の未来のために 命を賭けてくれている勇敢な人間よ!
【ルシファー】 笑止! 哀れだな、女
【ルシファー】 刻一刻と魔獣の血に侵され、 自滅するしかない木偶(でく)が 人間だと?
【ルシファー】 愚か、愚か そんな不完全な物体、 一顧だに値せぬ
【ヴァリン】 …確かにいまは不完全よ でも、完全体になれば 純粋な種になれるわ!
【ルシファー】 それこそ傲慢
【ルシファー】 お前達の木偶(でく)遊びで 我の世界を穢し、あまつさえ 純粋な種にするなど片腹痛い
【ルシファー】 これ以上、我の目を穢すな 木偶(でく)ども。疾く滅ぶが良い
【ヴァリン】 彼らは死なないわ! …神器がなくても、 きっと生き延びてみせる!
【ルシファー】 もうさえずるな、哀れな女
【ルシファー】 断言してやろう それらが生き残る確率は 1%にも満たない
【ルシファー】 お前達の世界でいうところの 『絶望』という状況だろうな
【ヴァリン】 そんなこと…
【ゼロ】 ルシファーとかいったな、 クソ野郎
【ヴァリン】 ゼロ!?
【ゼロ】 黙って聞いてりゃ偉そうに
【ゼロ】 俺らが木偶(でく)? 純粋な種にはなれない? 生存率が1%に満たない?…上等だ
【ゼロ】 たとえ可能性が 0%だとしても覆してやる!
【ゼロ】 俺達人間は、 0%からでも希望を 抱くことができるんだ!!
【ルシファー】 ハッ! 思い上がりもそこまでいくと 滑稽だぞ…もう良い、死ね
【ゼロ】 ガハッ…
【ルシファー】 どうした? 0%でも覆してみせるのだろう? あまりに脆弱過ぎるな
【ゼロ】 …くっ やって…やろうじゃねえ、か
【ヴァリン】 バカ! アンタ…立てるような状態じゃ…
【ゼロ】 お前は、下がってろ… やりたい放題しやがって… ツケは必ず払わせてやる
【ルシファー】 ほう。まだ立ち上がるか 次は跡形もなく磨り潰してやろう
【ティルフィング】 下がりなさい、ルシファー! その人達を殺させはしません
【ゼロ】 ティルフィング、 無理すんじゃねえ あいつは俺がっ
【ルシファー】 ほほう、その女… なるほど、面白い。面白いぞ!
【ルシファー】 気が変わった 今は生かしておくとしよう
【ルシファー】 0%からの希望とやらを 見せてもらおうか
【ゼロ】 待ちやがれ、てめえっ!
【ヴァリン】 ちょっと、ゼロ! …ああ、もう、あのバカ!
【ティルフィング】 …………
【ヴァリン】 …ティルフィング 前から気になってたけど、 アンタ一体…
【ルシファー】 やはり追ってきたか お前に良いものを見せてやろう
【ゼロ】 ふざけるな! 今すぐ叩き斬ってやる!!
【ルシファー】 そう急くな
【ルシファー】 お前達が純粋な種になるためにも、 人類が我らに対抗するためにも、 神器を取り戻す必要がある
【ルシファー】 そのためには 天界に繋がる大樹ユグドラシルまで 向かわなければならない
【ルシファー】 そうだろう?
【ゼロ】 …だったらなんだ?
【ルシファー】 先ほども言ったな、気が変わったと 我もお前達に少々興味が湧いてきた そこで餞別をくれてやる
【ゼロ】 なっ…
【ルシファー】 ハハハハハ! ユグドラシルまでの道に 六つの“魔壁”を作った
【ルシファー】 あれを越えて ユグドラシルにたどり着くのが先か
【ルシファー】 それとも魔獣の血に呑まれて 自我を失うのが先か
【ルシファー】 お前達がもがき苦しむ様を、 我はユグドラシルの根元で ゆっくり見物させてもらうとしよう
【ゼロ】 てめえ…悪趣味にもほどがあるぜ
【ルシファー】 お前達が万が一にも 純粋な種となり得るのなら
【ルシファー】 この世界の支配の座を 奪い返してみるがいい
【ルシファー】 まあ、 そんな時が訪れる確率は0%だがな
【ルシファー】 せいぜい足掻き、 絶望のうちに死ね お前達に未来などない
【ゼロ】 たとえ生き残る確率が 0%だとしても、 必ず覆してみせる!
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