91030401 天上編 第10章 エピローグ 1
十日後――
王都・グランエクスペリ内、 とある教会――
【フレンネル】 それで… もう身体は大丈夫なのか?
【ティルフィング】 はい おかげさまで、もうなんとも…
【フレンネル】 そうか…
【トト】 もう! 三日間も寝っぱなしだったから… 心配したんだからね!
【ティルフィング】 ごめんね、トト
【トト】 でもさぁ… やっぱ、見たかったなぁ… 最後の決戦!
【ティルフィング】 え…?
【トト】 だって、ティルフィング… ブシュッて 刺されちゃったんでしょ!?
【トト】 そっからの逆転劇… 見てみたかったなぁ
【ティルフィング】 そ、そんなの… 恥ずかしいわよ…
【トト】 なんで?
【フレンネル】 よしなさい… ティルフィングも 嫌がってるではないか?
【フレンネル】 すまない… 食事の時も、 ずっとこの話ばかりなのだ
【ティルフィング】 ふふ… もう、まるで家族みたいですね?
【トト】 え…?
【ティルフィング】 よかったわね、トト …フレンネル家の 暮らしにも慣れて
【トト】 う、うん… まぁ…
【フレンネル】 なにを言っている… よそよそしい言い方はよしなさい 君も、私の家族なんだ
【ティルフィング】 え…? あ…は、はい!
【フレンネル】 まったく… 闘っている時と、 まるで別人ではないか?
【フレンネル】 遠慮ばかりしていると、 打ち解けるのにも時間が…
【デュリン】 …ああ! …もう、ちょっと、うっさい!!
【フレンネル】 う…!?
【ティルフィング】 ちょ、ちょっと… デュリン!?
【デュリン】 アンタ達、 今日がどんな日だか 理解してんの!?
【デュリン】 天上と地上…二つの世界の関係性が、 まるっと変わるかもしれない 大事な日なのよ!?
【デュリン】 それを、 ベラベラベラベラくっちゃべって…
【フレンネル】 …すまない
【デュリン】 ったく! 大公もいい年なんだから、 少しはわきまえて…
【デュリン】 大公も… タイ…コウ…!? …すすす、すいませんっ!!
【デュリン】 ア、アタシ、入り込んじゃってて… 失礼なことを…!?
【フレンネル】 い、いや… 痛烈だな、そなたは…
【デュリン】 ご、ごめんなさい…
【ティルフィング】 すいません… デュリンは、 ずっと考え事をしていて…
【フレンネル】 いや、 配慮が足りなかったのは私だ
【フレンネル】 しかし… 彼らは、 本当に帰ってくるのだろうか?
【デュリン】 …ティルフィングが、 エイレーネ様から聞いたって話が 本当ならば…そうよね?
【ティルフィング】 う、うん… 確かにそう、聞こえた気がするの
【ティルフィング】 マスターが… 二つの世界を繋げているって…
【デュリン】 聞こえた気がするって…
【ティルフィング】 だって… お母さんは、 深い眠りについてるんだもの…
【ティルフィング】 あの時みたいには、 語りかけてはくれないわよ
【ノーブル】 お揃いですな、皆さん!
【ティルフィング】 !! ノーブル教授!
【ノーブル】 ティルフィング君 元気そうでなによりだ
【ノーブル】 …で、デュリン君 …彼らは?
【デュリン】 いえ、まだ…
【ノーブル】 む…? それは妙だな…
【ノーブル】 表で、オルト君が… 彼らを連れて来たと…
【デュリン】 え…!?
【???】 …おい、ちょっと待て テメェ! まだ話は終わっちゃいねぇんだよ!
【ティルフィング】 え…?
【ディーン】 洗脳だかなんだか知らねぇが… お前のせいで俺達は、ひでぇ目に…
【アルン】 だから…そのことについては、 あとでゆっくり謝罪すると 言っているだろう?
【デュリン】 アルン!!
【アルン】 今、戻った… ヴァリン
【ティルフィング】 マスター! 大丈夫ですか…!?
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- うん…少しだけ、クラクラするけど… → select_label_01へ
マスター! 大丈夫ですか…!?
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【ノーブル】 お、おおっ… …ということは、やはり!
【ディーン】 …?
【ディーン】 な、なんだよ… コイツらが戻ってきたのが なんだってんだ…?
【デュリン】 アンタ! 二人がどこから戻ってきたか、 わかってないの!?
【ディーン】 あ…? だって俺は… ここ三日間、大聖堂の修復に…
【ディーン】 …温泉かなにかか?
【デュリン】 違うわよ、バカッ!!
【デュリン】 この人達は今… “地上世界”から 戻ってきたのよ!!
【ディーン】 は…?
【フレンネル】 !! つまり…
【アルン】 ええ…
【アルン】 確かに…
【アルン】 ユグドラシルの化身である彼を伴えば この“天上世界”と“地上世界”を 行き来することができました
【アルン】 しかも…
【アルン】 こうして戻って来れたことからも わかる通り、 流れる時間の速度も同一です
【ノーブル】 お、おお!
【デュリン】 !! …や…やった!
【アルン】 ただし…
【アルン】 それはあくまで、 彼を伴ってという話だ
【アルン】 彼にかかる負担は、 あまりある…
【アルン】 おいそれと 行き来できるわけじゃない
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- だが…可能性が広がったことは事実だ → select_label_02へ
- 地上世界を救いに行けるということだ → select_label_02へ
おいそれと 行き来できるわけじゃない
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【デュリン】 そうよ! アンタ達の帰還は、 偉大なる第一歩だわ!!
【ディーン】 …? 温泉から 帰って来たんじゃねぇのか…?
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