920301 天上編 第9章 降臨せし観測者 第２話 降臨 バトル開始前の会話
【ティルフィング】
ハァァァッ！！！
【グリード】
…大天使様の御前で、
見苦しいとは思わないの？
【ティルフィング】
！？
【ティルフィング】
ガッ！！
…ガハッ！！！
【トト】
ティルフィング！！
【グリード】
…今一度、
確認を
【グリード】
この者は処されるべき存在…
そのように捉えて
よろしいですね？
【黒奏官】 このティルフィングは、 その出自ゆえ…
【黒奏官】 異世界においても “運命の子”と 尊ばれている様子…
【黒奏官】 かような処分が 妥当かと
【ラファエル】
『その者の存在が…
切り離されて然るべき多層世界を、
繋ぎ止めている…』
【ラファエル】
『…これは“神魔契約”にも
反することです』
【黒奏官】 はっ！ ならば、ただちに…
【黒奏官】 やれ、グリード
【ティルフィング】
！！
【トト】
ティ、ティルフィング！
【デュリン】
マズい！
早く、逃げて！！
【グリード】
…同じ姿のよしみで、
少しだけ時間をあげるわ
【グリード】
さぁ…
仲間に、別れの言葉を
【ティルフィング】
ア、アナタ達のしていることは、
絶対に間違っている！
【ティルフィング】
その正義を、
認めるわけにはいかない！！
【グリード】
…良かれと思ったのだけれど
…どうやら無駄だったみたいね
【グリード】
…さようなら
【ティルフィング】
こんなところで、
終われない！
【ティルフィング】
私達は
まだ、
なにも為せていないんだもの！！
【ティルフィング】
…ハァァァァッ！！！！
【グリード】
！！
【ティルフィング】
すべての想いを、
この一撃に込める！！
【ティルフィング】
“ショックトゥキル”！！！！
【トト】
やった！！
【ティルフィング】
ごめんなさい…
ここで終わるわけには
いかないの
【グリード】
…いいえ
…アナタがここで処されることに
変わりはないわ
【ティルフィング】
！？
そ、そんな…！？
【デュリン】
ティルフィングの渾身の一撃を
受けて…
どうして…！？
【トト】
逃げて！！
ティルフィング！！！
【ティルフィング】
う、うぁ！！
【？？？】 …ウォォォォッ！！！！
【グリード】
！？
【黒奏官】 ！！ 現れたか…
【リベリオン】 …お前は、神々の使いの者 …この剣を抜いても、 問題あるまい
【ティルフィング】
リ、リベリオンさんっ…
【リベリオン】 遅くなって、 すまなかったな
【リベリオン】 …上出来だぜ、 ティルフィング …グッ！
【デュリン】
アンタ、
まだ身体がっ…
【グリード】
…大天使様の御前よ
…そのような剣を持ち込むことは、
許されないわ
【リベリオン】 グッ… う、動きやがれ、この身体！ …クソッ！！
【トト】
おじさん！！！
【グリード】
クッ…！？
【リベリオン】 な、なに…！？
【ラファエル】
『…世界をまたぐ者を処するは、
私の役目』
【ラファエル】
『そのように
申し付けておいたはずですが…？』
【黒奏官】 ！！ グリード！！
【グリード】
も、申し訳ございません！！
【ティルフィング】
わ…私が手も足も出なかった、
あの人の攻撃を…
事も無げにっ…
【リベリオン】 チッ… やはり、穏便に話し合うって わけにはいかねぇか…
【ラファエル】
『…“神魔契約”を知りながら、
禁を犯す…』
【ラファエル】
『その罪は軽くはありません』
【ラファエル】
『さぁ…
終わりにしましょう…』
【リベリオン】 クッ…！
【トト】
おじさん！！
【ラファエル】
『…見事な身のこなしですね。
世界をまたぐことができたのも
頷けます』
【リベリオン】 チッ、 さすがは大天使…
【リベリオン】 カミノツカイなんて、 比べ物にもなりゃしねぇ
【リベリオン】 それに、 時が経っても あの時と強さは変わんねぇか…
【リベリオン】 …グッ！
【ティルフィング】
リベリオンさん！
【リベリオン】 く、来るな！！ お前は手を出すな、 ティルフィング！
【リベリオン】 お前には、キラープリンセス達を 地上世界に導いてもらわなきゃ ならねぇんだ…
【リベリオン】 こんなところで くたばってもらっちゃ 困るんだよ
【ティルフィング】
でも！！
【リベリオン】 のこのこと姿を現し… 挙げ句、国王を始末するとは…
【リベリオン】 …いったい、 なにを考えてやがる？
【リベリオン】 まさか、 この世界を 消すつもりじゃないだろうな？
【ラファエル】
『…この箱庭を
消去するつもりなどありません』
【リベリオン】 じゃあ…できの悪い駒を始末し、 新たな駒にすげかえて やり直すつもりってことか…？
