10017203 ゆんゆん 『剛剣-瞬力-』
翌朝――
マスターの足は 自然と道場に向いていた
【マサムネ】 …………
朝の透明な光りに包まれて マサムネは一人正座して 瞑想にふけっていた
【マサムネ】 …ん
【マサムネ】 主君か… 今日も早いのだな…
マサムネは目をつむったまま 穏やかな声でマスターを迎える
【マサムネ】 朝の瞑想はよいぞ… 心が洗われる… 主君もどうだ…
マスターは勧められるまま その場に正座する
マサムネは とても穏やかな表情をしている いつもの安定感が漂っていた
選択肢:
- もう大丈夫そうだね → select_label_01へ
- 心配なんてしてなかったよ → select_label_02へ
- それでこそマサムネだ → select_label_03へ
マサムネは とても穏やかな表情をしている いつもの安定感が漂っていた
select_label_01:
【マサムネ】 …これも主君のお陰だ
select_label_02:
【マサムネ】 …買いかぶりすぎだ
select_label_03:
【マサムネ】 …ありがたい言葉だ
select_label_end:
【マサムネ】 …我が妹ながら ムラマサの才能たるや とどまるところを知らん
【マサムネ】 綺羅星の如きムラマサの 剣の輝きに私は心を失い… 冷静さを欠いてしまっていた…
【マサムネ】 ムラマサは素晴らしい剣士だ 彼女との勝負は…まさに隙の探り合い 心を乱した者が敗北する
【マサムネ】 それなのに、この頃の拙者ときたら… 剣を交える前に負けているも 同然の体たらくだったわけだ…
【マサムネ】 柔の剣士、ムラマサの持ち味は 受けの剣… 言うなればカウンターと呼ばれるもの
【マサムネ】 隙なき全霊の一撃を打ち込まねば 返り討ちにされる…
一瞬だった
瞑想の脱力状態から… マサムネは瞬時に竹刀を取って 膝立ちし、目の前の空を斬る
マスターには マサムネに異族が 一刀両断される絵が見えた…
【マサムネ】 『剛剣-瞬力-』―― 見えぬものすなわち本質… ならば我はそれを斬る…
それはまさしく 彼女が新たなスキルに 目覚めた瞬間だった
あまりに鮮やかなマサムネの一閃に 見惚れているうちに…
マスターの足は完全に しびれてしまっていた
【マサムネ】 なんだ主君… もう音を上げたのか まったく鍛錬が足りんぞ!
厳しい言葉とは裏腹に マサムネの笑顔は とても柔らかかった
【マサムネ】 煩悩を焼尽できたのは 主君のお陰だ… 心より礼を言う
【マサムネ】 このマサムネ 主君のためならば いつでも剣を振るう覚悟がある
【マサムネ】 …なに、荒事でなくてもよい なんでもよいのだ… 拙者は主君のために尽力したい
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