【リベリオン】 …悪いが、 王政府は壊滅寸前だ
【リベリオン】 世の人々も、 お前らの存在に 気付き始めている…
【リベリオン】 元の状況を構築するには、 途方もない時間と労力が 必要だぜ？
【ラファエル】
『…世に在るものはすべて、
破壊と創造を繰り返すもの』
【ラファエル】
『いずれ、また新たなる体系が
構築されましょう』
【ラファエル】
『我々は、
その動向を
観察するのみです』
【リベリオン】 ずいぶんと健気じゃねぇか… 感動して、 涙が出てくるぜ
【ラファエル】
『“地上”の人間よ…』
【ラファエル】
『アナタ方は何ゆえ、
この世界に
執着するのですか…？』
【リベリオン】 あ…？ 決まってんだろ…
【リベリオン】 ここには、 俺達が必要とする “神器”があるからだ
【ラファエル】
『理由は、
それだけではないはずです』
【ラファエル】
『この世は、
幾重にも重なる多層世界…』
【ラファエル】
『次元を超え、
世界をまたいできた者ならば、
その事実に気付いておりましょう？
【ラファエル】
『神器に近しい物質も、
いずれかの世界に
存在するはずです』
【リベリオン】 …なにが言いたい？
【ラファエル】
『今、この世界は…
アナタの住まう地上世界と
融合しようとしています』
【ラファエル】
『アナタという、
世界をまたぐ者の存在のために』
【ラファエル】
『…地上世界の者達は、
この世界を
飲み込むつもりなのですか？』
【リベリオン】 地上世界と天上世界の融合か。 考えもしなかったが…
【リベリオン】 ある意味、 そういうことになるのかも しれねぇな
【デュリン】
融合…！？
二つの世界が
一つになるってこと…！？
【リベリオン】 そういうことになるらしい。
【リベリオン】 だが… そもそもの意図は、 そこにはない
【リベリオン】 俺達が、 この天上世界に執着するのは、 きわめてシンプルな理由だ
【ラファエル】
『それは…？』
【リベリオン】 障害はいくつかあるが… この世界が一番、俺達の計画を 成功させる可能性が高いからだよ
【リベリオン】 ひと手間加えりゃ、 俺達が求める形に…
【リベリオン】 キラープリンセスを安定して 送り出せる地になる、 そう確信しているんだ
【ラファエル】
『…我らが築き上げた理想郷を…』
【ラファエル】
『まるで、
寄生虫のようですね』
【リベリオン】 うるせぇよ！！
【リベリオン】 チッ… 隙をつくこともできやしねぇ…
【黒奏官】 クク…
【ラファエル】
『…アナタ方は、
大きな思い違いをしています』
【ラファエル】
『この天上世界で、
彼女達キラープリンセスが記憶を
取り戻すことはあり得ません』
【黒奏官】 記憶が戻らぬということは、 彼女らが地上世界に戻る望みは ないということ…
【黒奏官】 お前達は、 それを悟るべきだ
【リベリオン】 …くだらねぇな
【黒奏官】 なに…？
【リベリオン】 教皇も、 同じことを ほざいてたぜ？
【リベリオン】 大天使ラファエル…
【リベリオン】 アンタが、王政府や教会に 入れ知恵しているのは 見え見えなんだよ
【ラファエル】
『…どういう意味でしょう？』
【リベリオン】 この蝕を乗り切ったとしても… また次の蝕に、 地上世界の者が現れる
【リベリオン】 それを食い止めたくて、 計画自体が失敗だったと 思わせたいんだろ？
【黒奏官】 ！！
【リベリオン】 悪ぃな… そんなことじゃ、 俺達は諦めやしない
【リベリオン】 アンタらが想像している以上に、 人類は諦めが悪いんだよ
【ラファエル】
『…聞く耳を持ち合わせて
いないようですね』
【ラファエル】
『ならば、
仕方ありません…』
【リベリオン】 うぐっ！！！
【ティルフィング】
リベリオンさん！！
【リベリオン】 く、来るな！！
【リベリオン】 …やれやれ …間もなく、 時間切れのようだ
【リベリオン】 …これが、 最後のひと暴れって とこだな…
【デュリン】
！！
ティルフィング、
リベリオンの援護をっ…
【リベリオン】 あ、慌てんな…
【リベリオン】 これが、 この世界での 最後の大仕事ってことは…
【リベリオン】 体力を温存する必要も ねぇってことだ
【ティルフィング】
え…？
【リベリオン】 行くぜ、 大天使！！
【リベリオン】 人類のしぶとさを、 思い知らせてやる！！
【ティルフィング】
！！
【ティルフィング】
マスター、
私も行きます！！
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